映画『ニトラム/NITRAM』予告編
第74回カンヌ国際映画祭 主演男優賞受賞[ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ]
第11回 オーストラリア・アカデミー賞作品賞ほか最多8部門受賞!
みんなと同じになりたかっただけの青年は、いかにオーストラリア史上最悪のテロリストになったのか──
全世界に銃規制の必要性を訴える契機となった無差別銃乱射事件「ポートアーサー事件」初の映画化
監督:ジャスティン・カーゼル
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジュディ・デイヴィス、エッシー・デイヴィス、ショーン・キーナンほか
3/25(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、
ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
映画『ニトラム NITRAM』特報
3月25日公開のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ主演映画『ニトラム/ NITRAM』の予告映像とポスタービジュアル、新場面写真が公開された。
本作は、1996年4月28日、オーストラリアの世界遺産でもある観光地ポート・アーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件の犯人の半生を描いた初の映画作品。コロンバイン高校銃乱射事件の3年前に起こり、2倍以上の死者数を出した通称「ポートアーサー事件」は、銃規制の必要性を全世界に問いかける先駆けとなり、さらに当時、27歳の単独犯の思想的動機が不明瞭であることも拍車をかけ、新たなテロリズムの恐怖に各国が騒然となった歴史的な事件だ。本作で描かれるのは、事件当日に至るまでの犯人の日常と生活。舞台は、90年代半ばのオーストラリア・タスマニア島。かつて囚人の流刑地だった、観光しか主な産業がない閉塞したコミュニティに暮らす20代半ばの青年が、いかにして同国史上最多の被害者を出した銃乱射事件の犯人となったのか、その不可解な半生が描かれる。
主人公のニトラム(NITRAM)を『スリー・ビルボード』のジョーンズが演じ、カンヌ国際映画祭、シッチェス・カタロニア映画祭などで主演男優賞を受賞した。監督を務めたのは、『アサシン クリード』『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』のジャスティン・カーゼル。2021年12月に発表されたオーストラリア・アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚本賞ほか主要8部門で最多受賞を果たした。
映画『ニトラム/ NITRAM』本編映像
3月25日公開のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ主演映画『ニトラム/ NITRAM』より本編映像が公開された。
詳細はこちら
https://realsound.jp/movie/2022/03/po…
本作は、1996年4月28日、オーストラリアの世界遺産でもある観光地ポート・アーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件の犯人の半生を描いたサスペンス。第11回オーストラリア・アカデミー賞では作品賞・監督賞・脚本賞ほか主要8部門で最多受賞を果たした。
■公開情報
『ニトラム/ NITRAM』
3月25日(金)全国公開
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジュディ・デイヴィス、エッシー・デイヴィス、ショーン・キーナンほか
監督:ジャスティン・カーゼル
脚本:ショーン・グラント
配給:セテラ・インターナショナル
2021年/オーストラリア/英語/ヴィスタ/110 分/原題:NITRAM/日本語字幕:金関いな
(c)2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited
Nitram – Official Trailer | HD | IFC Films
Opening in theaters and VOD March 30
Director: Justin Kurzel
Starring: Caleb Landry Jones, Judy Davis, Essie Davis, Anthony LaPaglia
Based on a true story, Nitram is an isolated young man living with his parents in Australia until he meets an eccentric heiress. What follows is a gripping portrait of nihilism and violence.
