9/4(金)公開『行き止まりの世界に生まれて』予告篇解禁!
★第91回アカデミー賞&第71回エミー賞 Wノミネート!!
★第34回サンダンス映画祭をはじめ59の賞を総なめ!!
★ロッテントマト100%FRESH!!
★オバマ前大統領が「年間ベストムービー」に選出!!
アメリカ、ラストベルト(錆びついた工業地帯)
傷だらけのぼくらが見つけた明日―
「全米で最も惨めな町」イリノイ州ロックフォードに暮らすキアー、ザック、ビンの3人は貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとっての唯一の居場所で、もう一つの家族だった。そんな彼らも大人になるにつれ、さまざまな現実に直面し段々と道を違えていく。カメラは、明るく見える彼らの暗い過去、葛藤を抱える彼らの思わぬ一面を露わにしていく――。
何度も心が張り裂けそうになる。それでも、彼らの笑顔に未来は変えられると願わずにいられない。痛みと希望を伴ったエモーショナルな傑作ドキュメンタリーが誕生した。
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行き止まりの世界に生まれて
原題 Minding the Gap
監督・製作・撮影・編集 ビン・リュー
出演 キアー・ジョンソン ザック・マリガン ビン・リュー ほか
エグゼクティブ・プロデューサー スティーヴ・ジェイムス(『フープドリームス』)ほか
93分/アメリカ/2018年
閉塞感に満ちた小さな町で必死にもがく若者3人の12年間を描き、第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品。かつて栄えていた産業が衰退し、アメリカの繁栄から取り残された「ラストベルト(錆びついた工業地帯)」に位置するイリノイ州ロックフォード。キアー、ザック、ビンの3人は、それぞれ貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードに熱中していく。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所であり、もうひとつの家族だった。そんな彼らも成長するにつれ様々な現実に直面し、少しずつ道を違えていく。低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。幼い頃からスケートビデオを撮りためてきたビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を浮かび上がらせていく。そんな彼らの姿を通して、親子、男女、貧困、人種といった様々な分断を見つめ、アメリカの知られざる現実を映し出す。
2018年製作/93分/G/アメリカ
原題:Minding the Gap
配給:ビターズ・エンド
公式サイト:http://www.bitters.co.jp/ikidomari/
https://ja.wikipedia.org/wiki/行き止まりの世界に生まれて
https://www.mindingthegapfilm.com
小さな町で必死にもがく若者3人の12年を描くエモーショナルな傑作ドキュメンタリー!
「アメリカで最も惨めな町」イリノイ州ロックフォードに暮らすキアー、ザック、ビンの3人は、幼い頃から、貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとって唯一の居場所、もう一つの家族だった。いつも一緒だった彼らも、大人になるにつれ、少しずつ道を違えていく。ようやく見つけた低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画監督になったビン。ビンのカメラは、明るく見える3人の悲惨な過去や葛藤、思わぬ一面を露わにしていくー。希望が見えない環境、大人になる痛み、根深い親子の溝…ビンが撮りためたスケートビデオと共に描かれる12年間の軌跡に、何度も心が張り裂けそうになる。それでも、彼らの笑顔に未来は変えられると、応援せずにはいられない。痛みと希望を伴った傑作が誕生した。
“トランプのアメリカ”の知られざる現実がここにある。
ロックフォードは、ラストベルト―鉄鋼や石炭、自動車などの産業が衰退し、アメリカの繁栄から完全に見放された<錆びついた工業地帯>にある。2016年の大統領選で、“夢を失った”ラストベルトの人々による投票がトランプ大統領誕生に大きな影響を与えた。映画完成時20代であったビン・リュー監督は、閉塞感のある環境で生きる若者たちの姿を通して、親子、男女、貧困、人種…さまざまな分断を見つめる。趣味のスケートビデオから始まったこの映画は、若者たちのパーソナルな物語でありながら、今の世界を映しだす奥行きをみせ、「21世紀アメリカの豊かな考察」(ニューヨーク・タイムズ)、「ドキュメンタリーの新時代」(WIRED)と評された。アカデミー賞、エミー賞Wノミネート、サンダンス映画祭をはじめ59の賞を総なめ、ロッテントマト100%と、全米の批評家・観客、そしてオバマ前大統領もが絶賛!2020年11月の大統領選でも改めて注目を浴びるであろうラストベルト。本作の主人公たちの等身大の物語を通して、未来のアメリカが見えてくる。
本作の舞台について
ラストベルト the Rust Belt
