椎野ゼミ課題
ブレーキなき社会
2014年5月28日
チョウ ロセン
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つい最近のバラエティー番組で知った。日本の新幹線の去年(2013年)の年間総遅刻時間は、30秒/本という驚きの正確さなのである。その数値は台風などの影響も含めて計算されたものだそうである。あの番組によると、新幹線の運転手は一秒単位で運転時刻表通りに運転しているそうである。通過する駅でも、時間を確認し、一秒の誤差が出ても次の駅を通過する前に、時刻表通りにスピードを調整するという。もちろん、新幹線だけではなく、日本の在来の電車も相当の正確さで走っている。日本の電車の時刻の正確さは外国人からの評判の一つである。この恐ろしい正確さが運転手のストレスになるのではないか。このドキュメンタリー映画作品によると、事故が発生する前に、すでに定刻より70秒以上遅れていた(前の駅での停車時のオーバーランのため。)。当時の運転手が遅れる分を少しでも取り戻せればと思い、カーブでスピードを落とさなかっただろう。発表者の遠藤さんの資料によると、当時のJR西日本は「日勤教育」という懲罰があり、ヒューマンエラーを個人の責任に転嫁することがあった。これらはすべて運転手へのプレシャーではないか。ミスを恐れ、逆にそれ故にミスを起こしやすくなると思う。この事故では、組織の「罪」が問われることがなく、また事故調査委員会でもそのことは問われない構造があったのです。
国鉄分割民営化に伴う労働組合の弱体化に関する問題は、事故のもう一つの要因だと思う。調べたところ、OECD.Stat 2013.7.18、総務省統計局「労働力調査」によると、日本の年間実労働時間(2101時間)は欧米主要諸国に比べ、約500時間を上回っているという。よく見たジョークの中で、フランス人はストライキが好きという設定がよくある。フランス人の年間実労働時間(1479時間)を見ると、フランスの労働組合が強い発言権を持っていると推測できるだろう(週35時間労働制)(フランスは労働組合組織率(1割以下)は低いが、労働協約のカバー率が高いのです(9割の労働者がカバーされています)。)。実際調査のグラフをよく見ると、日本の年間実労働時間は少しつつ減っていく傾向がある(否、この数年は増えています。)。将来日本は残業大国の印象を緩和していくだろう(?)。労働組合は主に労働者の権利を守る組織である。もし、全日本の労働組合が強気になったら、労働者がよりよい仕事場で働けるに違いない。強気になれないのです。労組の組織率は18%で、正規労働者の5人に1人しか、労働組合に入っていない。日本の企業別労働組合は正社員しか組織していない現状があります。労働協約のカバー率も低く16%ぐらいです。
この事故から2011年7月中国の(温州市の)高速鉄道の(衝突・脱線)事故を思い出した。あの時も事故調査委員会のメンバーが国から作られた。今回のJR福知山線脱線事故の事故調査委員会に関する指摘と同じような状況である。この事故の調査結果はもうぼんやりしていた。しかし、このような中国国務院や中国鉄道省の事故調査委員会の調査結果をどこまで信じられるだろうか。はい、事故車両の解体と埋め立てが非常に早かったですね。賠償金も高額でしたね。
最後、一つ疑問がある。何故先生はNHKがこの作品を作れなかったと判断したのか。理由はきちんと聞き取れなかったためである。このドキュメンタリーは、NHKではNHKがイギリスのBBCと共同制作したもので、国際共同制作だと説明していますが、三宅響子監督の情報は伝達していません。このドキュメンタリーの企画は、監督が英国のBBCなどに提案して、その後にNHKなども加わって日米欧の五カ国国際共同制作になったもので、NHKが制作を最初に企画したものではないのです。NHK会長の発言のように、政府や監督官庁への批判的見解を述べるような番組は作りづらい状況で、国土交通省がらみの事件に対してものを言う番組は正面から制作できづらいのです。ですから国際的に間接的にこの番組を制作した説明をしていると思います。
参考資料:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3100.html