(苗木)
私は、昔ニュースでやっていたなあ、というレベルでしかビン・ラディンやアルカイダ、サダム・フセインについて知らなかったため、知らないままこの映画を見てしまい、正直わからない部分もあった。知らない、分からないが、たくさんあっても動じない日本人ですね。
世界の5分の1がイスラム教徒で、他の5分の4はイスラム教徒を恐れているとあったが、私にはそのイメージがなかったので、少し驚いた。(現実的な世界のイメージに疎い日本人ですね。)私たちはニュースなどを見ていると、「この国の人々はこうだ」と国など1つのまとまりで性格や考えをまとめてしまいがちだが、その国のそれぞれの人の意見を聞いていくという映画の撮り方が新鮮に感じた。はい、「国民性」のイデオロギーにがんじがらめの日本人は、国民の一人一人に関心がありませんね。(日本人も含めて)
わたしの留学中のホストファザーがイスラエル出身なのだが、イスラエルは戦争をしている国という大雑把なイメージしかもっていなかったので(はい、どこと戦争をしているが大雑把でも知っていますか?)、映像で見てみて、いつも陽気だったホストファザーのことを思い出すと同時に、彼もここで暮らしていたのかと考えると、なんともいえない気持ちになった。イスラエルにもパレスティナにも、普段の生活はあるのです。
映画の中で奥さんの妊娠中に危険な地域に行ったにも関わらず、途中で引き返すような終わり方で、これでいいのかともやもやした。危険が伴うことは初めからわかっていただろうし、奥さんが出産間近なときに行く理由もよくわからなかった。考え方としては、出産の前に(つまり自分の子供の誕生の前に)その子供のために、その子が産まれてくるこの世界が、どんなところであるのかを確認するための映画製作だったのです。)それが親としての自分の責任だと考えているのです。この発想を理解できますか?