『人質 韓国トップスター誘拐事件』本予告
9月9日(金)全国ロードショー
『哭声/コクソン』『アシュラ』など出演作ごとに全く違う顔を見せ、強烈なインパクトを残して来た俳優ファン・ジョンミン。韓国では主演作の累計観客動員が1億人を超え“1億俳優”とも呼ばれ、『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホなどと並ぶトップスターだ。そんな彼の最新作『人質 韓国トップスター誘拐事件』は、題名からも分かるようにクライム・ムービーなのだが、耳を疑うようなサプライズの設定が施されている。主演ファン・ジョンミンにして、主人公ファン・ジョンミン。韓国映画界を牽引する大物俳優が、誘拐事件の人質となるトップスターを実名で演じた前代未聞の“リアル”サスペンス・アクション。まさに映画そのものが、SNS時代の世間を騒がす“緊急重大ニュース”なのだ!
監督:ピル・カムソン
出演:ファン・ジョンミン『ただ悪より救いたまえ』 イ・ユミ「イカゲーム」 リュ・ギョンス「梨泰院クラス」
2021年/韓国/韓国語/94分/シネスコ/5.1ch/原題:인질/字幕翻訳:根本理恵/提供:ツイン、Hulu/配給:ツイン G
© 2021 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & FILMMAKERS R&K & SEM COMPANY. All Rights Reserved.
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『人質 韓国トップスター誘拐事件』30秒予告
サスペンス・アクション映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』本予告
「ただ悪より救いたまえ」「新しき世界」などで知られる韓国の俳優ファン・ジョンミンが実名で主演を務め、誘拐・監禁されたトップスターの決死の脱出劇を描いたサスペンス。
記者会見から帰宅の途についた国民的スター俳優ファン・ジョンミンが、ひと気のない路地で何者かに連れ去られた。警察や関係者は必死で行方を捜すが、証拠も目撃情報もない。一方、パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したファン・ジョンミンは、自分が身代金目的で誘拐されたことを知る。
まるでゲームのように犯行を楽しむ若者たちは、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件の犯人だった。唯一の武器である卓越した演技力で犯人たちに対峙するファン・ジョンミンだったが……。
劇場公開日 2022年9月9日
監督:ピル・カムソン
出演:ファン・ジョンミン『ただ悪より救いたまえ』 イ・ユミ「イカゲーム」 リュ・ギョンス「梨泰院クラス」
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配給:ツイン G
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『人質 韓国トップスター誘拐事件』速報!ファン・ジョンミンが監禁中に心臓病を発症!?
『人質 韓国トップスター誘拐事件』速報!監禁中のファン・ジョンミンが隙を見て逃走か!?
韓国映画『人質韓国トップスター誘拐事件』本編映像【2022年9月9日公開】
「皆さん、事件です!」でおなじみの報道リポーター・阿部祐二が、韓国トップスターのファン・ジョンミンが何者かに誘拐されたとリポートする姿から始まる予告映像が解禁。
自らが“ファン・ジョンミン”を演じるというセンセーショナルな設定で話題を呼び、2021年の公開時には韓国中で話題騒然となった本作、『人質韓国トップスター誘拐事件』が日本上陸! 2022年9月9日(金)よりシネマート新宿ほかにて全国公開される。
「昨夜、何者かに誘拐された彼の安否は現在のところ分かっておりません」その言葉とともに映し出されるのは、監禁されたファン・ジョンミンの姿。ただならぬ緊張感の中、椅子に縛り付けられた状態で銃を突きつけられ、首をしめられ、殴られる姿が! この極限の監禁状態から生きて帰ることはできるのか…ファン・ジョンミンの運命やいかに! 絶体絶命の状況の中、唯一の武器である”演技力“を駆使したファン・ジョンミンの脱出劇に期待が高まる。
https://eiga.com/movie/97388/
「ただ悪より救いたまえ」「新しき世界」などで知られる韓国の俳優ファン・ジョンミンが実名で主演を務め、誘拐・監禁されたトップスターの決死の脱出劇を描いたサスペンス。
記者会見から帰宅の途についた国民的スター俳優ファン・ジョンミンが、ひと気のない路地で何者かに連れ去られた。警察や関係者は必死で行方を捜すが、証拠も目撃情報もない。一方、パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したファン・ジョンミンは、自分が身代金目的で誘拐されたことを知る。まるでゲームのように犯行を楽しむ若者たちは、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件の犯人だった。唯一の武器である卓越した演技力で犯人たちに対峙するファン・ジョンミンだったが……。
共演はドラマ「イカゲーム」のイ・ユミ、ドラマ「梨泰院クラス」のリュ・ギョンス。
2021年製作/94分/G/韓国
原題:Hostage: Missing Celebrity
配給:ツイン
* 特別映像2
* 本編映像5
* メッセージ映像:ファン・ジョンミン
* 本編映像4
* 本編映像3
* 特別映像
* 本編映像2
* 本編映像
* 予告編
https://en.wikipedia.org/wiki/Hostage:_Missing_Celebrity
公式サイト:https://hitoziti-movie.com
INSTODUCTION
みなさん、 前代未聞の緊急重大ニュースです!
