(金)公開『小さき麦の花』予告編
4,121 回視聴 2022/11/17 #中国映画 #ベルリン国際映画祭
#小さき麦の花 #中国映画 #ベルリン国際映画祭
愛という言葉は一度も出てこないけれど、これは<永遠の愛>についての物語。
いつか土に還る—-慎ましく生きる農民夫婦を描いた“奇跡”の映画。
『小さき麦の花』
2023年2月10日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
公式サイト:https://moviola.jp/muginohana/
中国西北地方の農村。貧しい農民のヨウティエと内気なクイインは、互いに家族の厄介者だったふたりは、見合い結婚。力を合わせ、作物を育て家を作り、懸命に生きるが、変わりゆく時代の波にさらされる……。
監督は『僕たちの家に帰ろう』のリー・ルイジュン。2022年ベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、星取りでは驚異の4.7点(5点満点)をマーク。
中国公開時にはレビューサイトで本年度中国映画ベスト1の評価を得てじわじわ広がり、公開後2ヶ月経ってからTikTokが火付け役となり、若い世代を中心に興行収入トップに躍り出る大ヒットを記録。<奇跡の映画>と呼ばれた。
RETURN TO DUST International Trailer
(Yin Ru Chen Yan)
by Li Ruijun
China 2022, 133′
Director: Li Ruijun
Walking Past the Future – Cannes Un Certain Regard 2017; Fly with the Crane – Venice Orizzonti 2012
Tender tale on the transformative nature of love
Humble, unassuming Ma and timid Cao have been cast off by their families and forced into an arranged marriage. They have to combine their strength and build a home to survive. In the face of much adversity, an unexpected bond begins to blossom, as both Ma and Cao, uniting with Earth’s cycles, create a haven for themselves in which they can thrive. A story about eternal love, against the odds.
Cast & Crew
With: Wu Renlin (as Ma Youtie), Hai Qing (as Cao Guiying)
Production company: Qizi Films Limited, Beijing J.Q. Spring Pictures Company Limited, Beijing Alibaba Pictures Culture Co.,Ltd., Dream Media Co.,Ltd., Hucheng No.7 Films Limited, Such a Good Film, Aranya Pictures Co., Ltd., Hangzhou Qin Zi Zai Co., Ltd.
Produced by: Qin Hong
Executive Producer: Zhang Yibai
Producer: Zhang Min, Li Yan
Return to Dust (Yin Ru Chen Yan) new clip official from Berlin Film Festival 2022 – 2/3
Return to Dust (Yin Ru Chen Yan) new clip official from Berlin Film Festival 2022 – 2/3
This is a clip for press use (EPK), for any enquiries you can reach us on info@theupcoming.co.uk.
Return to Dust is part of the Official Competition section of Berlinale 2022.
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2022年・第72回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作品。
2022年製作/133分/G/中国
原題:隠入塵煙 Return to Dust
配給:マジックアワー、ムヴィオラ
https://en.wikipedia.org/wiki/Return_to_Dust_(film)
https://blog.goo.ne.jp/cinemaasia/e/1c77c99c352fdfd92079f3f01c7400b9
公式サイト:https://moviola.jp/muginohana/
Introduction
作品紹介
2011年、中国西北地方の農村。貧しい農民ヨウティエ(ウー・レンリン)と障がいのある内気なクイイン(ハイ・チン)。互いに家族の厄介者だったふたりは、見合い結婚。やがて、互いを慈しみ、力を合わせ、作物を育て、質素な家を作り、慎ましくも日々を生きるのだが、自然の猛威や変わりゆく時代の波にさらされる……。ベルリン国際映画祭の星取りでは驚異の4.7点(5点が満点)をマークし、金熊賞最有力と絶賛されるも無冠。しかし、中国で公開されると、レビューサイトでも本年度中国映画ベスト1の評価を得てじわじわ広がり、公開後2ヶ月経ってからTikTokが火付け役となり、若い世代を中心に興行収入トップに躍り出る大ヒットを記録。<奇跡の映画>とまで呼ばれたのが、本作『小さき麦の花』である。
Story
物語
2011年、中国西北地方の農村。
貧しい農民ヨウティエ(有鉄)は、マー(馬)家の四男。
両親とふたりの兄は他界し、今は三男・ヨウトン(有銅)の家に暮らしているが、息子の結婚を心配するヨウトン夫婦にとって、ヨウティエは家族の厄介者。
一方、内気で体に障がいがあるクイイン(貴英)もまた厄介者だった。
互いに家族から厄介払いされるかのように、ふたりは見合い結婚、夫婦になった。
ぎこちなく、それでも互いを思いやり、作物を育て、日々を重ねていくふたり。
ヨウティエのことをいつも気にかけるクイイン。そんな彼女の気持ちに愛おしさを覚えるヨウティエ。
