映画『私のはなし 部落のはなし』(2022年5月劇場公開)予告編
◤日本の〈差別〉を丸ごと見つめて学びほぐす
いまだかつてないドキュメンタリー映画◢
『私のはなし 部落のはなし』
2022年5月21日(土)より劇場公開
◢◤INTRODUCTION◢◤
かつて日本には穢多・非人などと呼ばれる賤民が存在した。1871年(明治4年)の「解放令」によって賤民身分が廃止されて以降、かれらが集団的に住んでいた地域は「部落」と呼ばれるようになり、差別構造は残存した。現在、法律や制度のうえで「部落」や「部落民」というものは存在しない。しかし、いまなお少なからぬ日本人が根強い差別意識を抱えている。なぜ、ありえないはずのものが、ありつづけるのか? この差別は、いかにしてはじまったのか? 本作は、その起源と変遷から近年の「鳥取ループ裁判」まで、堆積した差別の歴史と複雑に絡み合ったコンテクストを多彩なアプローチでときほぐし、見えづらい差別の構造を鮮やかに描きだす。
監督は、屠場(とじょう)とそこで働く人々を写した『にくのひと』(2007年)が各地で上映され好評を博すも、劇場公開を断念せざるをえなかった経験を持つ満若勇咲。あれから十数年、プロデューサーに『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』の大島新、音楽に世界を舞台に活動をつづけるMONOを迎え、文字通り〈空前絶後〉のドキュメンタリー映画をつくりあげた。
◢◤クレジット・ビリング◢◤
監督:満若勇咲 プロデューサー:大島新(『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』)
撮影:辻?智彦 編集:前嶌健治 整音:高木創 音楽:MONO 語り・テキスト制作:釆奈菜子
配給:東風 2022/日本/205分/ドキュメンタリー
(C)『私のはなし 部落のはなし』製作委員会
◢◤公開表記◢◤
5/21㊏より[東京]ユーロスペース、[大阪] 第七藝術劇場、シネマート心斎橋にて、ほか全国の映画館で順次公開!
■公式HP:https://buraku-hanashi.jp/
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日本に根強く残る「部落差別」を題材にしたドキュメンタリー。かつて日本には「穢多」「非人」と呼ばれる賤民が存在した。1871年に明治政府が発した「解放令」により賤民身分は廃止されたものの、それ以降も彼らが住んでいた地域は「部落」と呼ばれ、差別構造は残り続けた。現在、法律や制度上は「部落」「部落民」は存在しないが、少なからぬ日本人が根強い差別意識を抱えている。映画では部落差別の起源・変遷から現状までを描き、積み重なった差別の歴史と複雑に絡み合った背景をひも解いていく。監督は、屠場とそこで働く人々を捉えたドキュメンタリー「にくのひと」で第1回田原総一朗ノンフィクション賞を受賞した満若勇咲。「なぜ君は総理大臣になれないのか」の監督・大島新がプロデュースを手がけた。
2022年製作/205分/G/日本
配給:東風
公式サイト:https://buraku-hanashi.jp
INTRODUCTION
「部落差別」は、いかにしてはじまったのか――
なぜ私たちは、いまもそれを克服できずにいるのか?
かつて日本には穢多・非人などと呼ばれる賤民が存在した。1871年(明治4年)の「解放令」によって賤民身分が廃止されて以降、かれらが集団的に住んでいた地域は「部落」と呼ばれるようになり、差別構造は残存した。現在、法律や制度のうえで「部落」や「部落民」というものは存在しない。しかし、いまなお少なからぬ日本人が根強い差別意識を抱えている。なぜ、ありえないはずのものが、ありつづけるのか? この差別は、いかにしてはじまったのか? 本作は、その起源と変遷から近年の「鳥取ループ裁判」まで、堆積した差別の歴史と複雑に絡み合ったコンテクストを多彩なアプローチでときほぐし、見えづらい差別の構造を鮮やかに描きだす。
監督は、屠場
とじょう
とそこで働く人々を写した『にくのひと』(2007年)が各地で上映され好評を博すも、劇場公開を断念せざるをえなかった経験を持つ満若勇咲。あれから十数年、プロデューサーに『なぜ君は総理大臣になれないのか』『香川1区』の大島新、音楽に世界を舞台に活動をつづけるMONOを迎え、文字通り〈空前絶後〉のドキュメンタリー映画をつくりあげた。
主な登場人物
FEATURING
* 黒川みどり 静岡大学教育学部教授/日本近現代史・思想史
* 髙橋定 「鳥取ループ裁判」原告
* 高橋のぶ子 崇仁地区で部落解放運動に参加
* 中島威 和太鼓奏者/特定非営利活動法人「暮らしづくりネットワーク北芝」職員
* 松村元樹 公益財団法人「反差別・人権研究所みえ」常務理事兼事務局長
* 宮部龍彦 鳥取ループ/示現舎合同会社代表
* 山内政夫 郷土史家/「柳原銀行記念資料館」事務局長
ステートメント
STATEMENTS