韓国のトップスター、
ファン・ジョンミンさんが
誘拐されました。
『哭声/コクソン』『アシュラ』など出演作ごとに全く違う顔を見せ、強烈なインパクトを残して来た俳優ファン・ジョンミン。韓国では主演作の累計観客動員が1億人を超え“1億俳優”とも呼ばれ、『ベイビー・ブローカー』のソン・ガンホなどと並ぶトップスターだ。
そんな彼の最新作『人質 韓国トップスター誘拐事件』は、題名からも分かるようにクライム・サスペンスなのだが、耳を疑うようなサプライズの設定が施されている。主演ファン・ジョンミンにして、主人公ファン・ジョンミン。韓国映画界を牽引する大物俳優が、誘拐事件の人質となるトップスターを実名で演じた前代未聞の“リアル”サスペンス・アクション。
まさに映画そのものが、SNS時代の世間を騒がす“緊急重大ニュース”なのだ!
唯一の武器、それは“演技力”―。
犯人を騙まさなければ、死!
命がけの脱出劇がいま始まる!!
スクリーンでタフなヒーローを演じるスターも、実生活では悩みや弱さを抱えるひとりの人間にすぎない。その点においてもリアルに描いた本作では、哀れに拘束されたジョンミンが若者グループに蔑まれ、ボコボコにされるまさかの絶句シーンが続出。それでも最後まで希望を捨てないジョンミンが、持ち前の“演技力”を武器に誘拐犯はおろか観客までも騙し、すきあらば命がけの反撃を試みる姿から目が離せない。
ジョンミンの過去作のセリフ、役名が引用されているのもファンには嬉しいポイントだ。まさしく彼のキャリア“集大成”というべき入魂の一作だ!