https://eiga.com/movie/95179/
1996年4月28日、オーストラリア・タスマニア島の世界遺産にもなっている観光地ポートアーサー流刑場跡で起こった無差別銃乱射事件を、「マクベス」「アサシン クリード」などで知られるオーストラリアの俊英ジャスティン・カーゼル監督が映画化。事件を引き起こした当時27歳だった犯人の青年が、なぜ銃を求め、いかに入手し、そして犯行に至ったのか。事件当日までの日常と生活を描き出す。1990年代半ばのオーストラリア、タスマニア島。観光しか主な産業のない閉鎖的なコミュニティで、母と父と暮らす青年。小さなころから周囲になじめず孤立し、同級生からは本名を逆さに読みした「NITRAM(ニトラム)」という蔑称で呼ばれ、バカにされてきた。何ひとつうまくいかず、思い通りにならない人生を送る彼は、サーフボードを買うために始めた芝刈りの訪問営業の仕事で、ヘレンという女性と出会い、恋に落ちる。しかし、ヘレンとの関係は悲劇的な結末を迎えてしまう。そのことをきっかけに、彼の孤独感や怒りは増大し、精神は大きく狂っていく。「アンチヴァイラル」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主人公ニトラムを演じ、2021年・第74回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した。
2021年製作/112分/G/オーストラリア
原題:Nitram
配給:セテラ・インターナショナル
https://ja.wikipedia.org/wiki/ニトラム/NITRAM
https://www.madmanfilms.com.au/nitram/
公式サイト:http://www.cetera.co.jp/nitram/
1996年4月28日日曜日。タスマニア島、ポート・アーサーで無差別銃乱射事件が発生。死者35人、負傷者15人。当時28歳の単独犯の動機が不明瞭であることも拍車をかけ、新時代のテロリズムの恐怖に全世界が騒然となった。
国内では未だ議論の絶えないこの事件を初映画化したのは、「現代オーストラリア最高の映画作家」と称される俊英ジャスティン・カーゼル。事件の〈真実〉に迫るため、映画は犯人の複雑なパーソナリティだけでなく、彼を取り巻く社会──家族、ローカルコミュニティ、医療、福祉、法制度、慣習──を多角的・重層的アングルからひとつずつ剥き出しにする。出来事に至るプロセスを緻密かつ繊細極まりない叙述で積み重ねてゆく、その真に倫理的な試みが高く評価され、豪アカデミー賞では主要8部門で最多受賞を果たした。

本作が描くのは、“ニトラム”と呼ばれた青年の〈生活〉と〈彷徨〉の日々。母は彼を「普通」の若者として人生を謳歌してほしいと願う一方、父は将来を案じ出来る限りのケアをしようと努めている。サーフィンに憧れている彼は、ボードを買うために庭の芝刈りの訪問営業を始める。そんなある日、ヘレンという女性と出会う……。
主人公を演じたのは、今ハリウッドで最も熱い視線を浴びる実力派スター、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ。内面に巣食う孤独と劣等感、屈折した男性性を痛々しいまでのナイーブな演技で表現。カンヌ国際映画祭では7分間のスタンディングオベーションの賛嘆で迎え入れられ、見事主演男優賞を受賞した。
CAST
二トラム:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ Caleb Landry Jones
1989年12月7日アメリカ・テキサス州ガーランド生まれ。2007年、コーエン兄弟監督『ノーカントリー』で俳優デビュー。12年ブランドン・クローネンバーグの初監督作品『アンチヴァイラル』で初主演を務め、カンヌ国際映画祭、トロント国際映画祭に出品され話題となる。マーティン・マクドナー監督『スリー・ビルボード』(17)、ジョーダン・ピール監督『ゲット・アウト』(17)、ジム・ジャームッシュ監督『デッド・ドント・ダイ』(19)、ロネ・シェルフィグ監督『ニューヨーク 親切なロシア料理店』(19)など名監督の話題作に次々と出演。最新作は、トム・ハンクスと共演したApple TV+の『フィンチ』(21)、レイフ・ファインズ、ジェシカ・チャンスティンらと共演したジョン・マイケル・マクドナー監督作「The Forgiven」(21)。2022年にはリュック・ベッソン監督「DogMan」を撮影予定。本作ではカンヌ国際映画祭で主演男優賞を獲得。ミュージシャンとしても活動中。
米テキサス州ガーランド出身。10代の頃にロックバンド「ロバート・ジョーンズ」を結成し、ボーカルとドラムを担当する。コーエン兄弟の「ノーカントリー」(07)に端役で出演し、「ラスト・エクソシズム」(10)を経て、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」(11)でショーン・キャシディ/バンシー役に抜てきされた。2012年、ブランドン・クローネンバーグ監督のSFミステリー「アンチヴァイラル」で映画初主演。同年、ニール・ジョーダン監督のバンパイア映画「ビザンチウム」に出演し、17年には同監督の「ゲット・アウト」をはじめ「スリー・ビルボード」「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」と話題作や注目作に続々出演。伝説的TVシリーズの続編「ツイン・ピークス The Return」(17)やジム・ジャームッシュ監督のコメディ「デッド・ドント・ダイ」(19)にも参加している。

