YPAM2021 劇団態変「さ迷える愛・序破急」三部作-最終稽古編(態変の創り方・金滿里の仕事・その6)
YPAM2021 劇団態変「さ迷える愛・序破急」三部作
最終稽古日の様子をダイジェストでお届けします。
この日は序破急三作品の通し稽古を行うハードな稽古、最後は全員で拍手、で終わりました。
いよいよ公演間近です。どの作品も独立してお楽しみいただけますか、全部見てほしい!渾身の三部作。オンライン配信もあります(要申込・チケット購入)。 どうぞご期待ください。
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劇団態変『さ迷える愛・序破急』三部作
YPAMディレクション
【日時】
①12/17(金)19:00 『翠晶の城 -さ迷える愛・序』
②12/18(土)19:00 『箱庭弁当 -さ迷える愛・破』
③12/19(日)18:00 『心と地 -さ迷える愛・急』
【会場】
KAAT神奈川芸術劇場 ホール https://www.kaat.jp/
【チケット】
1作品 3500円
※指定席です。
告知配信番組 劇団態変 第72回公演「心と地 ー さ迷える愛・急」11月8日(月)19時30分〜
公式サイト:http://taihen.o.oo7.jp/upcoming.html?_fsi=LHPIDBwD
https://www.kaat.jp/d/ypam2021_wandering-love
YPAN
https://ypam.jp/program/detail/?id=wandering-love-3-heart-and-earth
1995年、第1回TPAMの公演プログラムは2演目。そのひとつは劇団態変でした(もうひとつはオーストラリアのバンガラ・ダンス・シアター)。四半世紀を経て、YPAMとしての第1回開催にあたり、態変の最新三部作「さ迷える愛・序破急」を一挙上演します。
1970年代の非妥協的・非和解的な障碍者解放運動に思想的ルーツを持ち、重度身体障碍者の身体のフォルムをくっきりと見せるレオタードを衣装に唯一無二のフィジカルシアターを確立した劇団態変。2016年に相模原の障碍者施設で起きた大量殺人事件の衝撃のもとに態変が取り組む三部作のテーマは、これまでずっと自らに禁じてきた「愛」です。
コロナ禍の中で三度の延期を経て、今年11月に初演される完結編『心と地』の舞台はなんと宇宙。発達し続ける資本主義と強化される管理社会の行く末を問うSF作品です。
ライブ配信も実施します。プロフェッショナル登録者はSwapcardで視聴可能。オーディエンス向け配信はZAIKOで実施します。
KAAT神奈川芸術劇場ホール:18:00開演(70分)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000818.000014302.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/aecc5aeedc33585cc10959187d635ff3cd7045d9
https://co-coco.jp/news/taihen/
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000818.000014302&g=prt
劇団態変が現代の「愛」と向き合う三部作、完結編は宇宙へ
本作品『心と地 -さ迷える愛・急』で、態変は宇宙へその舞台を移します。
高度に発達した資本主義は留まるところを知らず、人間までもその支配下におくようにせせら笑い、誰にも止められない得体のしれない驚異となっている近未来を予見します。人類の行く末は? 強化される管理社会で人の心はどう人間らしさを保つのか。
そして地球を汚すだけ汚し、奴隷労働のゴミ溜めに地球を陥れ、自分たちだけ宇宙へと新境地を拓いていくのは人間なのか、あるいは得体のしれない資本主義の実態なのか。顔のない存在が絶妙に絡み合い、態変独自な宇宙が立ち現れる。
出口の見えないコロナの時代、どこか現実とつながっている SF の世界へと足を踏み入れその問いを探り、身体で掘り下げる試みです。シリアスでどこか愛おしく、そして土着的ながら浮遊する “態変身体” でこそ描ける、これまでにない SF 作品としてお届けします。
さ迷える愛シリーズ三部作(序・破・急)について
1970年代。障碍者が社会に向かって「愛と正義を否定する」と叫ばざるを得ない事件がありました。
「愛」の名の下に障碍を持つ娘を親が殺した事に対し、社会は減刑を求めたのです。そして2016年7月26日におこされた 19 名の殺人事件もまた、障碍者は「不幸」だから死なせてあげようという決めつけではなかったでしょうか。今も、愛は、さ迷い続けたまま。敢えてこれまで「愛」をテーマにすることを避けてきた劇団態変が今こそ、愛の探訪を為さねばと「さ迷える愛」シリーズに取り組みました。
経済で図る愛の実態の『翠晶の城 ‐さまよえる愛・序』(2018年)
食を通し根源的な命に迫った『箱庭弁当 ‐さまよえる愛・破』(2019年)
そして今作、破壊の手を宇宙にまで伸ばしていく人類の性(さが)を描いた『心と地‐さまよえる愛・急』でシリーズは完結となります。
どうぞご期待ください。
■劇団プロフィール/ 劇団態変は1983年の旗揚げ以来、主宰・金滿里の「身体障碍者の障碍自体を表現力に転じ、未踏の美を創り出すことができる」という着想に基づき、身障者自身が演出し、演じる劇団として活動する。劇団自体の一貫してのテーマは、世界の人類史における優生思想の価値観を、根底から転倒させるぐらいの身障者の身体表現、である。 そうでなければ芸術の意味は無いとまでの強い自覚を持ち、人間の身体に対する違う価値の提示を行なう舞台身体表現を目指している。 ’92 年のアフリカ・ケニア公演を皮切りに、ドイツ、韓国、マレーシアなど海外公演も多数行なっている。