STORY
ソウルで新作映画の記者会見に出席したファン・ジョンミンが、その夜、自宅前で突然拉致された。
パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したジョンミンは、自分が高額の身代金目当ての一味に誘拐されたことを知る。しかもゲームを楽しむように彼を誘拐した若者5人は、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件を起こした凶悪集団だった。
情け容赦ない脅迫に屈して身代金5億ウォンの支払いを約束したジョンミンは、同じ部屋に監禁されている女性ソヨンを励ましながら、必死に脱出策を模索する。しかし冷酷なギワン率いる誘拐グループは、大規模な捜査を繰り広げる警察を翻弄して暴走また暴走。
やがて渾身の“熱演”で一か八かの賭けに打って出たジョンミンは、誰も想像できない“クライマックス”になだれ込んでいくのだった……。

CAST & DIRECTOR
突然誘拐された韓国トップスター
俳優 ファン・ジョンミン
韓国を代表する俳優ファン・ジョンミン。新作映画のプレス会見を終え、帰る途中に正体不明の若者たちにからまれ拉致される。韓国中が証拠も目撃者もなく消息を絶ってしまったファン・ジョンミンの話題で持ち切りとなり、警察、関係者が懸命に行方を捜す中、唯一の武器である卓越した演技力で犯人たちと対峙するのだが・・・。
ファン・ジョンミン
1970年9月生まれ。
ノワール、コメディ、ドラマ、時代劇や舞台、ミュージカルなどジャンル問わず深みのある演技をみせる韓国を代表する俳優。『新しき世界』(13)では組織のボス、『国際市場で逢いましょう』(14)では激動の時代を生きた父親、『ベテラン』(15)では行動派の刑事、『コクソン/哭声』(16)では怪しい祈祷師、『アシュラ』(16)では極悪市長、『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(18)では工作員といった幅広い役柄を演じ分け、唯一無二の存在感でスクリーンを圧倒する。最近では「イカゲーム」(21)で世界的に注目されたイ・ジョンジェと激しい殺し合いを演じた『ただ悪より救いたまえ』(20)や、少女時代のユナと共演したドラマ「ハッシュ~沈黙注意報~」(21)で久々のドラマ出演など話題が絶えない。そんな彼が本作では“俳優ファン・ジョンミン”を演じるという今までにない斬新な役柄に挑んでいる。まさに俳優人生の集大成的な映画でもある本作について、“この映画は観客の皆さんに、特別なエネルギーを与えられるだろう”と意気込みを語っている。
Hwang Jung-min
韓国・ソウル芸術大学演劇学科卒業。1990年、映画「将軍の息子」で俳優デビューを果たし、90年代後半は演劇界で活動。01年に映画「ワイキキ・ブラザーズ」(日本劇場未公開)で三流バンドのドラマー役を演じて注目を浴び、続く「ロード・ムービー(原題)」(02)で青龍映画賞の新人男優賞を受賞する。その後、「爆烈野球団!」(02・日本劇場未公開)、「浮気な家族」(03)などを経て、05年には「甘い人生」など4本の映画に出演、韓国国内で大ヒットした「ユア・マイ・サンシャイン」(05)で青龍映画賞の主演男優賞を受賞。当時“ビッグ3”と呼ばれていたソル・ギョング、チェ・ミンシク、ソン・ガンホに続く実力派俳優として人気が高まる。09年には「アクシデント・カップル」でTVドラマに初出演。その後も「生き残るための3つの取引」(10)、「裏切りの陰謀」(11・日本劇場未公開)、「ダンシング・クィーン」(12)といった映画に出演し、13年の「新しき世界」で2度目の青龍映画賞主演男優賞に輝いた。14年の主演作「国際市場で逢いましょう」は、韓国で歴代2位となる観客動員数1410万人の大ヒットを記録した。
誘拐犯グループのリーダー
チェ・ギワン
ファン・ジョンミンを誘拐した犯罪グループのリーダー。感情を一切表に出さず、目的のためなら手段と方法を選ばないため、仲間からも恐れられる人物。
キム・ジェボム
1979年12月生まれ。
