映画『アトランティス』『リフレクション』2作同時・緊急公開予告編
アルバトロス・フィルム
『アトランティス』Clip | Atlantis – Clip HD
第32回東京国際映画祭 – コンペティション
『アトランティス』
監督:ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
出演:アンドリー・リマルーク、リュドミラ.・ビレカ、ワシール・アントニャック
2025年、戦争直後の世界。深いトラウマを抱えた元兵士の男は、身元不明の死体発掘に携わる女性と出会い、自らの過去と向き合う。荒廃した土地を硬質な映像美で描き、驚異のワンシーン・ワンショットに圧倒されるディストピア異色作。
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/fi…
32nd Tokyo International Film Festival – Competition
Atlantis
Director : Valentyn Vasyanovych
Cast : Andriy Rymaruk, Liudmyla Bileka, Vasyl Antoniak
It is 2025 and a war has just ended. A traumatized veteran is forced to confront his past when he meets a woman involved in recovering unidentified bodies. Capturing the desolation with hard beauty, this dystopian film abounds with wondrous shots and scenes.
https://2019.tiff-jp.net/en/lineup/fi…
2019.10.28-11.5
#TIFFJP #映画 #FILM
https://eiga.com/movie/91879/
ウクライナ映画界の俊英バレンチヌ・バシャノビチが、近未来のウクライナを舞台に、PTSDに悩む元兵士とボランティア団体の女性の交流を描いたディストピア映画。2025年、終戦直後の荒廃したウクライナ。元兵士のセルヒーは戦争で深いトラウマを抱え、空虚な毎日を送っていた。そんなある日、戦死者の遺体を掘り起こして身元確認するボランティア活動に参加した彼は、そこで知り合った女性カーチャとの交流を通し、自らの過去と向き合うようになっていく。2019年・第76回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞、2019年・第32回東京国際映画祭コンペティション部門審査員特別賞受賞。
2019年製作/108分/PG12/ウクライナ
原題:Atlantis
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:https://atlantis-reflection.com



2025年を舞台に、元兵士の“生”のはかなさと“愛”の尊さを描いた近未来のディストピア映画『アトランティス』と、敵の捕虜となった外科医の運命を、純真な少女の視点を交え、驚くべきショットの連続で凝視した『リフレクション』。『アトランティス』では“戦争終結後”が、『リフレクション』では“侵略戦争のはじまり”が描かれ、今年2月24日のロシアによる全面侵攻開始のはるか前から戦争が行われ、ウクライナはその脅威にさらされてきたという事実を我々に知らしめる。これまでウクライナが辿ってきた過去と、これから辿るであろう未来。かすかな希望のありかを模索しながら研ぎ澄まされた写実性と様式美で映し出した珠玉の2作を今こそ目撃してほしい。
なお、2月以降、ヴァシャノヴィチ監督はカメラを携え、戦禍の現実を撮影していると伝えられている。彼の無事を祈らずにいられない。

ロシアとの戦争終結から1年後の2025年。戦争で家族を亡くし、唯一の友人も失った孤独な主人公セルヒーが、兵士の遺体発掘、回収作業に従事するボランティア団体の女性との出会いをきっかけに、自らが“生きる”意味と向き合っていく姿を描く。死に覆いつくされた世界を漂流する生のはかなさと、そこに芽生えた愛の尊さをサーモグラフィー・カメラが鮮烈に映し出す。