政策・監督 ジャスティン・カーゼル Justin Kurzel
1974年8月3日、オーストラリア・南オーストラリア州ゴーラー生まれ。90年代にオーストラリア国立演劇学院(NIDA)で学んだあと舞台デザイナーとしても活躍。ヴィクトリアン・カレッジ・オブ・ジ・アーツの卒業制作として手掛けた短編映画”Blue Tongue”(05)が、カンヌ国際映画祭国際批評家週間に選出され、メルボルン国際映画祭で最優秀短編賞を受賞。11年には初の長編作品で、実際にオーストラリアで起きた猟奇殺人事件を題材にした『スノータウン』を監督。カンヌ国際映画祭批評家週間に再び選出され、大統領特別功労賞と批評家週間賞を受賞。トロント国際映画祭など15以上の国際映画祭で上映され、世界的な注目を浴びる。オーストラリア・アカデミー賞でも最優秀監督賞を受賞した。15年、シェイクスピア原作『マクベス』を映画化し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出。16年にはハリウッドに進出、世界的大ヒットゲームを題材にした『アサシン クリード』を監督。『ニトラム/NITRAM』後は、AppleTVとパラマウント製作のミニドラマシリーズ「シャンタラム」のプロデューサーと監督(1話目)を務めている。次回作として、ベネディクト・カンバーバッチ、ローラ・ダーンらが出演する「Morning」、マーゴット・ロビーを主演に迎えた復讐劇「RUIN」が発表されている。
* Filmography
* 2005年 Blue Tongue (短編)
* 2006年 You Am I: Friends Like You (短編video)
* 2011年 スノータウン(未公開/DVD)
* 2013年 The Turning (オムニバス映画”Boner McPharlin’s Moll”を担当)
* 2015年 マクベス
* 2016年 アサシン クリード
* 2019年 トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング
* 2020年 ニトラム/NITRAM

DIRECTOR’S STATEMENT
私は妻と共に娘を育てるため4年前からタスマニアに住んでいます。なぜなら、これ以上にない素晴らしい自然と人があるからです。他のどこにもない団結精神があります。冬は南極からの厳しい嵐に襲われますが、それによって不思議にもタスマニアはエネルギーに満ち溢れ、人々にこの土地と過去を追究したい好奇心をもたらします。
タスマニアの過去には亡霊や未解決の恐ろしい悲劇が存在し、絶景を覆う霧のように取り憑いています。この考えは複雑で注意を払う必要があります。というのも避けるべき闇のように、語らないほうが良いこともあるのです。影はちらついていますが、大抵は闇の中で静まっています。
ショーン・グラントが脚本を書いて送ってきた『ニトラム/NITRAM』はこれらの影から生まれたものです。それは予想外のものでしたが、オーストラリア史上、最も深い闇を理解したい、問いを投げたいという正直さや純粋な気持ちを感じました。その闇とは、1996年ポート・アーサー乱射事件についてでした。
鑑識から導き出された犯人像は鮮明であると同時に捉え所がありませんでした。怪物の叫びというよりはむしろ、過去にどこかで会ったことがある気がするが、その存在を忘れていた人のように立ち向かってきました。
ショーン・グラントが作り上げた人物像、家族像、風景全てに親しみを感じました。人物の皮膚を一枚ずつ剥いでいき、極限まで解体していくやり方で、いかにして個人がリヴァイアサンになるのかを考えさせられました。その人間の怒りが最高潮に達した時、いかにして想像しうる最悪の選択を取ってしまうのか?
『ニトラム/NITRAM』でのもっとも不安で不確かな瞬間は銃を買う場面です。このシーンの恐ろしさは私にとって、銃規制についてどの統計や記事よりも饒舌でした。ある意味、悲劇を結晶化させ、過去の失敗を認識させてくれました。つまり、銃の法律がもっとも弱くて危険な立場の者に簡単に利用されてしまうのです。
最初の長編映画『スノータウン』以来、なぜ弱くて危険な立場の若者がこのような極端な暴力に答えを求めてしまうのか、ということを考え続けてきました。彼らを飢えさせる文化的なくぼみや、帰属意識の喪失があるのでしょうか? 教会がなく、自分のルーツもわからず、土地や国とのつながりがないところで、果たして何が羅針盤となりうるのか。なにが彼らを無力感へと誘い、無意味に人生を壊してしまう選択に向かわせてしまうのか。
私たちは一歩ずつ近づいてゆきました。この映画は、過去に語りかけるもです。人々が葬り去りたいと思っている過去に。深い苦痛には底がありません。忘却によって生き延びることはできますが、記憶からこそ自由が生まれます。私は真実を見つけ、想像不可能なことを捉えるため、ひたすら暗闇に手を伸ばし続けました。明確な答えはありませんが、ポート・アーサーが残したものは戒めであり、歴史の一部であり、未来に対し危険を警告するものです。
ヒューマントラストシネマ有楽町:12:00-14:00 (112分)
https://ttcg.jp/human_yurakucho/movie/0834700.html
https://www.anemo.co.jp/movienews/newmovie/nitram_02-20220317/
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポートアーサー事件
https://www.madisons.jp/murder/text3/bryant.html