椎野ゼミ課題
Soft revolution 2014年10月17日 チョウ ロセン b4w51591
今回はベルリンの壁について、そしてドイツの近代歴史について学んだ。子供のころからドイツ(西ドイツ?)は西洋の先進国としての認識があるため、初めてベルリンの壁のことを知った時、どうしても理解できなかった。しかも、今?戦後のドイツが2つの国に分裂したとき(1949年)、どうしてベルリンだけに壁を立てたのか(1961年です)。今回の資料と映画、また後藤さんの説明から、分かったのである。ベルリンの西側がドイツ連邦共和国の飛び地だというわけである。地理的にはそうですが、そこで東ベルリンから西ベルリンへの脱出市民が多くなり、それを阻止するためにです。
同じく世界第二次大戦での敗戦国であった日本とイタリアは、どうしてドイツのように分裂し、ほかの国に占領され、支配されることにならなかったのだろうという疑問があった。日本は島国のおかげで、イタリア北部のアルプス山脈のおかげではないだろうか。
第二次世界大戦は、日独伊のファシズム枢軸国と、反ファシズムの連合国の対立でした。連合国には、戦争末期から冷戦構造の対立が現れてきました。イタリアは、ムッソリーニ(ファシスト党)の失脚後は、英米仏の連合国側につき、戦後は共和制を選択し、西側諸国の一員となっています。東側ソ連の勢力は、アルプス山脈を超えてくる必要はなく、隣国のユーゴスラビア経由でよいのですが、東欧勢力はユーゴスラビア止まりでした。日本の場合は、島国だからではなく、ソ連は北海道占領計画を持っていましたが、ヤルタ協定に従って、サハリンと千島列島(北方4島を含む)だけの引き渡しとなり、マッカーサー米軍の力による一国占領となりました。冷戦構造が熱戦になったのは朝鮮半島であり、南北朝鮮が分断されました。
韓国と北朝鮮のような真2つの国になったことと違い、ドイツは分裂した45年後、また統一した。なぜ、朝鮮半島のこの2つの国がドイツのように再統一にならなかったか。
東ドイツを含む東欧諸国における80年代の「民主化」運動の歴史が背景にあり、ソ連が91年に解体した経緯があります。北朝鮮には「民主化」運動も成立せず、背景にはソ連ではなく、中国支援があり、六か国協議(日中韓米ロ、北朝鮮)も全く進展していないのが現状なのです。
また、先月行われたスコットランド独立住民投票も、イギリスを分裂させる可能性がある選挙だと思う。このような「民族対立」が先進国でも行われるなら、たくさんの民族が住んでいる移民国家のアメリカでは、このような独立選挙が行われるだろうか。
移民国家としてのアメリカ合衆国における「民族」の意味と、近代国家における民族独立独立運動では「民族」の意味が異なっております。まずはこの「民族」観の整理から始めてください。英国は、もともとイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドをunited kingdomとしてまとめて国民国家にしたものなので、たえず潜在的に分裂する可能性を秘めています。北アメリカならカナダの「ケベック州」(フランス語圏)の独立運動があります。いろいろなところで独立「選挙」が実行されています。中国にも、マイノリティ民族の独立運動が顕在化しており、独立「選挙」という形になっていない現状があります。国家と国民と民族の関係をどのように捉えていくのか「近代国家」が内在的に抱えている問題です。
私の観点では、今はグローバル化の社会になっており、一つの国の国民全員が一団結すべき、もっと幸せになることを努力したほうがいい。国や、地域を細分化したら、確かに民族対立が減るかもしれないが、自分の国が世界での地位の分量はそう重要ではなくなると思う。資本主義でもいい、社会主義でもいい、一国が十分に強いほど、ほかの国の言いなりにならないし、自分への脅威も大きくならないと思う。(独裁政権なら別である。)「帝国主義」の発想をなぜもっているでしょうか?非常に古典的な「帝国」主義の国家観しか持っていないのは、国際学部生としては勉強不足ですね。冷戦構造の国家観に逆戻りです。近代の「国民国家」イデオロギーについて、20世紀の歴史的現実について、考察してください。
今回のスコットランドが独立せず、イギリス全体の団結に何かいい啓発になるかもしれない。来月に行われる予定のスペインのカタルーニャの独立投票もスペイン国民に何かいい啓発の結果が出るように期待している。「国家」「国民」「ナショナリズム」とは何かを再度考えてください。(アンダーソン『想像の共同体』書籍工房早山を参考に。)