東京シティビュー「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」
東京シティビュー「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」
2023年3月17日(金)~6月4日(日)
世界から注目を集めているデザイン集団、ヘザウィック・スタジオの作品展
主要プロジェクト28件を一挙に公開。試行錯誤を重ねた模型やサンプルなど
暖簾や垂れ幕から着想した展示デザイン。回転椅子《スパン》には座れます
取材 2023.3.16
https://www.museum.or.jp/report/111153
美術館・博物館の情報サイト、インターネットミュージアムによる取材記事内に掲載している動画です。
0:37 セクション1「ひとつになる」
1:08 セクション2「みんなとつながる」
1:29 セクション3「彫刻的空間を体感する」
1:41 セクション4「都市空間で自然を感じる」
1:53 セクション5「記憶を未来へつなげる」
2:14 セクション6「遊ぶ、使う」
https://www.museum.or.jp/report/111153
森美術館「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」(会場:東京シティビュー)トレイラー|”Heatherwick Studio: Building Soulfulness”
「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」
会期:2023.3.17(金)~ 6.4(日)
ウェブサイトはこちら:www.mori.art.museum
“Heatherwick Studio: Building Soulfulness”
Exhibition Period: 2023.3.17 [Fri] – 6.4 [Sun]
Website: www.mori.art.museum/en/
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https://youtu.be/THFIP7wivIo
Heatherwick Studio: Building Soulfulness | Mori Art Museum
Heatherwick Studio: Building Soulfulness | Mori Art Museum
April 4, 2023
2000yen entrance fee
東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
公式サイト:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/heatherwick/
森美術館は、2023年3月17日(金)から6月4日(日)まで、東京シティビュー(屋内展望台)において、「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」を開催します。
1994年にロンドンで設立されたヘザウィック・スタジオは、ニューヨーク、シンガポール、上海、香港など世界各地で革新的なプロジェクトを手掛ける、現在、世界が最も注目するデザイン集団のひとつです。創設者トーマス・へザウィック(1970年、英国生まれ)は、子どもの頃、職人が作った小さなものに宿る魂に心を躍らせていたといいます。建築という大きな建物や空間にも、その魂を込めることはできるのか。この問いがヘザウィック・スタジオのデザインの原点となりました。すべてのデザインは、自然界のエネルギーや建築物の記憶を取り込みつつ、都市計画のような大規模プロジェクトもヒューマン・スケールが基準となるという信念に基づいています。その根底には、プロダクトや建築物というハードのデザインよりも、人々が集い、対話し、楽しむという空間づくりへの思いがあるのかもしれません。モノやその土地の歴史を学び、多様な素材を研究し、伝統的なものづくりの技術に敬意を払いながら、最新のエンジニアリングを駆使して生み出される空間は、誰も思いつかなかった斬新なアイデアで溢れています。新型コロナウイルスのパンデミックを経て、わたしたちが都市や自然環境との関係性を見直すなかで、ヘザウィック・スタジオのデザインは、来る時代に適う、これまで以上に豊かな示唆を与えてくれることでしょう。
本展は、ヘザウィック・スタジオの主要プロジェクト28件を天空の大空間で紹介する日本で最初の展覧会です。試行錯誤を重ね、新しいアイデアを実現する彼らの仕事を「ひとつになる」、「みんなとつながる」、「彫刻的空間を体感する」、「都市空間で自然を感じる」、「記憶を未来へつなげる」、「遊ぶ、使う」の6つの視点で構成し、人間の心を動かす優しさ、美しさ、知的な興奮、そして共感をもたらす建築とは何かを探ります。
展覧会の見どころ
・日本初! ヘザウィック・スタジオの主要プロジェクト28件を一挙公開
・試行錯誤を重ねた多様なプロジェクトの模型や素材サンプルなどを併せて展示
・ロンドン市内を走る二階建てバスも、ヘザウィック・スタジオが50年ぶりにデザインをリニューアル! 天井高11m、展望台吹き抜けの大空間を活かし、高さ4mを超える原寸大模型(部分)を展示
・ヘザウィック・スタジオが日本の暖簾や垂れ幕に着想を得たユニークな展示デザイン
・ヘザウィック・スタジオがデザインした、遊び心いっぱいの回転椅子《スパン》に座って展望台からの景観も楽しめる空間が登場
