映画『粛清裁判』予告編
長らくソビエト連邦最高指導者の地位にあった、ヨシフ・スターリンによる見せしめ裁判に迫るドキュメンタリー。権力者たちがありもしない罪を捏造(ねつぞう)し、罪のない人々が濡れ衣を着せられて裁判にかけられていく。『イン・ザ・フォグ(英題)』が第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で国際映画批評家連盟賞、『ドンバス(原題)』が第71回同映画祭のある視点部門最優秀監督賞に輝いた、セルゲイ・ロズニツァが監督を担当する。
作品情報:https://www.cinematoday.jp/movie/T002…
配給: サニーフィルム
公式サイト:https://www.sunny-film.com/sergeilozn…
(C) Atoms & Void
劇場公開:2020年11月14日
11/14(土)3作品一挙公開!!『セルゲイ・ロズニツァ《群衆》ドキュメンタリー3選』公式予告編
『群衆』(2019)、『粛清裁判』(2018)、『アウステルリッツ』(2016)3作品一挙公開!!
11/14(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国劇場公開!!
<カンヌ国際映画祭で二冠、近作10作品すべてが世界三大映画祭に選出されている日本未公開の鬼才セルゲイ・ロズニツァ待望の日本初公開!!>
セルゲイ・ロズニツァ。1964年生まれ。ウクライナ出身。現在ベルリン在住。ソ連崩壊の年である1991年、モスクワの全ロシア映画大学に入学し、1996年からソクーロフの製作で知られる名門サンクトペテルブルク・ドキュメンタリー映画スタジオで映画監督としてキャリアをスタートさせる。これまで21作のドキュメンタリーと4作の長編劇映画を発表し、長編劇映画はすべてカンヌ国際映画祭に選出され、12年に『In the Fog』で国際映画批評家連盟賞、18年に『Donbass』で「ある視点部門」最優秀監督賞を受賞している。さらに近作10作品全てが世界三大映画祭に選出される偉業を成し遂げ、この度、満を持して日本初公開となる。『セルゲイ・ロズニツァ「群衆」ドキュメンタリー3選』は、ロズニツァの最新作を含む近年の作品群に焦点を当てたドキュメンタリー・セレクションである。3作品を通じて異なる時代の群衆を目撃し、時代を突き動かしているのが「群衆」であり、その時代を象徴するのが私たち一人一人の顔であることに気がつかせてくれる。
<作品紹介>
I 国葬 (2019/カラー、モノクロ/ロシア語/135分)
1953年3月5日。スターリンの死がソビエト全土に報じられた。発見されたフィルムにはソ連全土で行われたスターリンの国葬が記録されていた。67年の時を経て蘇る人類史上最大級の国葬の記録は、独裁者スターリンが生涯をかけて実現した社会主義国家の真の姿を明らかにする。
II 粛清裁判(2018/モノクロ/ロシア語/123分)
1930年、モスクワ。8名の有識者が西側諸国と結託しクーデターを企てた疑いで裁判にかけられる。発掘された90年前のフィルムには無実の罪を着せられた被告人たちと、それを裁く権力側が記録されていた。捏造された罪と真実の罰。独裁者スターリンによる大粛清の始まり。
III アウステルリッツ(2016/モノクロ/ドイツ語、他/94分)
ある夏のベルリン郊外。群衆が門に吸い寄せられていく。辺り構わずスマートフォンで記念撮影をする人々。ここは第二次世界大戦中にホロコーストで多くのユダヤ人が虐殺された元強制収容所だ———ドイツ人小説家・W.G.ゼーバルトの著書と同じ名を冠する、ダーク・ツーリズムのオブザベーショナル映画。
国際的に高く評価されるウクライナ出身の鬼才セルゲイ・ロズニツァ監督が、スターリンによって行われた約90年前の裁判の記録映像を基に製作したドキュメンタリー。1930年モスクワで、8人の有識者が西側諸国と結託してクーデターを企てた疑いで裁判にかけられた。これはスターリンによる見せしめ裁判で、撮影された法廷の様子はソビエト最初期の発声映画「13日(「産業党」事件)」となった。発掘されたアーカイブフィルムには、無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な姿が記録されていた。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像を加えて再構成し、権力がいかにして人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるかを描き出す。
2018年製作/123分/オランダ・ロシア合作
原題:The Trial
配給:サニーフィルム
公式サイト:https://www.sunny-film.com/sergeiloznitsa-films
日本語字幕 守屋 愛
1930年、モスクワ。8名の有識者が西側諸国と結託しクーデターを企てた疑いで裁判にかけられる。この、いわゆる「産業党裁判」はスターリンによる見せしめ裁判で、90年前に撮影された法廷はソヴィエト最初期の発声映画『13日(「産業党」事件)』となった。だが、これはドキュメンタリーではなく架空の物語である——— 発掘されたアーカイヴ・フィルムには無実の罪を着せられた被告人たちと、彼らを裁く権力側の大胆不敵な共演が記録されていた。捏造された罪と真実の罰。スターリンの台頭に熱狂する群衆の映像が加えられ再構成されたアーカイヴ映画は、権力がいかに人を欺き、群衆を扇動し、独裁政権を誕生させるか描き出す。