* プロデューサー 大島新 ここ数年、私のもとに多くのドキュメンタリー映画の企画が持ち込まれ、「プロデューサーとして参加してほしい」という依頼があったが、「乗った」のは満若勇咲監督の『私のはなし 部落のはなし』のみである。勘が働いた、というしかない。この若者に、賭けてみたい。 出資を決め、企画が動き出してからおよそ2年後、3時間におよぶ編集の第1稿を観た時の驚きは忘れられない。やろうとしていることのスケールの大きさに圧倒された。期待を遥かに上回る意欲作が誕生しつつあるという予感に、「おれの勘は正しかった!」と叫びたくなった。 この映画は、まことに饒舌である。そしてその饒舌さゆえに、単純な要約を許さない。だから観た人は、 それぞれに受け止め、自らの思いを持ち帰って解釈をするしかない。私はプロデューサーとして、このとんでもない作品をきちんと世に届けなければと、身の引き締まる思いでいる。
* 監督
満若勇咲
現在の部落差別は、その根深さとは裏腹にとても見えにくく分かりづらい。多くの人にとって部落問題は 身近な社会問題ではない、というのが正直なところだろう。ぼくも映画制作という機会がなれば意識することはなかったように思う。 「部落問題」を題材にした映画作りは難航した。カメラには映らない。けれど確かにそこにあるものを、 どのように映像で表現すればよいのだろうか? 悩んだ末に、ぼくは人々の「はなし」を紡ぐことで、意識の奥底にある「部落問題」の存在を感じさせることが出来るのではないかと考えた。そのために3時間25分という長さが必要だった。 部落問題を解決する道はまだ見つかっていない。撮影することは当事者の方々が差別を受けるリスクを伴う。そのような現実のなか、覚悟を持って今回の撮影に応じてくださった皆さんに心から感謝します。
* https://www.vice.com/ja/article/vbjg39/yusaku-mitsuwaka-buraku-2
映画『にくのひと』監督・満若勇咲が追う現代の部落差別②
https://www.vice.com/ja/article/d3egaw/yusaku-mitsuwaka-buraku
映画『にくのひと』監督・満若勇咲が追う現代の部落差別①
満若勇咲さんに聞いた:一人ひとりの物語から、「見えない部落問題」が浮かび上がる~映画『私のはなし 部落のはなし』
スタッフ
STAFF
* 監督満若勇咲(みつわか・ゆうさく)
1986年京都府生まれ。05年大阪芸術大学入学。映画監督の原一男が指導する記録映像コースでドキュメンタリー制作を学ぶ。在学中にドキュメンタリー映画『にくのひと』、『父、好美の人生』(監督・撮影)を制作。『にくのひと』の劇場公開が決まるも、その後封印。映像制作・技術会社ハイクロスシネマトグラフィに参加後、TVドキュメンタリーの撮影を担当する。19年からフリーランスとして活動。主な撮影番組に「ジェイクとシャリース~僕は歌姫だった~」(20/アメリカ国際フィルム・ビデオ祭 ゴールド・カメラ賞)、「ETV特集 僕らが自分らしくいられる理由〜54色のいろ鉛筆〜」(21)など。ドキュメンタリー批評雑誌「f/22」の編集長を務めている。
【Interview】”他者の視点”で見続けた部落問題〜『私のはなし 部落のはなし』満若勇咲監督インタビュー
* プロデューサー大島新(おおしま・あらた)
1969年神奈川県生まれ。ドキュメンタリー監督、プロデューサー、95年早稲田大学第一文学部卒業後、フジテレビに入社。「NONFIX」「ザ・ノンフィクション」などドキュメンタリー番組のディレクターを務める。99年にフジテレビを退社し、フリーランスとして活動。「情熱大陸」、「課外授業 ようこそ先輩」などを演出。09年に映像製作会社ネツゲンを設立。監督作品に『シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録』(07/第17回日本映画批評家大賞ドキュメンタリー作品賞受賞)、『園子温という生きもの』(16)。衆議院議員・小川淳也の17年を追った監督3作目の『なぜ君は総理大臣になれないのか』(20)で第94回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位などを受賞。21年、小川や自民党・平井卓也らが出馬した第49回衆議院選を与野党両陣営の視点から描いた『香川1区』を同年12月に発表。主なプロデュース作品に『カレーライスを一から作る』(16/前田亜紀監督)、『ぼけますから、よろしくお願いします。』(18/信友直子監督)、『ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ』(20/田部井一真監督)など。
* 撮影辻智彦(つじ・ともひこ)
