アナと雪の女王B5W41902 瀬島菜那
ウォルト・ディズニー(アニメーション・スタジオ)が2013年に公開した映画で、アナとエルサ(どうしてアナが先?)を主人公とする。
いままで男性に幸せにしてもらう女性を描くことがディズニーアニメでは多かった。この映画は別に男性に幸せにしてもらう女性を描いた作品ではないという点が、今までのディズニー映画とは違ったように思う。最近のディズニーアニメではポストフェミニズムの思想が注入されている作品が連続してます。http://www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/1505natsumi_toki.pdf など参照。
作中で真実の愛という言葉が使われていた。真実の愛とは、キリスト教の無償の愛で、それを否定していないというところが今までと同じディズニー映画と変わらないところだった。無償の愛のような、見返りを求めずに人に尽くす愛は、キリスト教徒の多いアメリカ人にはすぐに分かるものなのかもしれないが、私にはピンと来なかった。「愛」は分かるのですか、ピンと来るのですか?
英語の「let it go」の歌詞と日本語の歌詞の意味が全く違っていた。日本人の観客はこの日本語の歌詞に惹かれたのではないか、という意見がゼミで出た。日本語の歌詞の「ありのまま」という言葉は、あまり自分で使う言葉ではないように思う。人から「ありのまま」でいてくれ、という意味で使われることが多いのではないだろうか。これを意識的に自分でエルサは使う、というシーンになっているが、英語の歌詞のように主体的で自分で何とかしてやる、という気概が、日本語の歌詞からは伝わってこない。はい。自分を慰めているだけのような歌詞だ。(大変な状況にいるとの主観認識における現状維持の肯定。)エルサの歌う「ありのままで」の歌詞に慰められた観客が日本人には多かったということなのかもしれない。そうですね。「ありのまま」だけで、「なしのぱぱ」については誰も考えていないようです。
原題が「Frozen」だが日本語のタイトルは「アナと雪の女王」だ。日本語のタイトルはエルサを「雪の女王」として表現していて、アナは名前をそのまま使われている。日本語版を作った人たちは、アナ目線で映画を見てほしかったのだろうか。そうでしょうね。日本の観客にはエルサは理解できないと読んだのでしょう。エルサを「雪の女王」と表現しているところが、エルサを他人のように見ている感じがする。はい、他人事ですね。問題は、「エルサ」をどうゆう人として、あんたは理解し、それをどう評価するか、です。そのことについて書いてください。