イントロダクション
カンヌ国際映画祭で二冠、近作10作品すべてが世界三大映画祭に選出されている日本未公開の鬼才セルゲイ・ロズニツァ。
1997年、パラジャーノフやタルコフスキーなどロシア映画界の巨匠を輩出した全ロシア映画大学を卒業後、新たな才能として、ソクーロフの製作で知られる名門サンクトペテルブルク・ドキュメンタリー映画スタジオで映画監督としてキャリアをスタートさせる。
1990年代後半から2000年代後半、ロズニツァはロシア郊外の人々の暮らしや、季節の移り変わりなど、何気ない日常を35mmフィルムで撮影したモノクロの短編作品群を発表してきた。ソ連崩壊後、ロズニツァの映画製作は、転換期にあるロシアの古き良き風土を記録することに重きが置かれていた。これらの作品でロズニツァは度々人の「顔」をロシアの心象風景のように撮影してきた。
2010年以降、ロズニツァは二通りの手法でドキュメンタリーを製作してきた。一つは発掘された過去の記録映像を使用するアーカイヴァル映画(ファウンド・フッテージ)である。アーカイヴ・フィルムを断片的に使用するのではなく、時系列に沿いながら、全編を通じて最初から最後まで各リールを長尺のカットで繋ぎ、歴史をそのまま現代に蘇らせる作風は他に類を見ない。そしてもう一つの手法は、各時代の戦争やその表象を考察するオブザベーショナル映画である。これらの作品でロズニツァは度々「群衆」を象徴的に登場させてきた。
『セルゲイ・ロズニツァ“群衆”ドキュメンタリー3選』はロズニツァの近年の作品群に焦点を当てたドキュメンタリー・セレクションである。様々な時代の群衆と人々の顔を見ることで、時代を突き動かしているのが「群衆」であり、その時代の象徴が私たち一人一人の「顔」であることに気がつかせてくれる。過去と現在に同時代性を感じた時、私たちは、“現代(いま)”、どのような顔をしているのか———
監督紹介
セルゲイ・ロズニツァ 映画監督
ベルリン在住。1964年ベラルーシで生まれ、ウクライナの首都キエフで育つ。科学者としてウクライナの国立機関でAIの研究をしていたが、1991年、ソ連崩壊後、モスクワの全ロシア映画大学に入学する。1996年よりソクーロフの製作で有名なサンクトペテルブルク・ドキュメンタリー映画スタジオで映画製作を始め、これまで21作のドキュメンタリーと4作の長編劇映画を発表してきた。長編劇映画では『In The Fog』(2012)が第65回カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞し、『Donbass』(2018)が第71回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」最優秀監督賞に輝く。2010年以降製作した10作品全てが世界三大映画祭に選出される快挙を成し遂げる。
<フィルモグラフィー 近作10作品> F・Fiction / D・Documentary/ ★セレクション
『My Joy』(2010・F) 第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門
『In the Fog』(2012・F) 第65回カンヌ国際映画祭コンペティション部門
※国際映画批評家連盟賞
『Maidan』(2014・D) 第67回カンヌ国際映画祭 特別上映
『The Event』(2015・D) 第72回ベネチア国際映画祭 正式出品
★『アウステルリッツ』(2016・D) 第73回ベネチア国際映画祭 正式出品
『A Gentle Creature』(2017・F) 第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門
『Victory Day』(2018・D) 第70回ベルリン国際映画祭フォーラム部門
『Donbass』(2018・F) 第71回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」オープニング作品
※最優秀監督賞
※第91回アカデミー賞外国語映画賞ウクライナ代表
★『粛清裁判』(2018・D) 第75回ベネチア国際映画祭 正式出品
★『国葬』(2019・D) 第76回ベネチア国際映画祭 正式出品
https://eiga.com/news/20201113/10/
スターリンの国葬、粛清裁判、ホロコースト観光を捉えた鬼才、セルゲイ・ロズニツァが自作を解説
https://eiga.com/news/20200903/19/
タルコフスキー、ソクーロフに続く鬼才、セルゲイ・ロズニツァ監督作が日本初公開
イメージ・フォーラム:13:00-15:15 (123分)
https://ja.wikipedia.org/wiki/モスクワ裁判
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020120700001.html
『粛清裁判』『国葬』『アウステルリッツ』~「群衆3部作」が問う現代の民主主義