2/25公開 映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』本予告
198年の歴史を誇る世界屈指の美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」で起きた、
ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件。
この前代未聞の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。
孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。
彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の
受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠れた真相が―。
これは、イギリス中を巻き込んだ嘘のような感動の実話。
監督:ロジャー・ミッシェル『ノッティングヒルの恋人』『ウィークエンドはパリで』
出演:ジム・ブロードベント、ヘレン・ミレン、フィオン・ホワイトヘッド、
アンナ・マックスウェル・マーティン、マシュー・グード
後援:ブリティッシュ・カウンシル
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/goya-movie/
公式Twitter:https://twitter.com/goya_movie
映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』予告編
2月25日公開 映画『ゴヤの名画と優しい泥棒』特別映像
https://eiga.com/movie/96014/
1961年に実際に起こったゴヤの名画盗難事件の知られざる真相を描いたドラマ。2021年9月に亡くなった「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル監督がメガホンを取り、本作が長編劇映画の遺作となった。1961年、世界屈指の美術館ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この事件の犯人はごく普通のタクシー運転手である60歳のケンプトン・バントン。長年連れ添った妻とやさしい息子と小さなアパートで年金暮らしをするケンプトンは、テレビで孤独を紛らしている高齢者たちの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもうひとつのある真相が隠されていた。主人公ケンプトン役を「アイリス」のジム・ブロードベント、妻のドロシー役を「クィーン」のヘレン・ミレンが演じるほか、フィオン・ホワイトヘッド、マシュー・グードらが脇を固める。
2020年製作/95分/G/イギリス
原題:The Duke
配給:ハピネットファントム・スタジオ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴヤの名画と優しい泥棒
https://www.sonyclassics.com/film/theduke/
公式サイト:https://happinet-phantom.com/goya-movie/
197年の歴史を誇る〈ロンドン・ナショナル・ギャラリー〉で起きた、
フランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵」盗難事件。
それは、名もなきタクシー運転手の人生を懸けた大勝負だった―
INTRODUCTION
誰もが虜になるチャーミングな主人公に名優ジム・ブロードベント。そして長年連れ添った妻を演じるのはヘレン・ミレン。イギリスを代表するオスカー俳優の共演による、ユーモアあふれる軽妙な夫婦の会話劇も見どころのひとつ。また、『ダンケルク』の好演が記憶に新しいフィオン・ホワイトヘッドが息子役を演じ、そのフレッシュな魅力も見逃せない。監督は2021年9月、惜しまれながら逝去し、本作が長編遺作となった『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル。名画で世界を救おうとした男が、人々に優しく寄り添う姿を描く、爽やかな感動作が誕生した。
STORY
世界中から年間600万人以上が来訪・2300点以上の貴重なコレクションを揃えるロンドン・ナショナル・ギャラリー。1961年、“世界屈指の美の殿堂”から、ゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。この前代未聞の大事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン。孤独な高齢者が、TVに社会との繋がりを求めていた時代。彼らの生活を少しでも楽にしようと、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相が・・・。当時、イギリス中の人々を感動の渦に巻き込んだケンプトン・バントンの“優しい嘘”とは−!?
PRODUCTION NOTES
ケンプトン・バントン―― 町の英雄

本作の主人公である、ケンプトン・バントンは社会的弱者や傷つきやすい人たちのために立ち上がった。特に彼の心を動かしたのは、貧困によって社会から切り離された高齢者だった。彼はテレビを彼らの孤独を救う解決策と見なし、公共放送であるBBCを無料で受信できるように活動をしていた。実際、ケンプトン・バントンは、BBCテレビの受信許可料の支払いを拒否したため、2度刑務所に入れられている。
監督は次のように説明する。「世間から何度となく非難を浴びているにもかかわらず、ケンプトンは永遠の楽観主義者であり、活動家でした。私たちは、すべての文化において常に権威にかみついたり、納得しろといわれたあらゆることに疑問を投げかける人々を必要としているんです」