韓国ミュージカル界では18年という長いキャリアを持つトップスターだが、映画などの出演は少ない。本作では目的のためなら手段も方法も選ばない極悪非道な誘拐犯を演じ、そのリアルな演技が話題となった。ミュージカル「キム・ジョンウクを探して」「兄弟は勇敢だった」「ファンレター」などで主演を務める彼だが、本作の出演には競争率1000倍のオーディションを勝ち抜いてこの役を手に入れた。ジェボムは「今後も映画やドラマも機会があればどんどん出演したい」と語っており、今後の活躍が期待される。
ファン・ジョンミン誘拐事件の前に拉致された女性
パク・ソヨン
韓国中で話題となっているカフェ店主惨殺事件で、店主と一緒に拉致されたアルバイトのソヨン。ファン・ジョンミンと生き残りをかけて脱出を図るのだが・・・。
イ・ユミ
1994年7月生まれ。
「イカゲーム」(21)のジヨン役で視聴者に強烈なインパクトを与え注目を浴びたイ・ユミ。実は彼女は中学生のころから女優活動を始め、韓国インディーズ映画界ではその演技力が早くから注目されていた。またドラマ「リセット~運命をさかのぼる1年~」(20)ではミュンヒハウゼン症候群の少女役を演じ衝撃を与えた。最近では大ヒットドラマ「今、私たちの学校は…」(22)に出演し、身勝手な高校生役を憎々しく演じ演技の幅を見せつけている。本作ではリアリティ溢れる演技で、監禁された女性の恐怖を見事に表現している。
誘拐犯グループのナンバー2
ヨム・ドンフン
リーダーのチェ・ギワンの恐ろしさを身をもって知っているため、理不尽な命令にも反抗できない。しかし、ある出来事をきっかけについにギワンへの怒りが爆発する。
リュ・ギョンス
1992年10月生まれ。
2007年の「江南ママの教育戦争」でデビューを果たすと演劇やミュージカルを中心に活躍。その後いくつかのドラマや映画に出演し「梨泰院クラス」(20)で注目を浴びる。「地獄が呼んでいる」(21)で演じた冷徹なユジ司祭で高い評価を得るなど、最近数々のヒット作に出演し、話題となっている俳優リュ・ギョンス。本作のオーディションでは彼の強烈な目つきに、ピル・カムソン監督は目が離せなかったという。犯罪組織のキレると狂暴なナンバー2“ヨム・ドンフン”として圧倒的な存在感を発揮する。
誘拐犯グループの一員でありファン・ジョンミンのファン
ヨンテ
ファン・ジョンミンの昔からのファンで、彼の出演作は全て見ている。映画で出てきたセリフを覚えており、ファン・ジョンミンにそれを言うように執拗にお願いする。
チョン・ジェウォン
オーディションで印象的な演技が関係者の心を掴み、即座にキャスティングされた俳優チョン・ジェウォンは、これがスクリーンデビュー。
ピル・カムソン監督はチョン・ジェウォンについて“彼をキャスティングしたら何よりもこの映画が強く見えるように感じた。”と、 新人俳優をキャスティングした理由を明らかにした。
リーダー チェ・ギワンに心酔する
コ・ヨンノク
リーダー ギワンのボディーガード的な存在。体格も良く好戦的で組織内でも狂暴な武闘派だ。ギワンの危機を救うため命を懸けるのだが・・・。
イ・ギュウォン
威圧的な大きな体で、スクリーンデビューとは思えないほど、ひときわ目立った存在感を見せるイ・ギュウォン。彼のずば抜けたセンスでコ・ヨンノクというキャラクターを見事に作り上げ、スタッフたちを驚かせた。俳優として今後、目が離せない存在だ。
誘拐犯グループの武器制作担当
セッピョル
組織で手製の銃や爆弾などの制作を担当する。ドンフンと付き合っていて、いずれは2人だけで暮らしたいと思っている。
イ・ホジョン
1997年1月生まれ。
モデルとしてデビューした後、トップモデルとして活躍しながら『麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』(16)に出演し俳優としても活動を始める。『ミッドナイト・ランナー』(17)『長沙里9.15』(19)などの映画や、最近ではドラマ「わかっていても」(21)にも出演し、その演技力が注目された。本作ではこれまでにない大胆な演技で観客に大きなインパクトを与える。
鋭い洞察力と、創造力で作りあげた リアリティ溢れるサスペンス・アクション
監督 ピル・カムソン Gam-Sung Pil
