予告編
元文部科学省の寺脇研と前川喜平が企画を務め、子どもたちを取り巻く社会の闇を繊細かつ鋭く描き出した人間ドラマ。北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜は、母親の妙子と義父の辰郎、辰郎の連れ子である稔と4人で暮らしている。辰郎は酒に酔うと妙子と稔に暴力を振るい、優樹菜には性暴力を繰り返した。妙子はなす術もなく、見て見ぬ振りを続けている。稔はそんな父母に不満を感じながら、優樹菜に淡い思いを抱いていた。一方、優樹菜が働くデリヘルの運転手・貞夫は、妻に逃げられ重度のギャンブル依存症に陥っている。息子の洋一と暮らす家に帰るのはいつも深夜で、洋一は暗く狭い部屋の中で1人、帰ることのない母親を待ち続けていた。同じ中学校に通う稔と洋一は以前は仲の良い友人だったが、今は稔たちのグループが洋一をいじめの標的にしている。ある日、稔は家の中でデリヘルの名刺を拾う。姉の仕事に疑問を抱いた彼は、自分も洋一のようにいじめられる側になるのではないかと怯えるようになり……。主演は「愛なき森で叫べ」の鎌滝えり。「ワルボロ」の隅田靖監督がメガホンをとる。
公式サイト:http://kodomoyoroshiku.com
http://www.eurospace.co.jp/works/detail.php?w_id=000403
– 解説 –
オリンピック、カジノ、万博…世の中が浮足立つなかで、子どもを巡る事件が、毎日のように報じられるが、。しかし、子どもたちの世界に目が向けられることは少ない。いじめに苦しみ、そのために死を選んでしまう少年、性的虐待を受け自らを「汚れた存在」と思い込んでしまい風俗産業に身を沈める少女、そんな彼らに、われわれ大人は手を差し伸べることができるのか。いや、アルコール依存、ギャンブル依存、対人依存、同調圧力など、大人社会にはびこる闇こそが問題の源なのではないのか。その問いかけを、観客の皆さんに投げかけたい――。それがこの映画を作った一番の狙いだ。映画の中の子どもたちは、悩み、苦しみ、他人を追い詰め、自分を追い詰めていく。子どもたちの心の中の闇を振り絞るような叫び!この叫びがあなたの胸に届くだろうか。
これが、文部科学省で長らく日本の子どもたちの実態と向き合ってきた企画・統括プロデューサーの寺脇研、企画の前川喜平、二人の願いであり、それを映画という形に仕上げた脚本・監督の隅田靖の思いなのだ。
– 物語 –
東京にほど近い北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜(鎌滝えり)は、実の母親・妙子(有森也実)と義父・辰郎(村上淳)そして、辰郎の連れ子・稔(杉田雷麟)の四人家族。辰郎は酒に酔うと、妙子と稔には暴力、血の繋がらない優樹菜には性暴力を繰り返した。母の妙子は、まったくなす術なく、見てみぬふり。義弟の稔は、父と母に不満を感じながら優樹菜に淡い想いを抱いていた。優樹菜が働くデリヘル「ラブラブ48」で運転手をする貞夫(川瀬陽太)は、妻に逃げられ重度のギャンブル依存症。一人息子・洋一(椿三期)をほったらかし帰宅するのはいつも深夜。洋一は暗く狭い部屋の中、帰ることのない母を待ち続けていた。稔と洋一は、同じ学校に通う中学二年生。もとは仲の良い二人だったが、洋一は稔たちのグループからいじめの標的にされていた。ある日、稔は家の中で、デリヘルの名刺を拾う。姉の仕事に疑問を抱いた稔は、自分も洋一と同じ、いじめられる側になってしまうのではないかと、一人怯えるようになる。
稔と洋一、そして優樹菜。家族ナシ。友だちナシ。家ナシ。
居場所をなくした彼らがとった行動とは――
監督・脚本/隅田 靖
1959年生まれ。大学卒業後、ビデオ製作会社入社。退社後、主に東映セントラル・アーツを中心にフリーの助監督を始める。『ビー・バップ・ハイスクール』(87)、『あぶない刑事』(88)、『ふたり』(91)、『時雨の記』(98)等の助監督を務め、澤井信一郎、長谷部安春監督に師事。東映映画『ワルボロ』(2007/松田翔太・新垣結衣主演)で初監督を務める。DJとしても活躍。
http://www.dgj.or.jp/members/?id=810
企画・統括プロデューサー/寺脇 研
1952年生まれ。元文部官僚。京都造形芸術大学教授。映画評論家。映画プロデューサー。官僚時代は「ゆとり教育」の旗ふり役として「ミスター文部省」と呼ばれた。退官後もNPO法人「カタリバ大学」の学長を務め、民間の教育者の立場から発言や著作を続けている。映画プロデューサーとしては『戦争と一人の女』(13年/井上淳一監督)を皮切りに『バット・オンリー・ラヴ』(16年/佐野和宏監督)を製作。本作はプロデュース3作目となり、ライフワークである社会教育問題に切り込んでいる。
企画/前川喜平
1955年、奈良県生まれ。東京大学法学部卒業後、79年、文部省(現・文部科学省)入省。文部大臣秘書官、初等中等教育局財務課長、官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官を経て2016年、文部科学事務次官。17年、同省の天下り問題の責任をとって退官。現在は、自主夜間中学のスタッフとして活動する傍ら、執筆活動などを行う。
J&B:16:00-17:45 (105分)
シナリオレベルで、人のふるまいのリアティティなし。描写がつまらない。