堕天使のパスポート
B3W41102 蛭田一樹
移民や難民に関するイギリス社会の思いが表れている映画だった。最も印象に残ったことは移民局の人々だ。彼らの振る舞いは野蛮そのものであり、移民の住む家を家畜小屋のように扱っていた。悪いこと(法律違反)をした疑いがあるからなのだろうが、だからといってそこに住む人を尊重しないような振る舞いは許されないと思う。まるで、イギリス人が「住まわせてやってる」ような雰囲気を覚える。(イギリスの移民法の歴史を調べてみましょう。)階級社会において、移民・難民らが行う単純労働はイギリスに必要なことだし、なくなったら困る人々は多いだろう。(イギリスにおける外国人労働者の受け入れ制度の歴史を見てみましょう。)だが、社会を支える仕事だからこそ、その同業者で仲良くなるところが際立って温かみを感じた。この階級社会は搾取されないと生きていけない、上下のつながりという意味での縦糸と、同業者同士で支えあって生きる横糸が社会を作っているのだとも感じた。(イギリスの労働組合の構造です。)それでも搾取自体は良くないことだし、オクウェのような医者くずれにではなく、病気は病院に行って様々な設備がある場所で診てもらうべきだ。(福祉国家イギリスの国民の状態ですね、国民になれない人たちの話なのです。)コメディタッチで描かれてはいるが、随所に問題提起があった。搾取ばかりしていると仕返しされちゃうよ、のようなメッセージや、我々が安い服を必要としているから、スウェットショップで働く人が出てくるよといった内容、また、前述しているように、移民を人として見ていますかという内容だ。(はい)特にスウェットショップについて調べてみたが(良い着眼点です)、とても複雑な内容だった(はい)。Tシャツ一つ考えても、綿からすべて適正に取引が行われている場合と、綿をつくる農作業から縫うところまで搾取工場というパターンもあるし、綿はフェアトレードですよと言っていても、縫う段階ではスウェットショップで作られていましたという場合もある。安いものを追い求めた結果がこれである。私たちは質と価格で買い物を行う。だが、判断材料は目の前の商品だけでしかないためそのお店や取引先、下請け企業について知識が必要になってくる。(来週の映画、「トウルーコスト」のテーマです。)こうした情報を集めるためには英語で書かれた内容を読めるようでなくてはいけないし、さらに取引先がどのような企業なのか知らなくてはいけない。知るための障害がとても多い。それはなにより、消費者が「目の前のもので満足」すればいい現状を反映している。それに対して、野菜・果物は変わってきている部分があると思う。口に入るものだからなのか、どんな農家が作ったのか、栽培方法は何なのか、農薬は使ったかなどの情報を開示する商品が増えている。だが、それを運ぶ運送会社の賃金は適正かという問題が残っている。それでもこうした内容がどんどん明かされていけば、適正な価格で取引され、大量消費・大量廃棄のような生活もなくなると思う。(楽観的ですね)だが、そうすると値上がりしてしまうため、低所得の人々の生活を圧迫してしまう。(ロハスLOHASは、中産階級の運動です。)格差と搾取は表裏一体であるということなのだろうか。(はい、この点をもっと追求してください。)格差と搾取の間には複雑に入り組んでいる事情があると思う。利益よりも作る人の生活(これは何ですか?)を考えられるようになったら、資本主義は行き過ぎてしまうこと(要説明)がなくなるのかなと思った。
映画(の登場人物)についてのコメントが少ないですね。