これまで短編映画を撮ってきたが、本作で初めて長編映画の監督を務めた。シナリオ段階からファン・ジョンミンのキャスティングを考えていたピル監督。俳優ファン・ジョンミンが人質に取られたという前代未聞の設定を一本の映画として作り上げるまで、監督は絶えず創造し続け、この大胆な発想に肉付けをして本作を完成させた。監督は“最初から最後まで息つく暇がない、緊張感ある映画”と語り、自信を表している。
Filmography
* 『ある約束』(2011) 脚本/監督
* - 釜山国際短編映画祭 コンペ部門招待
* - ミジャンセン短編映画祭 アクションスリラー<4万回の殴打>部門招待
* - プチョン国際映画祭 短編傑作選招待
* 『Room 211』(2002) 脚本/監督
* - イギリス エジンバラ映画祭 短編コンペ部門招待
* - ブラジル サンパウロ映画祭 短編コンペ部門招待
* - スウェーデン ストックホルム映画祭 短編コンペ部門招待
PRODUCTION NOTES
スターのオーラと人質の無力さの落差を表現した
ファン・ジョンミンと若手俳優たちのアンサンブル
人気スターのファン・ジョンミンが誘拐される“自分自身”を演じた本作は、ソウルのとある劇場で、ファン・ジョンミンが新作のプレス会見でカメラのフラッシュを浴びるシーンから始まる。そこで彼は韓国人の誰もが知っているスター俳優のオーラを放つ。
ピム・カルソン監督が語る。「冒頭のソウルのシーンでは、本来のファン・ジョンミンさんが持っている色気と華やかさを最大限に表現しようと思った。完璧なトップ俳優であるファン・ジョンミンと、人質に取られるファン・ジョンミン。このふたつの状況の落差を大きく見せたいと思った」。本編でも、この180度異なるふたつの状況でのファン・ジョンミンのギャップが強調され、観客に強烈な衝撃を与える効果を上げている。
一方、製作陣はファン・ジョンミンを取り巻く誘拐犯や人質役に、観客がこれまでスクリーンでほとんど見たことのないフレッシュな若手俳優をキャスティングした。ミュージカル界の実力派俳優キム・ジェボム、TVシリーズ「イカゲーム」のイ・ユミ、「梨泰院クラス」のリュ・ギョンス、映画初出演のチョン・ジェウォンとイ・ギュウォンといった顔ぶれである。約1/1000の競争率を勝ち抜いて本作に合流した彼らは、全員がそれぞれの個性を発揮して映画の完成度を高めた。ファン・ジョンミンは若手俳優たちとの共演について「映画を観終わると観客は驚くほかないだろう。こんなに演技のうまい素晴らしい俳優がいたのかとね」と語っている。
主人公の生きる意志が伝わってくる逃走アクション
そして本物の疾走感と迫力を追求したカーチェイス
本作はピル・カムソン監督の長編デビュー作だ。短編映画『ある約束』『Room 211』で国内の著名映画祭に招待された経歴を持つピル監督は、「ファン・ジョンミン、誘拐犯、警察が繰り広げる三角形の構図のバランスを取ることが大きな課題だった。主人公のファン・ジョンミンが感じる圧迫感、脱出への意志を中心に置き、バランスを取ろうと思った」と語る。
深い山奥にアジトを作って活動している誘拐犯たちは、目的のためなら手段を選ばない。彼らの前ではファン・ジョンミンもただの無力な人質にすぎない。そんなファン・ジョンミンが瞬発力を発揮して脱出を敢行するシーンは、緊張感を極限に高めると同時に痛快なカタルシスをもたらす。特にワンテイクで撮影した山の中の追撃シーンは、観客がその光景を“目撃”しているかのような緊迫感を与え、ファン・ジョンミンの体当たりの熱演が満載された本作の中でも最も鮮烈なシーンとなった。このシーンにとどまらず、ファン・ジョンミンの逃走の場面は“既存の型にはまった”アクションではなく、彼の“生きる”という意志が伝わってくるような臨場感溢れる描写に仕上がっている。
ソウルの中心部で起こるカーチェイスも見逃せない。このシーンでは1970年代のアメリカン・ニューシネマのカーチェイスを彷彿とさせる刺激的な見せ場を作るため、CGの使用を最小限にとどめ、本物の疾走感と迫力を追求した。
映画に圧倒的な躍動感と独特のトーンを与えた
撮影、美術、音楽の熟練スタッフの仕事ぶり
本作には熟練のスタッフが集結した。まず『ベルリンファイル』『国際市場で逢いましょう』『ベテラン』などの大ヒット作に携わってきたチェ・ヨンファン撮影監督は、手持ちのカメラワークを駆使して映画に跳躍感を吹き込み、リアルな追撃シーンの映像化を成し遂げた。
