予告編
7月10日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
「一生に一度の傑作!」―Variety
トロント国際映画祭史上 最大の歓声!
ハリウッド・レポーター誌ほか有力誌が
こぞって年間トップ10映画に選出!
躍動するサウンド、カラー、ストーリー
映画の無限の可能性を感じる135分
ただ、息もできない
フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、レディオヘッド
超豪華アーティストによる今の時代を映す名曲の数々。
ミュージカルを超えた<プレイリスト・ムービー>の誕生!
「イット・カムズ・アット・ナイト」のトレイ・エドワード・シュルツが監督・脚本を手がけた青春ドラマ。ある夜を境に幸せな日常を失った兄妹の姿を通し、青春の挫折、恋愛、親子問題、家族の絆といった普遍的なテーマを描く。フロリダで暮らす高校生タイラーは、成績優秀でレスリング部のスター選手、さらに美しい恋人もいる。厳格な父との間に距離を感じながらも、何不自由のない毎日を送っていた。しかし肩の負傷により大切な試合への出場を禁じられ、そこへ追い打ちをかけるように恋人の妊娠が判明。人生の歯車が狂い始めた彼は自分を見失い、やがて決定的な悲劇が起こる。1年後、心を閉ざした妹エミリーの前に、すべての事情を知りながらも彼女に好意を寄せるルークが現れる。主人公タイラーを「イット・カムズ・アット・ナイト」のケルビン・ハリソン・Jr.、ルークを「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のルーカス・ヘッジズがそれぞれ演じる。
2019年製作/135分/PG12/アメリカ
原題:Waves
配給:ファントム・フィルム
公式HP :http://phantom-film.com/waves-movie/
公式Twitter :https://twitter.com/WAVES_jp
7月10日(金)より TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
「一生に一度の傑作!」―Variety
トロント国際映画祭史上 最大の歓声!
ハリウッド・レポーター誌ほか有力誌が
こぞって年間トップ10映画に選出!
躍動するサウンド、カラー、ストーリー
映画の無限の可能性を感じる135分
ただ、息もできない
フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、レディオヘッド
超豪華アーティストによる今の時代を映す名曲の数々。
ミュージカルを超えた<プレイリスト・ムービー>の誕生!
公式サイト:https://www.phantom-film.com/waves-movie/
https://ja.wikipedia.org/wiki/WAVES/ウェイブス
イントロダクション
世界中の映画ファンが注目する新進気鋭のスタジオA24が放つ最新作
『ムーンライト』(16)、『レディ・バード』(17)、『ヘレディタリー/継承』(18)など、次々と話題作を発表してハリウッドに新風を吹き込む映画制作会社、A24。その作品はどれも個性的で、同時にアカデミー賞にノミネートされるほどのポテンシャルを持つ精鋭揃い。青春映画、ホームドラマ、ホラー……どんなジャンルの作品も、斬新な切り口でフレッシュな物語にアップデートしてきた。今やアメリカ映画界の最前線に立つ存在になったA24が、2020年代の幕開けに用意したのが『WAVES/ウェイブス』だ。
全編に流れる全ての曲が、感情に寄り添い、歌詞が心の声を伝える。
フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、レディオヘッドetc
ストーリー
傷ついた今日も、癒えない痛みも、
愛の波が洗い流すー
高校生タイラーは、成績優秀なレスリング部のエリート選手、美しい恋人アレクシスもいる。厳格な父親ロナルドとの間に距離を感じながらも、恵まれた家庭に育ち、何不自由のない生活を送っていた。そんなある日、不運にも肩の負傷が発覚し、医師から選手生命の危機を告げられる。そして追い打ちをかけるかのように、恋人の妊娠が判明。
徐々に狂い始めた人生の歯車に翻弄され、自分を見失っていく。そしてある夜、タイラーと家族の運命を変える決定的な悲劇が起こる。
一年後、心を閉ざして過ごす妹エミリーの前に、すべての事情を知りつつ好意を寄せるルークが現れる。ルークの不器用な優しさに触れ、次第に心を開くエミリー。やがて二人は恋に落ちるが、ルークも同じように心に大きな傷を抱えていた。そして二人はお互いの未来のためにある行動に出る・・・。
