港区立郷土歴史館 Minato City Local History Museum
平成30(2018)年11月1日、 港区立郷土歴史館が白金台にオープンしました。
港区立郷土歴史館は、自然・歴史・文化をとおして港区を知り、探求し、交流する拠点となる施設です。
建物は、昭和13(1938)年に竣工した旧公衆衛生院の姿を保存しながら、耐震補強やバリアフリー化等の改修工事を行い、安心して利用いただけるように再整備しました。
建物の持つ歴史的魅力と展示をとおして、ご来館の皆様にさまざまな出会いと発見があることを願っています。
SNSで話題!80年前のレトロ建築 東京・港区の郷土歴史館
2018年の11月にオープンした東京・港区の郷土歴史館が、レトロな雰囲気だとして、いまSNSで話題となっています。80年ほど前の建物を改修して誕生した歴史館の魅力を取材しました。
港区白金台に開館した「港区郷土歴史館」の重厚な建物は、今から80年ほど前の1938年に建てられたものです。中は吹き抜けになっていて、開けた空間が広がっているほか、細かな装飾も施されています。そのほとんどが建設された当時のまま残っているというこの建物は、伝染病などを研究する日本で初めての専門機関「公衆衛生院」として2002年まで使われた後、2009年に港区が国から買い取り、耐震補強などを行った上で、2018年に郷土歴史館として開館しました。
設計は東京大学の安田講堂などを手掛けた建築家・内田祥三の作品で、左右対称のゴシック建築に、外壁を重厚感のあるタイルで覆ったデザインが特徴です。開館以来、SNS上では「建物がとても素晴らしい」「レトロでかっこいい」「おすすめ、うっとりです」といった感想が続々と寄せられ、話題となっています。
この建物の一番の見どころを学芸員の川上悠介さんに案内してもらいました。案内してもらったのは、80年前から変わらぬたたずまいの、340席を備える「旧講堂」です。木製の机や椅子をはじめ、照明器具など、室内はまるで時が止まったかのような空気が漂い、ノスタジックな雰囲気が訪れた人々を魅了しています。訪れた人は「ムードがある。自分が勉強した場所にはこんなにムードあるところはなかった。物語の主人公になったような気分になれる。すてき」などと話していました。中には、40年ほど前にここで学んでいたという男性も訪れていて「感無量です」と昔を懐かしんでいました。
建物が話題となったおかげで、今では展示物にも興味を持ってもらえることが増えたといいます。川上さんは「(今後は)区民と建物の活用方法を考えながら、親しんでもらえる建物にできれば」と話しています。
〒108-0071 東京都港区白金台4-6-2
公式サイト:https://www.minato-rekishi.com
「旧講堂」
備え付けの机椅子が設置された階段状の講堂です。建設当初の姿がよく残されており、電灯器具や講壇左右に設置されたレリーフなども特徴的です。
https://www.minato-rekishi.com/building/index.html
建物について
この建物は、東京大学建築学科教授の内田祥三(よしかず)により設計され、昭和13(1938)年に建設された旧公衆衛生院です。構造は鉄骨・鉄筋コンクリート造、スクラッチタイルで覆われたゴシック調の外観で、「内田ゴシック」と呼ばれる特徴的なデザインとなっており、隣に建つ東京大学医科学研究所と対になって建てられました。
建物の内部にも、講堂や教室・研究室などのほか、細部にわたる意匠など当時の状態を伝える部分が多くあります。歴史的に貴重なこの建物を保存・改修し、郷土歴史館を中心とした複合施設として活用しています。
https://www.minato-rekishi.com/lectures/building-guide.html
旧公衆衛生院 建物ガイド[デジタル]
港区立郷土歴史館の建物は、東京大学の安田講堂などを手掛けた内田祥三が設計し、昭和13(1938)年に国民の保健衛生に関する調査研究及び公衆衛生の普及を目的に国が設立した機関「公衆衛生院」のために建設されました。この港区指定文化財「旧公衆衛生院」の、当時の姿がよく保存されている中央ホールや旧講堂などの見学ポイントで、ご自身のスマートフォンで二次元コードを読み取ることで、より詳しい見どころ解説をご覧いただくことができます。
見学ポイント
(1)2階 中央ホール
(2)6階 旧寮階
(3)4階 旧講義室(現・休憩室)
(4)4階 旧講堂
(5)3階 旧院長室・旧次長室
(6)3階 旧書庫(現・図書室)
(7)2階 旧図書閲覧室(現・コミュニケーションルーム ※休室中)
(8)1階 旧食堂(現・カフェ/学校歴史資料展示室)
(9)1階 中央ホール
旧公衆衛生院 建物ガイドツアー <2022年度春期>
2022年4月2日(土)・16日(土)・5月7日(土)・21日(土)・6月4日(土)・18日(土)
港区立郷土歴史館の建物は、東京大学の安田講堂などを手掛けた内田祥三(よしかず)が設計し、昭和13(1938)年に建設された「旧公衆衛生院」です。館内で当時の姿がよく保存されている中央ホール、旧院長室、旧講堂などを当館スタッフの案内で約1時間かけて巡ります。
※館内の見どころ解説をご自身のスマートフォンでご覧いただける「旧公衆衛生院 建物ガイド[デジタル]」もあります。ぜひご利用ください。
リーフレット
クリックしてminatorekishi_leaf_jp.pdfにアクセス