『天命の城』『マルモイ ことばあつめ』『EXIT イグジット』のチェ・ギョンシン美術監督は、リアリティをベースにしながら非現実的な要素を加え、独特のトーンを生み出した。特に印象的なのは誘拐犯たちのアジトだ。その内部は扇風機、冷蔵庫、時計、トイレットペーパー、乾燥機などがある生活感あふれる空間だが、グリーンとオレンジの華やかな照明を使うことで、アジトの荒涼感に童話的なトーンが加わり、絶妙なアイロニーを生み出している。誘拐犯たちがアロハシャツやスウェットのような日常的な衣装を着ていることも、この手のスリラーにありがちな悪役とはひと味違った印象を与える。
ファン・ジョンミンとは
今や世界中の熱いまなざしを浴びる韓国の映画、TVドラマの躍進は、実力と人気を兼ね備えたスター俳優たちの存在を抜きには語れない。その名実共に輝かしい“トップ”の座に君臨するひとりがファン・ジョンミンである。
韓国の興行でメガヒットの目安とされる観客動員1000万人を優に超えた『国際市場で逢いましょう』(2014)、『ベテラン』(2015)。そして、作品と演技の両面で絶賛された『新しき世界』(2013)、『華麗なるリベンジ』(2015)、『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(2018)、近作『ただ悪より救いたまえ』(2020)などで多彩なキャラクターに挑戦。韓国を代表する映画賞の青龍賞、大鐘賞では、それぞれ2度の主演男優賞受賞を果たしている。
まさに、生きる伝説的と言っても過言ではない俳優だ。彼の過去作も要チェックだ!
主なフィルモグラフィー
* 2020~2021
「ハッシュ~沈黙注意報~」
* 2020
『ただ悪より救いたまえ』
* 2018
『工作 黒金星と呼ばれた男』
『コクソン/哭声』
* 2016
『華麗なるリベンジ』
『ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆』
* 2015
『ベテラン』
『国際市場で逢いましょう』
* 2014
『傷だらけのふたり』
『フィスト・オブ・レジェンド』
* 2013
『新しき世界』
* 2012
『ダンシング・クィーン』
* 2011
『裏切りの陰謀』
* 2010
『生き残るための3つの取引』
* 2009
「アクシデント・カップル」
* 2008
『星から来た男』
* 2007
『ハピネス』
『黒い家』
* 2005
『ユア・マイ・サンシャイン』
『甘い人生』
* 2003
『浮気な家族』
* 2002
『ロード・ムービー』
* 2001
『ワイキキ・ブラザーズ』
* ほか
横浜ムービル:14:55-16:40 (94分)
https://miyearnzzlabo.com/archives/91213
町山智浩『人質 韓国トップスター誘拐事件』を語る
町山智浩 映画『人質 韓国トップスター誘拐事件』『犯罪都市 THE ROUNDUP』2022.08.30
『人質 韓国トップスター誘拐事件』(原題:Hostage: Missing Celebrity)
劇場公開日 2022年9月9日
◆「ただ悪より救いたまえ」「新しき世界」などで知られる韓国の俳優ファン・ジョンミンが実名で主演を務め、誘拐・監禁されたトップスターの決死の脱出劇を描いたサスペンス。
監督 ピル・カムソン
主演 ファン・ジョンミン、イ・ユミ、リュ・ギョンス
『犯罪都市 THE ROUNDUP』(原題:The Roundup)
劇場公開日 2022年11月3日
◆マ・ドンソクが演じる刑事と犯罪組織の死闘を描いたクライムアクション。韓国のオープニング興行収入では、同時期に公開された『トップガン マーヴェリック』の倍以上の動員数を記録し、韓国史上最速で観客動員1000万人を突破。
監督 イ・サンヨン
主演 マ・ドンソク、ソン・ソック
#町山智浩 #たまむすび #アメリカ流れ者
『誘拐捜査』中国映画2015
https://ja.wikipedia.org/wiki/誘拐捜査『誘拐捜査』
https://eiga.com/movie/86066/
https://www.wowow.co.jp/detail/109923