|監督・脚本|
トレイ・エドワード・シュルツ
Trey Edward Shults
1988年、アメリカ・テキサス州生まれ。子供の頃から映画製作を始め、ビジネス・スクールに在籍後に映画界に飛びこむ。撮影アシスタントとしてテレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』(11)、『ボヤージュ・オブ・タイム』(16)、『Song to Song』(17・未)に撮影アシスタントとして参加している。映画監督としては短編『Mother and Son』(10・未)、『Two to One』(11・未)を製作。そしていとこのアルコール依存症が感謝祭での家族の再会でぶり返すという実話を基にした物語『Krisha』(14)がサウス・バイ・サウスウエスト映画祭で審査特別賞を受賞。翌年に本作を長編として完成させ、カンヌ映画祭批評家週間を含む多くの映画祭での上映を経て2016年にA24より公開された。同作でインディペンデント・スピリット賞のジョン・カサヴェテス賞、ゴッサム賞のビンガム・レイ新人監督賞、LA批評家協会賞のニュー・ジェネレーション賞、ニューヨーク批評家評価協会賞の最優秀初監督映画賞などを受賞。2作目は同じくA24製作の『イット・カムズ・アット・ナイト』(17)。一家を脅かす戸口の外の邪悪でミステリアスなものから何があっても妻と息子を守ろうとする父親の物語をホラー映画の要素を織り交ぜて描いた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/トレイ・エドワード・シュルツ
プロダクションノート
2つのパートで描かれた兄と妹の物語
監督で脚本家のトレイ・エドワード・シュルツは10年近く『WAVES/ウェイブス』の企画を温めてきた。ウィリアムズ家の兄と妹を描いたこの物語は、2つのパートに別れている。前半の物語で兄のタイラーは負のスパイラルに陥り、後半の物語は妹のエミリーの恋愛と再生が中心になって映画の雰囲気は変化する。明確なヴィジョンを持ったこの大胆な構成について、シュルツはこう説明する。
「ウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』を観て、2つのパートに分けようと閃いたんだ。前半ではタイラー、後半ではエミリーにフォーカスしてそれぞれのカップルを描き、二人の両親が2つの物語を結びつけている」
ウィリアムズ家は上流の暮らしを得るために勤勉に働き、家長のロナルドは子供たちをまっとうに育ててきた。しかし、多くのアメリカの家族と同じようにウィリアムズ家も秘密と苦悩を抱えていた。
「タイラーは将来を嘱望されているレスリングのスター選手で、恋人のアレクシスに夢中だ。しかし、アイデンティティを形成する大切な時期に、勉強もスポーツもすべての分野で精一杯頑張るように父親からプレッシャーを与えられて、自分の恐怖や弱さを誰にさらけ出せばいいのかわからない。そして、悲劇的な展開を迎えるんだ」(シュルツ)
シュルツは脚本の初稿を書き上げると、すぐに前作『イット・カムズ・アット・ナイト』に出演したケルヴィン・ハリソン・Jrに送って出演をオファー。ケルヴィンは複雑で難しいタイラーに魅了されて、シュルツと役作りについて綿密に話し合った。ケルヴィンはタイラーについて、こんな風に説明する。
「トレイの映画はリアルであることにこだわっている。だから今回は、役作りのために自分が感じているプレッシャーや不安に向き合わないといけなかった。タイラーは怪物じゃない。人は過ちを犯しても受け入れられるべきだし、簡単に非難すべきじゃないんだ。俺は〈タイラーを守らないといけない〉っていう気持ちになった」
一方、エミリー役のテイラー・ラッセルはオーディションによって選ばれた。シュルツはテイラーに「内なるパワーやカリスマ性のようなものを感じた」という。主にテレビで活動してきた彼女にとって、エミリーは重要な役だった。
「脚本を読んで、すぐに私はエミリーに強い絆を感じました。彼女の声は私の中にもある。彼女と自分には重なる部分がすごくありました。だからプレッシャーを感じずにキャラクターを研究して、どう表現したいか考えることができたんです」(テイラー・ラッセル)
登場人物の感情と一体化する音楽
音楽を愛するシュルツは、当初から『WAVES/ウェイブス』を『ブギーナイツ』や『グッドフェローズ』のように、音楽が重要な意味を持つ物語だと考えていた。ケンドリック・ラマー、フランク・オーシャン、レディオヘッド、アニマル・コレクティヴなど、様々なミュージシャンの曲がサントラに使われている。とくに5曲も使用されたフランク・オーシャンは、シュルツのお気に入りのアーティストだ。
