マルモイ ことばあつめ 劇場用予告編
映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』の脚本家であるオム・ユナの長編映画監督デビュー作であり、脚本もオムが担当.
1940年代の日本統治下の朝鮮半島で言語が朝鮮語から日本語に変わり、名前も日本式となっていく中、母国語を遺したい思いで全国の言葉・方言を集めた「マルモイ(ことばあつめ)作戦」の史実をベースに描いたドラマ。親日派の父親を持つ裕福な家で育ったジョンファンは、失われていく朝鮮語を守るために朝鮮語の辞書を作ろうと各地の方言などあらゆる言葉を集めていた。盗みなどで生計をたてていたパンスは、ジョンファンのバッグを盗んだことをきっかけに、ジョンファンとかかわるようになる。学校に通ったことがなく、朝鮮語の読み書きすら知らなかったバンスはジョンファンの辞書作りを通して、自分の話す母国の言葉の大切さに気づいていく。「タクシー運転手 約束は海を越えて」の脚本家オム・ユナが初監督と脚本を担当。バンス役を「ベテラン」「王の男」のユ・ヘジン、ジョンファン役を「犯罪都市」「ゴールデンスランバー」のユン・ゲサンが演じる。
2019年製作/135分/G/韓国
原題:Malmoe: The Secret Mission
配給:インターフィルム
公式サイト:https://marumoe.com
INTRODUCTION
早くも絶賛多数!!
消えてしまうかもしれない、そんな大切な母国語を守りたい、遺したい・・・
辞書作りのために、懸命に生きた人々の感動の物語。
脚本家のオム・ユナが初監督、自身が脚本した前作『タクシー運転手 約束は海を越えて』と同様、多くのごく普通の人々が、
歴史を作り上げるさまを見事に描き上げ、絶賛の嵐!
民族の言葉が消えゆく1940年代、言葉を守ることによって国を守ろうとした人たちがいた。
辞書作りの為、全国の言葉・方言を集める“マルモイ(ことばあつめ)作戦”が初の映画化!
STORY
1940年代・京城(日本統治時代の韓国・ソウルの呼称)―
盗みなどで生計をたてていたお調子者のパンス(ユ・へジン)は、ある日、息子の授業料を払うためにジョンファン(ユン・ゲサン)のバッグを盗む。
ジョンファンは親日派の父親を持つ裕福な家庭の息子でしたが、彼は父に秘密で、失われていく朝鮮語(韓国語)を守るために朝鮮語の辞書を作ろうと各地の方言などあらゆることばを集めていました。
日本統治下の朝鮮半島では、自分たちの言語から日本語を話すことへ、名前すらも日本式となっていく時代だったのです。
その一方で、パンスはそもそも学校に通ったことがなく、母国語である朝鮮語の読み方や書き方すら知らない。
パンスは盗んだバッグをめぐってジョンファンと出会い、そしてジョンファンの辞書作りを通して、自分の話す母国の言葉の大切さを知り・・・・。
PRODUCTION NOTE
オム・ユナ監督 – 演出の意図
日本統治時代の中で監視と弾圧が最も激しかった13年間。私たちの言葉と文字を守るという志だけで「朝鮮語学会」が完成させた私たちの言葉の辞典、その原稿には、全国各地から言葉を送ってくれた数多くの名もなき人々の協力があった。
朝鮮の言葉と文字が禁止された時、不可能だと思われた朝鮮語辞典を完成させるために、できる限りのやり方で、作業に参加した多くの人々の心情を思い描きながら感じた感動をそのまま映画に込めたかった。映画『マルモイ ことばあつめ』を通じて、現実という壁にぶつかって夢見ることさえ贅沢になった今の世の中に、共に夢をかなえていく人々のぬくもりが伝わり、厳しい世の中を辛うじて一人で耐えている人たちへの小さな慰めになればうれしい。
見回してみれば、共に歩んでくれる人が隣にいるんだと。
CAST
ユ・ヘジン(キム・パンス役)
유해진
“カネなら分かるが言葉を集めてどうする?”