トーマス・ヘザウィック
(ヘザウィック・スタジオ創設者)
トーマス・ヘザウィックは、英国で最も数多くの作品を手掛けるデザイナーの一人です。20年超のキャリアのなかで制作された多彩な作品群の特徴は、斬新さと独創性、人間味溢れるデザインにあります。1994年にスタジオを設立。建築、都市計画、プロダクト・デザイン、インテリア・デザインといった従来の枠組みを取り払い、これらをひとつのクリエイティブ・ワークスペースに集約しました。規模や場所、型式にとらわれることなく、さまざまな仕事を手掛け、現在ではクラフトマンシップとアイデアに溢れた200名のスタッフから成る、固定的なスタイルを持たないデザイン集団へと発展しました。定説や定論よりも体験を尊重し、環境への負荷を最小限に抑えつつ、人々の魂に訴えかけるような場所やモノを創り出しています。
現在ロンドンを拠点とし、東京都心にある6ヘクタールの複合施設《麻布台ヒルズ/低層部》をはじめ、ロンドンのグーグル新本社(ビャルケ・インゲルス・グループとのコラボレーション)、走行中に空気を浄化する電気自動車《エアロ》など、10カ国で30以上ものプロジェクトを手掛けています。
近年完了したプロジェクトに、グーグル社が初めて自ら設計した新社屋《グーグル・ベイ・ビュー》、ニューヨーク、ハドソン川にある公園と野外劇場を兼ねた《リトル・アイランド》、ケープタウンの《ツァイツ・アフリカ現代美術館》、ロンドン、キングス・クロスの新しい大型商業地区《コール・ドロップス・ヤード》など。また、トーマス・ヘザウィックの新著『Humanise』(ペンギン社)が、2023年に出版予定。
展覧会を構成する6つのセクション
セクション1「ひとつになる」
「全体」は数々の「部分」によって構成されています。ヘザウィック・スタジオのデザインには、綿密に考案された細部が集合することで、強い説得力のある全体像が生み出されているものが少なくありません。そこには、小さなパーツに宿る魂を集めて、人の心を動かすひとつの大きな空間を創出しようとするヘザウィック・スタジオの姿勢を垣間見ることができます。
《ロンドン・オリンピック聖火台》
2012年
© Pawel Kopcznski/Reuters
《上海万博英国館》
2010年
撮影:イワン・バーン
セクション2「みんなとつながる」
人々が自然に集い、会話が始まるような開放的な空間。ヘザウィック・スタジオのデザインには、閉鎖的になりがちな空間を開き、隣接する空間と繋げていくことで、自然の光や空気に触れながら、人と人が自ずと出会えるような意匠的配慮がみられます。
ヘザウィック・スタジオとビャルケ・インゲルス・グループ
《グーグル・ベイ・ビュー》
2022年
カリフォルニア州マウンテン・ビュー
撮影:イワン・バーン
《エアロ》
2021年
セクション3「彫刻的空間を体感する」
ヘザウィック・スタジオのデザインの特筆すべき特徴のひとつが、彫刻的なかたちです。空間を体感することのできる建築物も、ヒューマン・スケールで発案されており、彫刻がそのまま大きくなった空間とも言えるでしょう。形状だけでなく、素材やそのテクスチャーにもアーティストや職人による手作業の温もりが残されています。
《ヴェッセル》
2019年
ハドソン・ヤード(ニューヨーク)
撮影:ティム・シェンク
《海南舞台芸術センター》
2020年(契約)
中国
Courtesy: Devisual
セクション4「都市空間で自然を感じる」
自然界にある新陳代謝のエコロジー。そこから生まれるエネルギーは、都市生活者の心に潤いや活気をもたらすものです。ヘザウィック・スタジオは、人々が親しみ、楽しむ場所をデザインし、心豊かで充実した体験を提供することで、持続的なプラス効果を生みだすことを常に目指しています。また、都市環境における自然のもたらす役割を検証したうえで植栽を行い、自然界のエネルギーをふんだんに都市空間に取り込みます。
《サウザンド・ツリーズ》
2021年
上海
撮影:ジュウ・チンヤン
セクション5「記憶を未来へつなげる」
歴史は人々の物語の蓄積です。建築物にもそこで時間を過ごした人々の記憶が宿っています。当初の役割を終えた建築物の記憶を未来へ繋げること。ヘザウィック・スタジオのデザインには、こうした使命感が感じられます。建物の元のデザインを活かして大胆な改装をする一方で、かつての状態へ修復、復元しようとするこだわりが随所に見られます。
《ボンベイ・サファイア蒸留所》
2014年
英国、ハンプシャー
撮影:イワン・バーン
《ツァイツ・アフリカ現代美術館》
2017年
ケープタウン
撮影:イワン・バーン
セクション6「遊ぶ、使う」
ヘザウィック・スタジオのデザインは、遊び心に溢れています。円形から楕円に、楕円から円形に自由に形を変えることができる《フリクション・テーブル》は、人々のニーズに応じて家具に柔軟性を持たせるという大胆な発想によるものです。彫刻作品のような椅子《スパン》は、人が座ると弧を描きながら360度回転します。こうした柔軟で自由な発想の集積が、まさに建築という大きなスケールにも活かされていることがわかります。
《スパン》
2007年-
Courtesy: Magis

《スパン》
2007年-
Courtesy: Magis
撮影:スーザン・スマート
2023/06/03. 19:00-
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/26925
魂が宿る建築とは何か。ヘザウィック・スタジオ展で見る、共感する建築