「脚本を書く前から、プレイリストを作ったり、脚本に曲の歌詞を書き込んだりした。というのも、歌詞が物語が進む方向やキャラクターの感情を説明してくれるからね。フランク・オーシャンは大好きなアーティストで、『イット・カムズ・アット・ナイト』の制作中にリリースされた「Blonde」は史上最高の一枚。アルバムをノンストップで聴きながら映画を作っていたんだ」(シュルツ)
フランク・オーシャンからの影響は、劇中で反抗心を抱いたタイラーが、オーシャンと同じように髪を白く染めることからも見て取れる。そして、シュルツから完成した脚本を受け取ったキャストは、この映画が型破りな作品だということに気付かされた。脚本にはサントラに使われた曲のリンクが記されていて、その音楽を聴けばキャラクターがどんなことを体験しているかがわかるようになっていたのだ。
さらに、オリジナル・スコアをアカデミー賞受賞コンビ、トレント・レズナーとアッティカス・ロスが担当。シュルツは10代の頃、レズナーのユニット、ナイン・インチ・ネイルズのファンだったことからオリジナル・スコアを依頼。レズナーは『イット・カムズ・アット・ナイト』を観てシュルツのことをすでに知っていて、シュルツは一緒に仕事をしたい監督のリストに入っていたという。レズナーとロスは、映画に登場する様々な効果音や役者の音声をサンプリングした素材をもとに独創的なサウンドを制作。あえてメロディーを強調しない音楽が、登場人物の感情の動きを巧みに浮かび上がらせている。
様々な手法を駆使した映像表現
これまでも、シュルツはカメラワークやアスペクト比、レンズのサイズを駆使して、キャラクターの感情を伝えようとしてきた。今回も何度もタッグを組んでいるカメラマン、ドリュー・ダニエルズと協力して撮影に挑んだ。現代の若者の落ち着かない心理状態に沿って物語が語られていくように感じられるのは、ダニエルズの自由奔放なカメラワークのおかげだ。
「大切なのはキャラクターの頭の中に入ることだ。物語の冒頭、タイラーはどんな人生でも歩めるように感じている。彼は自由で恋をしていて開放的な気分なんだ。だから画面のアスペクト比は1:85という広さになっている。でも、状況が悪くなるとアスペクト比は狭くなる。人生の浮き沈みを表す、というモチーフを保ちながら、タイラーの心理状態の変化に伴ってカメラワークやアスペクト比は変わっていくんだ」(シュルツ)
その言葉どおり、エミリーの物語ではアスペクト比は1:33で始まり、彼女がルークと出会って恋愛関係になるとアスペクト比は広がっていく。
悲しみを乗り越えた先に
『WAVES/ウェイブス』は無数の愛の形を通じて、愛がどのように人々を引き離し、そして引き寄せるか探求する。そして、破滅寸前まで追いやられた家族が、愛や絆を通して復活する様子を力強く描き出していく。
「愛は破壊的にもなるし癒しにもなる。愛は人生を前向きにしてくれるけど、愛も人生もそんなにシンプルじゃない。この映画は、恋人や家族に対する愛情の起伏や、何かに情熱を持つことの意味。そして、すべてが崩壊した時に何が起こるかを描いているんだ」(シュルツ)
シュルツは映像と音楽の見事なコラボレーションを通じて、愛と喪失がどれほど深く人生に影響を与えるか明らかにしていく。そして、心の傷を負った兄と妹は、生きる意味を見出そうとそれぞれの道を歩む。
「彼らは苦しみを乗り越えるだろう。それがこの物語の核心であり、伝えたかったことだ。大人になるに従って、人生は最悪の状態で終わるわけではないことに気づいた。人生は続く。そして、自分や自分が愛する人はともに成長して、お互いを癒すことができるんだ」(シュルツ)
超豪華アーティストによる今の時代を映す名曲の数々。
ミュージカルを超えた<プレイリスト・ムービー>の誕生。
本作の主役とも呼べるのは、今の音楽シーンをリードする豪華アーティスト達が手掛ける31の名曲。トレイ・エドワード・シュルツ監督が事前に本編に使用する楽曲のプレイリストを作成し、そこから脚本を着想し製作された。監督自身が“ある意味でミュージカルのような作品”と語るように、全ての曲が登場人物の個性や感情に寄り添うように使用され、時には音楽がセリフの代わりに登場人物の心の声を伝える。
従来のミュージカルとは一味違う<プレイリスト・ムービー>と呼べるだろう。加えて、オリジナル・スコアをナイン・インチ・ネイルズのリーダーとしてグラミー賞を受賞、映画『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞作曲賞を受賞したトレント・レズナーが手掛けていることも要注目だ。
みなとみらい映画:13:10-15:30 (135分)