撮っておき!日本「大谷石」(宇都宮市)
ライトで照らされた石段を下りる。地下深くに進むにつれて、気温が低くなるのが分かる。温度計に目をやると10度を指していた。狭い階段を抜けると突然、神殿のような空間が広がった。むき出しの岩肌が荒々しくそびえ立つ荘厳な光景に圧倒される。
「大谷資料館」-。日本有数の凝灰岩の産地、栃木県宇都宮市大谷町の大谷石地下採石場の跡地だ。
大谷は「石の町」として発展した。「大谷石」と呼ばれる石材は、建築家ライトが旧帝国ホテルに使用したことで有名になった。最盛期には119の業者があったが、コンクリートの普及で数を減らし、現在残るのは9カ所になった。
「大谷資料館」は、手掘りから機械掘りへと時代とともに変化する採掘の姿を伝えようと作られた。野球場がすっぽり入る約2万平方メートルの広大なスペースに、新旧の採掘機械などを展示する。
戦時中は秘密工場として、戦後は米の貯蔵庫として利用されたという地下空間。現在はアーティストやミュージシャンの人気を集め、映画やCMの撮影、演奏会などが行われている。
採石場近くの洞窟寺院「大谷寺」を訪ねた。本堂を凝灰岩が覆い、堂内には、千手観音像など岩を削って作られた仏像が並ぶ。
大小無数の穴が開く凝灰岩が描く自然美と、岩を削った跡が作り出す人工美。「石の町」は2つの美しさとともに歴史を刻み続ける。
〒321-0345 栃木県宇都宮市大谷町909
https://ja.wikipedia.org/wiki/大谷資料館
公式サイト:http://www.oya909.co.jp
展示内容
大谷の地質
大谷石とは、栃木県宇都宮市大谷町付近一帯から採掘される、流紋岩質角礫凝灰岩の総称です。このコーナーでは、大谷石の分布、成因特徴などを紹介しています。
大谷石の採掘方法と採掘形態
大谷石の採掘方法には、「平場掘り」と「垣根掘り」という2つの掘りかたがあります。この2つの採掘方法を組み合わせ、「露天掘り」、「坑内掘り」というような採掘場の形態がみられ、採石が行われています。ここでは、そのような大谷石採掘の方法と採掘場の様子を紹介します。
大谷石地下採掘場跡
一般の人々の目に触れることなく「未知なる空間」と呼ばれた、地下採掘場跡。その広さは、2万平方メートル、深さは、30mにもおよびます。石肌には、手堀り時代のツルハシのあとが残り、ずっしりと年輪の重さを感じさせ、地下の巨大建造物を思わせる景観は、この地ならではの圧巻です。また、この巨大地下空間ではコンサートや美術展などが開かれたり、地下の教会として利用されるなど、イベントスペースとしても注目を集めています。この「未知なる空間」を、公開しております。
大谷石搬出、輸送の移り変わり
手堀り時代には、150Kgもある石を1本1本背負って、採掘場から運び出していましたが、機械化後の現在では、モーター・ウインチにより、巻き上げられています。輸送方法も、筏、馬の背中、馬車、トロッコから、鉄道やトラックへと変わり、今ではほとんどトラック輸送が中心です。こうした搬出・輸送の変化を追ってみました。
手堀り時代の採掘
採掘が本格的に始められた江戸時代の中頃から、機械化になる1960年(昭和35年)頃までの道具といえば、数本のツルハシ類と、石を運ぶときに使われた背負子ぐらいしかありません。ここでは採掘の方法、道具などを中心に構成しました。当時の苦労の様子がしのばれます。
機械化後の採掘
現在では、色々な採掘や裁断が機械で出来るようになり、大谷石採掘に産業革命というべき、一大変革をもたらしました。ここでは、初期の機械や現在の採掘機などを展示しています
ミュージアムとは
大谷ミュージアムが、2016年4月からOYA MUSEUM ROCKSIDE MARKETとして、
リニューアルオープンいたしました。新しく厨房設備を充実いたしましたので、ガレットをメインに、
ジェラートやコーヒーなどをお手軽にテイクアウトしていただき、 オープンテラスのウッドデッキに座って、
周辺の岩肌をゆったりと眺めながらまったりとした時間をお過ごしください。
オシャレな店内には、宇都宮の伝統工芸品として有名な「大谷石の彫刻品」や「宮染の手ぬぐい」などの
ハンディクラフトのお土産品を豊富に取り揃えております。
大谷資料館へご来館の際には、是非OYA MUSEUM ROCKSIDE MARKETへもお立ち寄りください。
皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。