「幻の東京計画」に出てくる丹下健三や磯崎新、石川栄耀は芸術家であったのだなと思う。芸術家だからこそ敏感に時代や時代の変化を感じ取ったのかな?とおもった。芸術家観がロマンティックすぎではないか。 丹下健三は人口の増幅に危機感のようなものを感じて海の上に回避させようとしたのかなと思った。人口の捉え方が物理的ですよね。しかしよく考えると海の上に住むというデメリットは考えていなかったのかも(わたしは海の上なんてなんだか素敵だわ〜なんて思っていたけれど、よくよく考えれば津波がきたときどうするんだ、とか考えていなくて、理想、妄想の世界の話だったのかも、だからこそ幻の東京計画なのか・・・。)海風、潮風、台風など「風」について知らない人の発想ではないか?東京は、江戸のころから江戸前(東京湾)を埋め立てることで、人口増に対応してきたのです。
戦争体験で東京が焼け野原になりそれぞれの建築者(家?)は「建築の儚さ」を目の当たりにした・・・。本当にそうだと思う、だからこそ東京を変えるということに強い思いを持っていたのかも。焼け野原で「建築の儚さ」というのなら、ヨーロッパも同じ状況だったが、ヨーロッパの都市は、「都市を変える」という発想ではなく、そこに数百年もつ建築を考えたのではないか。日本の建築は、数十年単位の建築物でしかないのはなぜか?
この映像では輝かしく描かれている(何が?)と思うけど、ゼミディスカッションでは全くそんなことはなかった気がする。戦後の男たちは妄想狂で、ここに出てきた建築者(家)も現実味がない。生活が分かっていない、都市計画をするものなのに都市が分かっていないなど。
遠藤さんのレジュメには関東大震災が書いてあるのに、映像には出ていなくて少し疑問に思っていたけれど・・・関東大震災も含め東京が変わる機会は何回もあったのだな・・・遠藤さんが言っていた通り、破壊と再生を繰り返しているのだ。「破壊と再生」という発想は、楽観的ではないか、「破壊」があっても次には「再生」がくると、予め想定されてしまっていないか?
東京に稼ぎにきて、また流行に乗ろうとして都心に人口が増えて行き、東京23区に政治・経済・産業・情報の中心地が定着した。それ(それは何?)は今の23区内に人(の住宅地)が収まりきれないため西に人口が移動しても変わらないのである。それ(それって何?)に気づいたときが衝撃だった。そしてそれ(それ?)に気付いた岡部さよ子ちゃんは鋭いと思う。「東京の中心」のこと?(それをもう少し特定して説明してください。)
ディスカッションでいろいろ言われていたが、わたしは芸術家として建築家をとらえてしまって、敏感にキャッチできるところとか繊細なところを見ると素敵だなと思ってしまう。芸術家? かれらの発想において「思想家」の自覚がないのが、日本の思想状況の現れなのではないか?