(瀬島)
CIAがこの映画を発表することを許可した理由がわからなかった。この映画がアメリカにとって得になる映画だったのか疑問だ。(否、例えば日本でこの映画を見る人は少数だし、見たとしてゼミのように解説付きで見るわけではないので、アメリカにとってはマスマニュプレーションとして、有効な映画なのです。)これをみてアメリカを信用できないと思う人が増えてしまい(否、アメリカ不信よりも、アメリカ賛の効果があるのです、アメリカン・ポピュリズムとはそうゆうものです。)、アメリカにとっては痛手なのではないかと感じた(痛手ではありません、マイナス面も含み込んで、トータルとしてOKを出しているのです)。映画の中でウサーマ・ビン・ラーディンを確実に殺害したことが表現されていた。FBIの手配書では、テロを陰謀し200名以上の犠牲者を出した国際的なテロリストであることが記されている。国際的に危険な人物を殺害したことを作中にしっかり描いたことは、この映画の良かった点だろう(良い点というより、それがCIAにとってこの映画物語の狙いなのです。)。恐ろしいテロリストがいなくなったことで、彼が首謀するテロがなくなったことは事実である(否、逆でしょう。テロが減った訳ではありません。アメリカは、報復テロがあり得るので、さらに国民に気をつけろと恐怖心をあおっていました)。しかし、CIAが暗殺した人物はウサーマ・ビン・ラーディン本人だったのか疑問が残った(あからさまな証拠隠しがおこなわれました)。また、彼が9.11を主導したという確実な証拠がない(FBI情報)にも関わらず殺害が強行されたことにも違和感を覚えた(それがCIAの任務なのです。)。作中冒頭ではCIAによる拷問のシーンがあった(「拷問」は、公式の報告書で認めているので、映画の効果としては「拷問」の正当性を印象づけていることなのです。)。CIAは警察ではないからどんなことをしてもいいというセリフが作中にあった(国内法を遵守する必要がないのです)。自国の危険を守るための情報が必要だとしても、他国民をひどく扱うことを当たり前にしているCIAを作品内で描いたら、CIAやアメリカにとってマイナスイメージになるのではないかと疑問に残った。(今のアメリカ人の大半は、逆に考えて、CIA やアメリカの正しさ、を賛美する映画効果の方が大なのです。)9.11の事件の物語の結末を、アメリカ国民に見せることが大事であって、その間のマイナスイメージは、そのための手段として正当化されるように、仕組まれているのです。
CIAはウサーマ・ビン・ラーディンとする人物を殺害した。しかし、彼を殺したことがテロの防止につながったとはいえない(はい)。テロの原因は彼ではなく、彼らの反米思想をつくった欧米の中東政策の情勢だからだ。湾岸戦争時、イラク軍から(サウジアラビア?)クウェートを守るために、ウサーマ・ビン・ラーディンらではなくアメリカ軍をサウジアラビアに駐在?(駐留)させたことが、中東諸国の反米感情を高めたとされている。湾岸戦争はイラクがクウェートに侵攻したことで始まった。イラクに制裁を加えるためにアメリカ率いる多国籍軍がクウェート側に着いた。湾岸戦争後もアメリカ軍が駐在(?駐留)している。イラクがクウェートに侵攻した理由は先のイラン・イラク戦争の負債時(???)にイラクの申し出を聞き入れてもらえなかったことだ(意味不明)。このように、中東は紛争が勃発している。アメリカが多国籍軍(の中心)として紛争に介入し中東に駐在(駐留)したことは、中東諸国に反米感情を高める要因のひとつである。中東の情勢が良くならなくては(現在ではさらに悪化しております、IS問題)、反米感情をなくすことはできないし、首謀者一人を殺したところで解決には至らない。9.11以降のアメリカの戦争の仕方を見れるようになりましょう。