1970年和歌山県生まれ。株式会社ハイクロスシネマトグラフィ代表。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業後、テレビ制作会社と契約。1998年フリーランスキャメラマンとして独立し、「ザ・ノンフィクション」「世界の車窓から」「ETV特集」等、多くのテレビドキュメンタリーを撮影。2004年の『17歳の風景 少年は何を見たのか』を皮切りに、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(07)、『キャタピラー』(10)、『千年の愉楽』(12)など多くの若松孝二監督作品の撮影を担当。ほか映画作品に『止められるか、俺たちを』(18/白石和彌監督)、『MOTHER マザー』(20/大森立嗣)など。2021年に映画監督や俳優たちとの対話を記録した著書「ドキュメンタリー撮影問答 対話から見えてくる映像制作の深層」(玄光社)を上梓。
* 編集前嶌健治(まえじま・けんじ)
東京都生まれ。株式会社ギトリ代表。ドキュメンタリーやドラマ、バラエティまで様々なジャンルを編集。主なテレビ作品に、「撮影監督ハリー三村のヒロシマ~カラーフィルムに残された復興への祈り~」(15/第44回国際エミー賞・芸術番組部門受賞)、「ユーリー・ノルシュテインの、話の話。~アニメーションの神様 終わらない挑戦~」(17/第34回ATP賞テレビグランプリ・ドキュメンタリー部門優秀賞)、「爆走風塵〜中国・激変するトラック業界〜」(17/第7回衛星放送協会オリジナル番組アワード・ドキュメンタリー番組部門最優秀賞)、「ラップと知事選 沖縄 若者たちの声」(18/第35回ATP賞テレビグランプリ・ドキュメンタリー部門奨励賞)、「バレエの王子になる!〜“世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春〜」(19/第57回ギャラクシー賞選奨、ニューヨーク・フェスティバル銅賞受賞)、「ザ・ノンフィクション 花子と先生の18年~人生を変えた犬~」(20/ニューヨーク・フェスティバル銅賞受賞)。映画作品に、『氷の花火 山口小夜子』(15/松本貴子監督、平成28年度文化庁映画賞・文化記録映画大賞)、『ダンシングホームレス』(20/三浦渉監督、第12回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル大賞)、『ちょっと北朝鮮までいってくるけん。』(21/島田陽磨監督)など。
* 音楽MONO
1999年に東京で結成された4人組インストゥルメンタルロックバンド。オーケストラとシューゲーズギターノイズを合わせたオリジナルな楽曲スタイルは世界中で非常に高い評価を受けている。イギリスの音楽誌「NME」では「神の音楽」と賞賛された。18年6月、The Cureのロバート・スミスのキュレーションでロンドンで開催された<Meltdown Festival>にMy Bloody Valentine, Nine Inch Nails等と共にヘッドライナーとして出演。映画音楽としては、短編映画『Where We Begin』(15/HIKARI監督)がIdyllwild International Festival of Cinemaにてベストミュージカルスコア賞を受賞。長編映画『The 4th Company』(16)がメキシコ・アカデミー賞の音楽賞でノミネートされた。2021年9月、11枚目となるアルバム「Pilgrimage of the Soul」をリリース。米ビルボード、メインチャートにて初登場85位、オルタナティブ・ニューアーティストアルバムで2位を獲得。
* 語り・テキスト制作釆奈菜子(うね・ななこ)
1996年大阪府生まれ。2020年、京都市立芸術大学美術学部美術科卒業。2022年、同大学院美術研究科彫刻専攻修了。
ユーロスペース:14:00-17:40(205分)
http://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000587
http://kwww3.koshigaya.bunkyo.ac.jp/wiki/index.php/橋のない川
https://www.cine.co.jp/works1/bridge/whats/
「にくのひと」
https://www.nicovideo.jp/watch/sm11836847
田原総一朗賞 「にくのひと」 ~ザ・コーヴを超える衝撃~
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I9790363-00
映画『ある精肉店のはなし』予告編
大阪府貝塚市で長きにわたり、家族経営で精肉店をコツコツと営んできた一家の姿を捉えたドキュメンタリー。自分たちの手で育て上げた牛を家族が協力し、丁寧に処理して店頭に並べるという作業をこなす彼らの真面目な仕事ぶりを映し出す。監督を務めるのは、『祝(ほうり)の島』が反響を呼んだ纐纈あや。被差別部落出身者として理不尽な差別を受けながらも、牛の命と正面から向き合ってきた家族の姿が感動を呼ぶ。
製作: やしほ映画社
製作: ポレポレタイムス社
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/
https://eiga.com/movie/34308/
いのちの食べかた