Q:この映画の出発点は何だったのでしょうか?
A:まず、私たちの生活に大きな影響を与えた戦争について語らなければならないということです。紛争は3年近く続いていました。そんな時、「地球の水質が壊滅的に悪化している」という情報を知りました。この問題の主な原因は、廃坑が多いことです。坑道から出る水をうまく汲み上げられず、その結果、地下水の鉱物化が進みました。この状況は年々悪化し、やがて人が住めない砂漠と化し、しかも、この変化は元に戻すことができない・・・。そして、もうひとつ、ウクライナ東部の素晴らしい産業景観をカメラに収めたかったのです。そこは本当に魅惑的な場所で、火星まで行ったような錯覚を覚えます。直径数ミリから数メートルのパイプが何千本も並んでいて、それがとても華麗に、複雑に織り込まれているのです。それらが狂おしいほどの色彩で、信じられないような雰囲気を作り出していました。そこで、物語を近未来の2025年に移し、紛争の結果、そして製鉄工場の終焉も描こうと考えました。地雷原、失業者、環境破壊。このような暗い状況でありながら、私は、この戦争ですべてを失った主人公に出口を見いだしたかったのです。この死の領域で何が彼を支え続けたのか、それを理解したかったのです。
Q:この物語の舞台は、ウクライナ東部の紛争が終結した1年後の2025年です。そのころには戦争が終わっているという希望はありますか?
A:残念ながら、今となっては楽観的すぎたかなと思っています。
Q:主演俳優がとても素晴らしいのですが、プロでない俳優を起用したのはなぜですか?
A:戦争を生き抜いた人たちの映画ですから、戦争を経験していないプロの俳優では、私が必要とする感情の全容を伝えることはできないと判断しました。特に私自身が、トラウマとなるような体験をしていませんから。彼らには、自分にはない特別な体験を共有してもらうことで、より理解しやすい映画になると考えました。主役のアンドリー・ルィマルークに会ったとき、彼は戦争から帰ってきて働いていました。私は写真で彼の顔を見て、オーディションを受けるように誘いました。アンドリーは、悲劇と希望の両方を醸し出しています。本当に素晴らしい仕事をしてくれました。
イメージフォーラム:13:45-15:45 (109分)
https://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/5428/
https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32CMP02
2019東京国際映画祭
* コンペティション
アトランティス
Atlantis
監督:ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
監督 ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
スタッフ
キャスト アンドリー・リマルーク
リュドミラ・ビレカ
ワシール・アントニャック
108分
ウクライナ語
日本語字幕・英語字幕付き
2019年
ウクライナ
監督
バレンチヌ・バシャノビチ
Valentyn Vasyanovych
誕生日1971年7月21日
出身ウクライナ
https://kotobank.jp/word/アトランティス-426025
日本大百科全書(ニッポニカ)「アトランティス」の解説
哲人プラトンの「対話篇(へん)」『ティマイオス』Tímaiosと『クリティアス』Kritiasのなかに語られている伝説の島。古代ギリシア七賢人の一人に数えられるアテネの立法者ソロンが、紀元前594年、国制改革の大任を果たしたのち国外旅行に出て、エジプトのサイスの神官から聞かされたという、そのときから8000年以上も昔の、「古アテネ人」の武勇ぶりを語る話のなかに登場する。
リビアと小アジアをあわせたより大きいその島は、「ヘラクレスの柱」(ジブラルタル海峡)西方のアトランティス海(大西洋)にあり、海神ポセイドンとクレイトーの長子アトラスが王となって、他の9人の兄弟とともに支配していた。島は鉱物資源や農林畜産に富み、近隣の島々のみならず、「ヘラクレスの柱」内側のエジプト、エトルリアをも支配する一大海洋帝国を形成して栄えたが、「古アテネ人」はアトランティス勢の侵略を防いで勇名をはせていた。アトランティス帝国の支配は数代にわたって継承されたが、繁栄の陰りが富への執着を生み、これが敬神遵法の精神をむしばんで秩序が乱れた。そしてあるとき、地震と洪水がおこって一日一夜にして、勇者「古アテネ人」は大地にのまれ、アトランティスは海中に没し去ったという。近年、ティラ島の前1500年ごろの火山噴火とクレタ島のミノア文明の崩壊を直結させてアトランティス伝説に絡ませる仮説がまま出されることもあるが、考古学的反証のほうが有力で、説得力が乏しい。
[馬場恵二]