20210717映画A「17歳の瞳に映る世界」Never Rarely Sometimes Always
映画『17歳の瞳に映る世界』予告編
思いがけず妊娠した17歳の少女の旅路を描き、ベルリン国際映画祭審査員グランプリなどを受賞したヒューマンドラマ。おとなしくて目立たない高校生が、両親の同意なしで中絶手術を受けることができるニューヨークへ親友と共に向かう。監督を務めるのは『ブルックリンの片隅で』などのイライザ・ヒットマン。主演は本作が長編映画デビューとなるシドニー・フラニガン。
作品情報:https://www.cinematoday.jp/movie/T002…
配給: ビターズ・エンド
配給: パルコ
公式サイト:https://17hitomi-movie.jp
(C) 2020 FRIENDS IN TROUBLE LLC / FOCUS FEATURES LLC
劇場公開:2021年7月16日
スターチャンネル1(BS10):14:00-16:00(101分)
https://eiga.com/movie/92687/
新鋭女性監督エリザ・ヒットマンが少女たちの勇敢な旅路を描き、第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)受賞したドラマ。友達も少なく、目立たない17歳の高校生のオータムは、ある日妊娠していたことを知る。彼女の住むペンシルベニアでは未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている親友でもある従妹のスカイラーは、オータムの異変に気付き、金を工面して、ふたりで中絶に両親の同意が必要ないニューヨークに向かう。性的アイデンティティに悩む青年を描いた「ブルックリンの片隅で」で2017年サンダンス映画祭監督賞を受賞し、一躍注目を集めたエリザ・ヒットマンの長編3作目。「ムーンライト」のバリー・ジェンキンスが製作総指揮に名を連ねる。
2020年製作/101分/PG12/アメリカ
原題:Never Rarely Sometimes Always
配給:ビターズ・エンド、パルコ
https://ja.wikipedia.org/wiki/17歳の瞳に映る世界
公式サイト:https://17hitomi-movie.jp
https://www.cinemacafe.net/article/2021/07/23/73949.html
『17歳の瞳に映る世界』原題が意味するカウンセリングシーン解禁「絶対に忘れない」「号泣した」
映画『17歳の瞳に映る世界』レビュー警告後ネタバレあり
海外在住の映画YouTuber「シネコト」です。
日本でまだ公開されていない映画・海外ドラマを
いち早くレビューしています。
今回は2021年7月16日日本公開予定
映画『17歳の瞳に映る世界Never Rarely Sometimes Always』のレビューです。
【7/16(金)公開】映画『17歳の瞳に映る世界』「一度もない、めったにない、ときどき、いつも」原題の意味がわかる印象的なシーン(本編映像)
ペンシルベニア州に住むオータムは、愛想がなく、友達も少ない17歳の高校生。ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友スカイラーは、オータムの異変に気づき、ふたりで事態を解決するため、ニューヨークへ向かう…。
少女ふたりの旅路は、どの国にも通じる思春期の感情と普遍的な問題をあぶり出す。17歳の少女の瞳を通して浮かび上がるこの世界をみずみずしく活写した新たな傑作。
この本編映像は、本作の原題「Never Rarely Sometimes Always」となったプランドペアレントフッド(全米家族計画連盟)での印象的なシーン(プランドペアレントフッドとは、世界的にリプロダクティブヘルス/ライツを提供する非営利団体のアメリカ支部で、全米で約600の施設を運営しており、様々な種類のマイノリティや生活困窮者の利用も多い)。
実在の施設で撮影されたこのシーンは、主人公のオータムが中絶手術を受ける前に、診察室でカウンセラーから「相手との関係もきかせて。とても大事なことなの」と問診を受ける。立ち入った質問をするわよ、との前置きのあと「答えは4択。一度もない、めったにない、時々、いつも。テストじゃないから」と優しく語りかけるカウンセラーに、終始表情が硬いオータムも「オッケー」とやっと口を開く。
「この1年間で相手がコンドーム装着を拒否した?」
「相手が避妊の邪魔をして妊娠させようとした?」
「相手に脅された?」
「相手に殴られたり、暴力をふるわれた?」
「一度もない、めったにない、時々、いつも」から一つ選び、慎重に答えていくオータム。答えづらい質問が続くこのシーンは、緊張感のある撮影となることが予想されたが16ミリによる長回しで撮影された。そこで監督は、少しでもオータム役のシドニーの負担を減らすため、静かで落ち着ける部屋と時間を用意し、後半のシーンに集中できるよう、質問には自身の家族のことを答えるよう伝えたという。
これらの質問への回答が4択であるのには理由がある。それは、当事者が答えやすいようにという意図だけでなく、セカンドレイプを防ぐため。性暴力にあった女性からその詳細を語らせることは、セカンドレイプにあたる恐れがあり、当事者本人を傷つけてしまう可能性がある。詳細を聞くことは中絶手術を行うには必要ない情報だが、暴力の有無は再発防止のために必要な情報。施設で働く人々は、徹底されたプロフェッショナルな態度で、やるべきことをする…。そんな姿勢が、実際に中絶手術を受けにきた女性たちへの“優しさ”なのだ。
また、実際にセンターで働く女性がカウンセラーとして出演したことで、よりリアリティのあるシーンとなった。監督は、メディカル・センターに勤めるケリー・チャップマンから「エリザ、中絶は決してただの危機ではないの。家の中で起こっている秘密は、20分では解決できない。妊娠、セクシュアルヘルス、パートナーによる暴力、暴力から安全を確保する方法、すべてが絡み合っている」との話に胸を打たれ、このエピソードを物語に取り入れたと語っている。「映画が信頼できるものであってほしい」との願いから、この場面のような会話をこれまで何度もしてきているケリーを、カウンセラー役としてキャスティングしたと明かした。
本作では、こういったやりとりを過度な演出一切なしで忠実に再現したことで、オータムの絞り出した回答とその隠された想いに、観客が惹きつけられるシーンとなり、「原題の意味が分かったシーンで号泣した」「この言葉の意味を絶対に忘れない」という熱い感想がSNSでは飛び交っている。
監督・脚本:エリザ・ヒットマン
出演:シドニー・フラニガン タリア・ライダー セオドア・ペレリン ライアン・エッゴールド シャロン・ヴァン・エッテン
プロデューサー:アデル・ロマンスキー、サラ・マーフィー 製作総指揮:ローズ・ガーネット、ティム・ヘディントン、リア・ブマン、エリカ・ポートニー、アレックス・オーロブスキ、バリー・ジェンキンス、マーク・セリアク
2020年/アメリカ/101分/ユニバーサル作品 配給:ビターズ・エンド、パルコ 原題:Never Rarely Sometimes Always
(C) 2020 FRIENDS IN TROUBLE LLC / FOCUS FEATURES LLC