うつ病の一例をこの映画で見ることができた。周りにうつ病の人がいないので、どんなものか実感が湧かなかったが、ツレのように眠れなくなったり、反対に一日中眠気を感じていたり、自殺未遂をするほど気分が落ち込んでしまったりする症状がある、というのがわかった。夫でなく、妻が「うつ」になったら、どんなストーリーになったのかも考えてみましょう。また、ツレのように失業保険に入っていれば、何とか生活ができることも知ることができた。反対に、保険に入っておらず、他に収入も貯蓄もなく、人にも頼れないとなると、生活保護を利用することになるのだろう。いや、婚姻者は、そうは簡単になりません。いつ働けなくなるかわからないと考えると、日本に生活保護の制度があってよかったと思う。失業しただけで死なないためにもこのような制度があり利用できることを頭の隅に入れておきたい。まずは生活保護の条件を、具体的に知りましょう。
夫婦のあり方も同時に見ることができた。うつになる前までは、夫が妻のために働いていた。妻も働いてはいたが、売れない漫画家で毎日変わらない生活をしていた。ツレのように人の夢の実現を応援し自分が働くという行動は、母親と子供の関係に似ていると感じた。(日本の「母」は、(正規で)働いてないよ。)ツレのように他人のために働いている人は、自分のやりたかったことは何だったのか分からなくなってしまうのではないだろうか。特に専業主婦の母親は、自分の夢を実現しようとせず子供が夢をかなえることが自分の生きがいになってしまうことがある。こうなってしまうと母親は自分のしたかったことを忘れてしまうし、子供は母親のプレッシャーに押しつぶされてしまう。今回の作品の妻はそんなプレッシャーにつぶされるなんてことはなかったが、自分のしたいことをせずに人のために働くというのはつらいように思う。(自分のしたいことは、なかったことにするので、辛くないのです。問題は、自分のしたいことに気づいた時、それを実現することはほとんど不可能となっていることです。)稼いで人を養うのもいいが、人につくしすぎずに自分ももっと大切にしたほうがいいと感じた。(子供以外の「扶養」家族がいるという制度自体が、辛い人を生産する仕組みなのです。)