堕天使のパスポート
B5W41902 瀬島菜那
イギリスのロンドンで生きる(不法?)移民たちの物語だった。21世紀の初めころ
ホテルの支配人のファンは移民なのに支配人にまで出世できたことに驚いた。イギリスでは、仕事ができればマネージャーになれるというのが一般的だということを、授業やゼミで知識としては頭の片隅に入っていたが、映画で見たときにびっくりしてしまった。仕事ができれば昇進できるというイメージが全く湧いていなかったことに気付くことができた。はい、逆に言えば、日本では、仕事ができてもその他の属性で昇進できないのが通常になっていることを当たり前に思っている人が圧倒的多数なのでしょうね。(その属性とは、性別、国籍、人種、民族などなど)
シェナイとオクウェが別れる際に「I love you」と言っていたのが印象的だった。イギリスロンドンの裏側で生きる人達が描かれていて、典型的な恋愛映画ではないこの映画で、このセリフを言わせているというのが面白かった。これは「愛」の物語だという意見があったと思う。表社会で堂々と生活できない、不法移民や難民という立場の2人が共に過ごしたことで湧いた感情や思いが、「愛」なのだと思った。はい、日本にはそんな「愛」もそうでない「愛」もありませんね。人間の関わりがない社会ですから。
映画では、一緒に生活するシェナイやオクウェだけでなく、娼婦や他の移民たちとの交流がかなり描かれていたように思う。よく覚えていないが、店の人がオクウェに靴を貸してくれたような、靴を隠してもらったようなシーンもあったし、薬が欲しいという人に薬を与えるシーンもあったりと、広い交友関係があるように見えた(はい)。仕事と家族と友人以外の人間関係があるというのは、移民という立場にいるからなのだろうか。それともイギリスでは当たり前なのだろうか。(イギリスでも、日本以外では、通常の姿ですね。)私自身が人との交流が多くないというのもあるが、多くの人と関わっているオクウェはすごいと感じた。日本人をやっているあなたですね。