映画『アトランティス』『リフレクション』2作同時・緊急公開予告編
アルバトロス・フィルム
https://eiga.com/movie/95617/
ベネチア国際映画祭や東京国際映画祭で受賞を果たした「アトランティス」などで世界から注目されるウクライナの俊英バレンチヌ・バシャノビチ監督が、2014年に始まったロシアによるクリミア侵攻を背景に、戦争と平和、生と死、肉体と魂、そして贖罪など、さまざまなテーマを交えて描いた人間ドラマ。ロシアによるクリミア侵攻が始まった2014年、ウクライナ東部ドンバスの戦線で捕虜となり、悪夢のような非人道的な行為を経験した従軍医師のセルヒーが、首都キーウの街に帰還した後、失われた日常を取り戻そうと苦闘する姿を、娘のポリーナとの触れ合いを軸にして描いていく。第78回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門出品。
2021年製作/126分/G/ウクライナ
原題:Vidblysk
配給:アルバトロス・フィルム
https://ja.wikipedia.org/wiki/リフレクション_(2021年の映画)
公式サイト:https://atlantis-reflection.com

クリミア侵攻が始まった2014年。従軍医師のセルヒーは、東部戦線で人民共和国軍の捕虜となり、悪夢のような非人道的行為を経験。やがて首都キーウに帰還したセルヒーが、失われた日常を取り戻そうと苦闘する姿を、娘ポリーナとの触れ合いを軸に見すえていく。戦争と平和、生と死、肉体と魂、そして贖罪。深遠なる多義性に富んだ本作には、ヴァシャノヴィチ監督の並外れた才気が凝縮されている。

Q:映画の中では紛争が描かれていますが、戦場から戻った後のことも描かれていますね。これは、特に経験者であれば、あまり話したがらないことです。
A:この戦争に関して言えば、誰も本気で向き合うことなく、7年も経っています。人が死んだり負傷したりしているのに、他の人たちはそのことについてまったく話したがらない。他の国々と違って、我が国の退役軍人は社会的な存在ではありません。リハビリテーション・プログラムもなく、彼らを支援するインフラもありません。彼らの多くはPTSDに苦しんでいますが、誰も専門的な手助けをしないため、自殺の割合が高くなっています。ウクライナに住む私たちにとって、とても「不都合」なテーマなのです。元受刑者にも焦点を当てることにしました。想像するのも難しいかもしれませんが、21世紀の今日、ドネツクの真ん中に「Isolation」という巨大な政治刑務所があります。皮肉なことに、かつては現代アートの中心地だったのです。戦争が始まると、ロシアの特殊部隊がそこを強制収容所にしてしまい、今も稼働しています。そこで何が起こっているのか、想像を絶します。
Q:ここでは2つの世界がぶつかり合っています。人々は普通の生活を送り、子供たちがペイントボールで遊ぶのを見ていますが、暴力は常に身近にありますね。
A:これは、私がどうしても強調したかったことです。ペイントボールのような無邪気な遊びがすべての始まりです。子供たちは、お互いを「殺す」ふりをして遊んでいるのです。しかし、やがて彼らは成長し、実行に移すのです。
「キーフ⇔戦争」という列車があります。首都からまっすぐ戦場へ、わずか5時間で行けるのです。アヴディフカという街では、タクシーで前線に行くことができます。人々はレストランに座り、子どもたちは学校に通い、そしてほんの数分車に乗っただけで、戦車や人々が殺し合っている光景を目にすることができます。ウクライナでは、こうした異なるレイヤーの現実がすべて同時に起こっているのです。


1971年 ウクライナのジトーミル生まれ。カルペンコ・カリー国立演劇・映画・テレビ大学を撮影監督(1995年)およびドキュメンタリー映画監督(2000年)として卒業し、ポーランドのワイダ・スクール(2007年)でも学ぶ。2004年、短編ドキュメンタリー『AGAINST THE SUN』がクレルモンフェラン国際映画祭で審査員賞、ナンシー国際映画祭でグランプリ、トロント国際映画祭で審査員賞を受賞し、ドキュメンタリー作家として認められるようになる。長編ドキュメンタリー『PRYSMERK』はキーフのDocudays FFでスペシャルメンションを受賞し、2015年のオデッサIFFでは最優秀ウクライナ映画としてゴールデンデュークを受賞した。2012年、長編デビュー作『BUSINESS AS USUAL』(オデッサIFF、審査員特別賞、FICC賞)。長編第2作『KREDENS film』はオデーサIFFでFIPRESCI賞を受賞し、アカデミー賞2018のロングリスト入りを果たした。2014年、製作・撮影・編集としてミロスラヴ・スラボシュピツキー監督の『ザ・トライブ』に参加、カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞したほか、世界各国で40以上の賞を獲得し、ウクライナ映画最大の成功を収めた。2019年、『アトランティス』が第76回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞、東京国際映画祭審査委員特別賞を受賞したほか、世界各国で多数の賞や賞を獲得。2021年、最新長編『リフレクション』が第78回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出された。

1985年 ウクライナ生まれ。学歴は心理学と実用医学。また、経営とリーダーシップのMBAを取得している。2005年から2009年まで、雑誌「Facts and Comments」、「Today」、「Glare」の特派員、調査ジャーナリストとして活躍。2009年~2014年、ナドラ銀行DTEKのコーポレートコミュニケーション部長を務める。2015~2016年、地上軍旅団の偵察部隊長、2016~現在、慈善財団「カムバック・アライブ」のインストラクター兼軍事部門長を務める。映画出演作品は、ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督の『アトランティス』『リフレクション』。

1986年 ウクライナ、ボドナリウ生まれ。父親が写真家だったため、子供の頃からフィルムカメラが手元にあり、中学3年生の時に村の結婚式などのイベントを撮影し始める。学校卒業後、プレカルパティア国立芸術大学のポップス・マス・スペクタクル演出学科に入学。さまざまな国家の祝典や記念日などに携わったが、それが好きになれず、俳優クラスに変更。2008年、ウクライナ名誉芸術家、アナトリー・フリツァン教授、ウクライナ人民芸術家のコースを卒業し、イワノ・フランキフスク学術地域ウクライナ音楽・演劇劇場の俳優となる。2013年からは、映画にも出演。ファンタジー映画『The Stronghold』(2017年)の撮影をきっかけに知られるようになる。
イメージフォーラム:15:10-17:30 (127分)
https://screenonline.jp/_ct/17524863
https://eow.alc.co.jp/search?q=reflection