ある日、家を建てるためにヨウティエが作ったたくさんの日干しレンガが突然の大雨に襲われる。
そんな不運さえもふたりには大切な日々となる。
クイインは初めて会ったその日からヨウティエの優しさに気付いていたと話す。
ロバと、ヨウティエと、クイインと。
力を合わせ、毎日懸命に働き、ついに自分の家をもった。
だが、その幸福は長くは続かなかった——。
Cast
キャスト

本作の舞台となった甘粛省の村で実際に耕作を営む農民であり、監督の叔父(叔母の夫)に当たる。『老驢頭(The Old Donkey)』(10)、『白鶴に乗って』(12)など、リー・ルイジュン監督の映画に複数出演。なお本作でヨウティエの兄ヨウトン(有銅)の妻を演じたワン・ツァイランが、ウーの実際の妻(監督の叔母)である。

1977年、南京生まれ。7歳で演技を始める。1997年に北京電影学院演技科に入学し、卒業後はテレビドラマを中心に活躍。『蝸居』(09)、『彼と私と両家の事情』(09)などに主演して人気を博し、特に日本でも放映された『彼と私と両家の事情』での人気は高く、以来「国民の嫁」の異名で親しまれている。映画出演作にはチェン・カイコー監督作『運命の子』(10)、日本映画『家族はつらいよ』の中国版リメイク作『麻煩家族(What a Wonderful Family)』(17)、中国で2018年No.1ヒットを記録したアクション映画『オペレーション:レッド・シー』(18)など。中国で最も高く評価され、愛されている女優の一人。本作では障がいのある農民の妻役にノーメイクで臨み、その役作りのためにヨウティエ役のウー・レンリンの家に10ヶ月滞在して実際に生活し、その土地に溶け込んだ見事な演技を見せている。
Director
監督
李睿珺 リー・ルイジュン
1983年、中国・甘粛省生まれ。2003年、国家ラジオ映画テレビ管理幹部学院(現 山西伝媒学院)卒業。これまでに5本の長編映画を監督し、人と人との関係性や土地、急速に変化する中国の片田舎の“家族”や“生”や“死”に焦点を当ててきた。また、撮影は主に親しい友人や親戚と共に、監督自身の故郷で行っている。これまでの作品はベネチア、カンヌ、ベルリンの世界三大映画祭に出品され、『僕たちの家に帰ろう』は2014年東京国際映画祭コンペティション部門に出品、日本でも公開された。長編6作目となる本作では自身の故郷・甘粛省張掖市花牆子村を舞台に、貧しい農民夫婦が、逆境の中でお互いを思い、守り合うようになっていくまでの愛の物語を描き、2022年ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出。金熊賞有力候補と絶賛された。
Director’s Comment
監督の言葉
この映画を撮って、私は映画監督も農民と同じだと思いました。どちらも時間、人、そして生命の問題に取り組んでいるのです。農民は一生その運命を土地と時間に捧げます。我々も同じように、映画の運命を土地と時間に捧げます。大地からは作物が育つだけでなく、家も育てば愛情も育つし、文学や芸術、映画も育つものだと思います。全て大地から来たもの、当然大地から来たものなのです。今足で踏みしめている大地が、自然の中の私たちの「母親」です。労働改造に送られた囚人も、興収50億を叩きだす映画監督も同じことです。種をもらい、真面目に植えたら、大地は作物を与えてくれる。大地は最も分け隔てのない存在なのです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Li_Ruijun
Behind the Miracle
なぜ奇跡は起きたのか
公開後2ヶ月近くが経過してからの異例の大ヒット。
今年9月初め、『小さき麦の花(中国語題:隠入塵煙)』は突如中国の上映中映画の日別興行収入トップに躍り出た。本作が中国で劇場公開されたのは7月8日だから、封切り後2ヶ月近く経ってからの快挙ということになる。公開直後から中国の大手映画レビューサイト「豆瓣」で今年公開の中国映画トップの点数をマークするなど、映画を見た観客からの評価は非常に高かったものの、他の多くの「文芸片(=商業目的でなく、芸術性の高い映画)」と同様、興行的には大予算のエンタテインメント作の数字とは比べものにならなかった。それが公開2ヶ月後、急に上映中作品で一番の大入り映画になったのだから、異例中の異例である。入場者はその後もしばらく増え続け、社会現象と言えるほどのブームとなり、メディアは興行上の「奇跡」であると書き立てた。いったい何が起きたのか。
TikTokが火付け役。都市に暮らす若い世代を中心にした観客の支持。
火付け役となったのは、どうやら中国の動画投稿SNS「Douyin」(中国版TikTok)らしい。8月末、複数の人気の映画解説アカウントで本作のあらすじが紹介されたところ、「泣ける映画」「感動作」という反応が相次ぎ、若い世代の間で話題になった。「Douyin」や「Weibo」などのSNSで、毎日のように本作が人気検索ランキングの上位にランクイン。結果として、すでにオンライン配信も始まっていたにも関わらず、大勢の観客が劇場に押し寄せたという。8月中旬まで1000万元(2億円)強だった累計興行収入は、たった2週間で1億元(20億円超)まで跳ね上がった。この手の「文芸片」としては破格の数字である。映画は幅広い層の支持を集めたが、中心となったのは20~30代の若い世代、とりわけ大都市に暮らす観客だった。中国では近年、経済が急速に発展する一方で格差は拡大し、受験や就職、結婚における過当競争が深刻化している。2021年には、組織や業界の内部で競争がエスカレートし、人々が無意味に消耗する状態を表す「内巻(involution)」という言葉が大流行した。昨今の厳しい競争社会に疲れた都市の若者の心に、農村の中年夫婦を描いた本作が響いた、というのがヒットの理由の一つだと思われる。
リアル『小さき麦の花』も登場。映画は社会現象に。
中国の動画サイト「Bilibili」には「帰省して3日、おじさんが私の精神的消耗を治してくれた」と題する動画が投稿され、大きな注目を浴び、社会現象になった。障がいを負いながらも田舎の村で慎ましく、懸命に生きるおじの人生を紹介し、それを見て都会ですり減った自分の心が元気になったと語る動画である。「リアル『小さき麦の花』だ」というようなコメントが多数投稿され、この動画と本作を比較するような記事も現れた。そんな状況も、この映画がヒットする下地を作ったのだろう。本作が描くのも、不条理な状況に置かれても自分のなすべきことを見失わず、淡々と生きる主人公ふたりの姿であり、彼らのあり方を見て共感する人も多かったに違いない。「奇跡」は、起こるべくして起こったのである。
YEBISU GARDEN CINEMA:15:15~17:35 (133分)