刑務所の常連、読み書きもできぬまま
朝鮮語学会の雑用係になったキム・パンス
名門中学校に通うドクジンと幼いスンヒを育てる男やもめ。読み書きのできない非識字者だが、口を開くと立て板に水。人一倍の見栄っ張りだ。勤め先の劇場をクビになった後、息子の学費を工面しようと朝鮮語学会代表ジョンファンのカバンを盗むも失敗に終わり、刑務所で同房だった朝鮮語学会のチョ先生の紹介で、プライドを捨て朝鮮語学会で雑用係として働くことになる。事あるごとに怒ってばかりのジョンファンが気に入らないだけでなく、カネにならない“言葉”を命をかけてまでなぜ集めるのか不思議だったが、40を過ぎて初めて文字を学び、会員たちの真心に触れたパンスは、、、
ユ・ヘジン、非識字者の“パンス”として 1940年代 の朝鮮人をリアルに描き出す!
彼でなければ誰ができただろう?辞典を作るのに非識字者が主人公という斬新な設定は、すべてのシーンにユーモアを吹き込みながらも深い感動の余韻を残すユ・ヘジン独自の魅力と演技力があったからこそ実現可能であった。生きてゆくのにやっとだった臨機応変の達人であったパンスが、読み書きに目覚め、嫌っていたジョンファンと同志になる。この心境の変化と成長の過程に、観客が自然に感情移入できたのはユ・ヘジンの演技力によるもの。
『LUCK-KEY/ラッキー』以来、『タクシー運転手 約束は海を越えて』、『コンフィデンシャル/共助』『1987、ある闘いの真実』『完璧な他人』まで。1度もキャラクターが被ることなく、観客が愛する“ユ・ヘジンらしさ”も失わない、そして共感できる笑いと感動で観客の心を動かす素晴らしい俳優である。
filmography
2018『完璧な他人』
2017『1987、ある闘いの真実』
2017『タクシー運転手 約束は海を越えて』
2017『コンフィデンシャル/共助』
2016『LUCK-KEY ラッキー』
2015『ベテラン』
2015『国選弁護人 ユン・ジンウォン』
2015『極秘捜査』
2014『パイレーツ』
2014『情愛中毒』
2010『黒く濁る村』
2005『王の男』 など
ユン・ゲサン(リュ・ジョンファン役)
윤계상
言葉を集めて国を守ろうとする朝鮮語学会の代表、リュ・ジョンファン
親日派の父を持ち留学経験のあるジョンファン。父の言動を恥じている。民族の精神である言葉を守ることが国を守る道であると信じ、周時経氏の遺した原稿を基礎とした辞典作りをすすめる。ハングルで書かれた書籍を売る書房を運営し、秘密裏に全国の朝鮮語を集める“マルモイ(ことばあつめ)”をする。
前科があり、さらには非識字者のパンスが気に入らなかったが、一所懸命、自分のできることで “マルモイ(ことばあつめ)”に参加するパンスを通じ、初めて“1人の10歩より、10人の1歩のほうが大きい”という“マルモイ(ことばあつめ)”の真の意味を悟ることになる。
ユン・ゲサン、朝鮮語学会代表“ジョンファン”として知識人を描く。
これまでを振り返ってみると、ユン・ゲサンは一度も簡単な役を演じたことがない。『犯罪都市』で演じた、ひどく残忍で怖いもの知らずのチャン・チェンは朝鮮族であり犯罪組織のボス。『バッカス・レディ』では、貧しい障害者でありながら誰よりも豊かな心を持つ青年を演じ、『国選弁護人 ユン・ジンウォン』では龍山事件の裁判に身を投じた国選弁護士を演じた。
そんなユン・ゲサンでも映画『マルモイ ことばあつめ』のジョンファン役は一つの挑戦だった。日本統治下で朝鮮語辞典を作るという大きな目標を持ち、父にそして日本に対抗する一方、非識字者のパンスとの出会いを通じて“マルモイ(ことばあつめ)”が“私”という個人でなく、“私たち”が手を取り合うことだと悟り、人として、独立運動家として成長してゆく。ジョンファンの姿は俳優として色濃い魅力を身にまといつつあるユン・ゲサンの内面と共鳴し、映画『マルモイ ことばあつめ』を感動的な作品に導いている。
filmography
2019『英雄都市』
2018『ゴールデンスランバー』
2017『犯罪都市』
2016『バッカス・レディ』
2015『国選弁護人 ユン・ジンウォン』
2014『レッドカーペット』
2011『プンサンケ(豊山犬)』
2008『ビースティ・ボーイズ』
2008『6年目も恋愛中』
2004『僕らのバレエ教室』 など
https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2020/56603
https://ja.wikipedia.org/wiki/マルモイ_ことばあつめ
シネマート新宿:15:30-17:50 (135分)