亀も空を飛ぶB5W41902 瀬島菜那
イラクのクルド人居住地に住む子供たちの物語だった。
少女がフセイン政権の軍にレイプされるシーンがあったが、クルド人を減らすためにクルド人少女を兵士にレイプをさせている、というのには驚いた。確かに、レイプされて妊娠、出産したら非クルド人との子を産むことになり、レイプされた女の子はその後クルド人の相手とでも子供を産みたいと思わなくなる。そうすればクルド人は減るだろう。このようなことが行われていることはショックだった。はい、現代の紛争の背後には、「民族浄化のためのレイプ」が行われている事実に無知でない学生になってください。(苗木へのコメントを参照。)
また、地雷を、地雷探知機を使わずに探しているとは思わなかった。あんな探し方をしていれば、作中にもあったように足を失ったり、怪我をしたりしてしまう。地雷探知機を買うほどの余裕が彼らにないのかもしれないが、あのままではとても危険だ。その危険を冒しても地雷を売って生活しなければいけない状況に彼らが置かれていることが、作品を見て分かった。(はい、良い気づきです。)また、地雷を売っても、その地雷がまた埋められることがあるというのにも驚いた。このような状況下で生活している人がいることが、日本で何気なく暮らしているとわからないので、この映画でそのような状況があることを知れてよかった。「日本で何気なく暮らしている」ことの幸と不幸を理解しましょう。(無知=幸である日本の悲劇)
この映画を見るまで、クルド人がイラクから迫害されていたことを知らなかった(シリア、トルコからの迫害は知っていたのですか?)。クルド人の問題を今まで聞いたことがなかったし、イラクがどのような状況にあったのかもよく分かっていなかった。背景を知らないと全く分からない映画だった。(映画に限らず、知るとは背景を知ることなのです。このことを知らない学生が多いですね。)ゼミでの先生の解説を聞いてやっと少し映画の内容が分かったが、自分ひとりで見ているときは何が何だかよくわからなかった。映画や他の娯楽なども、背景が分からないと楽しめないものは多い。映画を見るにももっと知識が必要だと感じた。(知識はどこからか降ってくるものではありません。)日々の暮らしの「知ること」の中にあるのです。