その名の通り、「さび付いた帯状の地帯」。正確な境界線はないが、ペンシルバニア州周辺からオハイオ州、ミシガン州、インディアナ州、ウィスコンシン州、そして、イリノイ州あたりまでの東部から中西部にかけての五大湖周辺の場所を指す。アメリカのかつての製造業や重工業の中心地で、1970年代ごろまでは「工場ベルト」「鉄鋼ベルト」「産業ベルト」と肯定的な名前がついていた。「五大湖メガロポリス」などという言葉すらあった繁栄の象徴で、かつてはここにアメリカンドリームがあった。しかしその後、グローバル化によって国内の製造業が中国やメキシコなどの国に出ていく中で産業は衰退し、土地は豊さを失った。職も夢も失ったラストベルトの人々の投票が鍵を握り、2016年の大統領選でトランプ大統領が勝利を収めた。ラストベルトの動向は、2020年11月の大統領戦でも注目を集めている。
DIRECTOR
ビン・リュー Bing Lie
1989年生まれ。
ビン・リューは、8歳になるまでに、中国、アラバマ、カリフォルニア、イリノイ州ロックフォードと母親と共に移動した。10代からスケートビデオを作り、撮影、編集スキルを磨いた。
19歳のとき、シカゴへと引っ越し、フリーランスのグリップ(撮影助手)として働きながら、イリノイ大学文学部で文学士号を取得、極めて優秀な成績で卒業。23歳で、国際映画撮影監督組合(International Cinematographers Guild)に入り、スパイク・リー、ウォシャウスキー姉妹の作品に携わるなど、劇映画やテレビシリーズの撮影部で働く。
2018年に、『行き止まりの世界に生まれて』で監督デビュー。サンダンス映画祭ブレイクスルーフィルムメイキング賞を皮切りに国内外で59の賞を受賞し、アカデミー賞、エミー賞のドキュメンタリー部門でWノミネートの快挙を成し遂げる。米ヴァラエティ誌の「注目すべきドキュメンタリー監督10人」選出。アメリカの教育制度における人種間の不平等を検証した、スティーヴ・ジェイムス製作ミニシリーズ「America to Me」の3話を監督している。
DIRECTOR’S MESSAGE
『行き止まりの世界に生まれて』はスケートビデオとして始まり、スケートボーダーの友人たちが、自分の親との関係について語る中で、パーソナルな真実を探究していく映画へとなっていきました。
僕が8歳のとき、シングルマザーだった母がロックフォードに仕事を見つけ、引っ越しました。そこで母は、身体的にも精神的にも暴力をふるう男と再婚し、17年間一緒にいました。継父はすぐにかっとなり、気まぐれに暴力をふるったので、僕は世界を因果関係に欠けるものとして認識していました。13歳で、家から逃れるようにスケートボードを始めました。たくさんのアザ、骨折、苦労してできるようになった技の数々を経て、僕は自分の痛みに対してのコントロール感覚を取り戻し、物事を理解していきました。何よりも大切なのは、家にいるよりも、アウトサイダーの集団の中にいる方が何倍も幸せだと気づいたことです。僕たちは数えられないほどの時間を共にして、自分たちの家族を作り、スケートビデオを通して自分たちの現実を作っていきました。
20代にかけて、僕はシカゴへ引越し、教師になるべく勉強をはじめました。卒業後、僕は撮影監督組合の撮影部で働き、その傍らショートドキュメンタリーを作っていました。当時は、自分の暗い過去から逃げ切って、もう振り返る必要なんてないと感じていました。でも、無視できませんでした。多くの仲間たちが薬物の犠牲になり、刑務所行きになり、中にはそれよりもひどい場合もあることを。「Look At Me」というスケートドキュメンタリーを制作中、僕は、メンタルヘルスや人間関係、子育てのスタイルに何かしら悪影響を与えている、父親の不在や確執、父親からの暴力のパターンに気がつきました。それを次のプロジェクトのテーマにしようと決めました。セントルイスからフェニックス、ポートランド、その他たくさんの場所でスケートボーダーたちを撮影する中で、1人のインタビューが突出していました。僕の故郷ロックフォード出身の16歳のアフリカ系アメリカ人の少年、キアー。彼は今まで父親との関係について話したことがなく、初めてのインタビューのときはセーターの袖をいじっていました。彼が父親の暴力について話してくれたとき、僕は胸を締め付けられました。 その後4年にわたり、キアーと、カリスマ性のある人物で、父親になろうとしている23歳のザックを追いました。『ガンモ』、『ウェイキング・ライフ』、『KIDS/キッズ』、『スラッカー』といった、不確実な世界で育つことを描きながら、どこか希望があって、僕の混沌とした子ども時代を意味のあるものにしてくれた物語の数々からインスピレーションを得ました。
明確になったことは、暴力と、暴力によってクモの巣のように広がる影響は、大部分で永続されてしまうということです。これらの問題は文字通りにも比喩的にも、扉の向こうに留まってしまうから。僕の願いは、『行き止まりの世界に生まれて』の中で扉を開いてくれた登場人物たちによって、同じようなことで苦労している若い人々が勇気をもらい、彼らがその状況を切り抜けられること、生きて、自分たちの物語を伝えられること、そして自分たちの力で人生を作っていけるようになることです。
閉塞感に満ちた町でもがく若者、米国の分断を映したドキュメンタリー「行き止まりの世界に生まれて」監督に聞く
https://eiga.com/news/20200904/13/
ヒューマントラストシネマ渋谷:15:20-16:56 (93分)
町山智浩『行き止まりの世界に生まれて』監督ビン・リュー。