「多くの人が苦しんでいるのになぜ1人の人間だけが裕福なのかと、ケンプトンはいつもコミュニティーのことを気にかけていました。」とプロデューサーのベンサムは続ける。「彼は完璧な人間ではなかったけれど、英雄的な側面を持っていた人だと思います。人生を自分のためにではなく、みんなのために社会をよくすることに捧げた人です」
脚本家の1人クライヴ・コールマンも同意し、言葉を続けた。「特に社会が以前よりも分裂し、より憎しみが増しているように見える今こそ、彼は我々の時代の英雄です。ケンプトンの魅力は、社会がお互いの努力で成り立っていると心から信じていたことです。つまり、私はあなたなしでは何もできないし、あなたは私なしでは何もできないという考え方です。それが彼の哲学の柱でした。彼はその考えの“旗”を掲げたという意味で英雄的だったと思います」
“慈善よりも、芸術を高く評価する人間から金をかすめ取る”、脅迫状を送り付けたケンプトン。自ら行動を起こした彼の生き方を通して、声を上げることの大切さと共に、どこまでも弱き者の心に寄り添う優しさに胸を打たずにはいられない。
ドロシー・バントン ―― 一家の“大黒柱”
映画の中心となるケンプトンの傍らには、彼の長年の妻であるドロシー・バントンがいる。彼女は、寝室で執筆活動をしたり、社会運動に出かけたりする夫を尻目に、家族の暮らしを静かに見守っていた。
「ドロシーは多くの問題を抱えているんです。彼女は一家の稼ぎ頭で、中流家庭の床磨きをして、唯一の定期的な収入を家族にもたらしていました」と監督は説明する。「ケンプトンは夢想家、ドロシーは家族をまとめる接着剤です」とプロデューサーのベンサムは続ける。
この映画は、ケンプトンの政治的理想主義が家族に与えた影響を探るだけでなく、全く異なる方法で長女のマリアンの死という悲しみに向き合う2人の姿を描いている点も特筆せずにはいられない。娘の死は、現実のバントン家に暗い影を落としていて、そのことがドロシーを根本的に変えてしまっていたのだ。
この映画では、ケンプトンと彼の奇想天外な行動に焦点が当てられているが、ドロシーが悲しみを受け入れ、折り合いをつけて前に進む過程も描かれている。「ドロシーは娘の墓参りにも行きません。それは彼女がこの出来事によってどれだけ深く傷ついたかを示していると思います。彼女は感情を押し殺しながら娘を失った悲しみを乗り越え、かつての優しい人柄が少しずつ見えてくる。この映画は、ドロシーが冬眠から覚めるまでの過程も描いています」と監督が語るように、夫婦のドラマとしても重層的な広がりを持たせている。
STAFF PROFILE
監督:ロジャー・ミッシェル Roger Michell
1956年6月5日、イギリス外交官の息子として南アフリカで生まれる。『ジェイン・オースティンの説得』(95/日本未公開)で長編映画デビュー。その後、ゴールデングローブ賞の最優秀作品賞にノミネートされたジュリア・ロバーツとヒュー・グラント共演の『ノッティングヒルの恋人』(99)で、一躍世界的脚光を浴びる。主な監督作に、『Jの悲劇』(04)、『恋とニュースのつくり方』(10)、『私が愛した大統領』(12)、『ウィークエンドはパリで』(13)、『ブラックバード 家族が家族であるうちに』(21)などがある。今後の公開作として、エリザベス2世の素顔に迫ったドキュメンタリー『Elizabeth』(22)が控えていたが、21年9月22日に65歳の若さでこの世を去る。本作が最後の長編映画作品となった。
南アフリカ生まれのイギリス人。クリフトン大学で映画制作を、ケンブリッジ大学で英文学を学び、学生時代から劇作家として活動する。1977年にケンブリッジを卒業後、ロイヤルコートシアターの助監督に就任。85年からはロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのレジデント・ディレクターを6年にわたって務めた。90年代初頭からTVドラマのエピソード脚本を手がけるようになり、TV映画「待ち焦がれて」(95)で長編監督デビュー。ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツを主演に迎えた長編第4作「ノッティングヒルの恋人」(99)がゴールデングローブ賞の最優秀作品賞を受賞し、一躍注目を集めた。以降の監督作に「Jの悲劇」(04)、「ヴィーナス」(06)、「恋とニュースのつくり方」(10)、「ウィークエンドはパリで」(13)など。19年にはデンマーク映画「サイレント・ハート」のリメイク作「ブラックバード 家族が家族であるうちに」のメガホンをとった。
脚本:リチャード・ビーン
1956年、イギリス・キングストン・アポン・ハル生まれ。パン工場で働いたのち大学で心理学を学び、心理学者やスタンダップ・コメディアンとして活躍する。2011年に手掛けた舞台「The Heretic」と「One Man, Two Guvnors」の2作品で、作家として初めてイブニング・スタンダード賞最優秀作品賞を受賞した。「One Man, Two Guvnors」はそのほかにも、2011年批評家協会賞の最優秀作品賞や2012年の最優秀新作ブロードウェイ・プレイとしてアウター・クリティクス・サークル賞を受賞するなど高い評価を得た。
脚本:クライヴ・コールマン
1961年生まれ。法廷弁護士からジャーナリストに転身、2010年から2020年までBBCニュースの法務記者を務める。ロンドン・タイムズ紙やガーディアン紙、インディペンデント紙などへ寄稿も行う一方、舞台、映画、シットコムの作家としても活躍。1998年にBBCが優れたコメディ作家を称えるため新設したフランク・ミューア賞を、トニー・ロッシュとともに初受賞。本作で共同脚本を手掛けたリチャード・ビーンと共作した、若き日のカール・マルクスを描いたコメディ「ヤング・マルクス」は2017年にロンドンの新しくなったブリッジ・シアターにて公開された。
Kino cinema 横浜みなとみらい:12:15-13:50 (95分)
https://kinocinema.jp/minatomirai/movie/movie-detail/356