岡部さよ子
静岡県浜松市で暮らす10代から20代の日経?(系)ブラジル人(デカセギの子ども)たちの生活に密着した、浜松学院大学制作のドキュメンタリー(2012年公開)。1990年に日本の入国管理法が改正され、日本は3世までの日系外国人(ブラジル人など)とその家族を無制限に受け入れることができるようになった。この時日本にやってきた日系ブラジル人たちの子ども世代が、このドキュメンタリーに登場する若者たちである。彼ら自身は「出稼ぎ労働者の家族」として日本に滞在しているため、親の仕事の都合に合わせてブラジルに帰ったり(?)あるいは日本にいたりしている。また、幼い頃に日本へ移住し、日本で育ってきたという者も珍しくなく、その人たちは、友人関係や学校、職場などの生活基盤は日本にある。(が、親が帰国すれば、その子どもである若者たちも、日本には居られず、帰国することになるのだ。)
外国籍の子どもたちは、仮に日本で小学校や中学校に通うような年齢だとしても、日本国籍を持っていないので公立学校に行くことを強制されない。日本政府にとって、外国籍の子どもたちに教育を受けさせることは義務ではないため(日本国民に対する義務教育です)、学校へ行くか行かないかは本人次第になっている(子どもの権利条約や国際人権法の観点から問題視されています)。また、仮に行ったとしても通い続けるための親や子どもへの学校からのサポート、フォローが制度上ないため、一旦つまずくと立ち直ることが難しい。このドキュメンタリーでは、中学卒業とともに工場などで働き始める若者もいた。「学校に通えない」というと、通う本人や家族の責任のように聞こえるが、ディスカッションでも話があったように「教育から疎外されている」と思った。日本では、特に教育において日本以外の国籍を持つ人が差別され(日本国民のための教育)、日本国籍を持っていないことが大きなハンディキャップになるのだとわかった。子どもの権利条約違反なのです。
私が通ってきた小中学校では、毎年健康診断があったり、眼科や歯科の検診を学校単位で受けたりすることがあった。学校に行けないということは、こうしたサービスも受けられないということだろうかはい、そうです。学校に受け入れられていれば、その学校で、健診・検診を受けられますが、学校に在籍していなければ、何もないのです。。小学校入学前まででも年齢によって検診があったりするが、外国籍の子どもの場合は、そうした検診も義務教育と同じように「行っても行かなくても良いもの」になってしまうのだろうかはい、そうなのです。。日本国民ではないということは、健康保険のようなシステムもないのだろうかと考え、疑問に思った。在留資格のある外国人は、国民健康保険に加入しなければなりません。