予告編
第92回アカデミー賞 3部門ノミネート!!
主演女優賞:シャーリーズ・セロン/助演女優賞:マーゴット・ロビー/メイクアップ&ヘアスタイリング賞
世界騒然!全米最大のTV局を揺るがしたあの騒動の真実―。
シャーリーズ・セロン×ニコール・キッドマン×マーゴット・ロビー、ハリウッドが誇る豪華3大女優共演で放つ衝撃の実話。
<STORY>
FOXニュースの元人気キャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、テレビ界の帝王として君臨していたCEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)を提訴した。そのスキャンダラスなニュースに、メディア界に激震が走る――。騒然とするFOXニュース社内。看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、上り詰めるまでの自身の過程を振り返り心中穏やかではなくなっていた。一方、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラ(マーゴット・ロビー)は、ロジャーと対面する機会を得ていた―。
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監督:ジェイ・ローチ『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
脚本:チャールズ・ランドルフ 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(アカデミー賞脚色賞受賞)
出演:シャーリーズ・セロン『モンスター』(アカデミー賞主演女優賞受賞)、ニコール・キッドマン『めぐりあう時間たち』(アカデミー賞主演女優賞受賞)、マーゴット・ロビー『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(アカデミー賞主演女優賞ノミネート)、ジョン・リスゴー『愛と追憶の日々』(アカデミー賞助演男優賞ノミネート)
https://ja.wikipedia.org/wiki/チャールズ・ランドルフ
2016年にアメリカで実際に起こった女性キャスターへのセクハラ騒動をシャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの豪華共演で映画化。アメリカで視聴率ナンバーワンを誇るテレビ局FOXニュースの元・人気キャスターのグレッチェン・カールソンが、CEOのロジャー・エイルズを提訴した。人気キャスターによるテレビ界の帝王へのスキャンダラスなニュースに、全世界のメディア界に激震が走った。FOXニュースの看板番組を担当するキャスターのメーガン・ケリーは、自身がその地位に上り詰めるまでの過去を思い返し、平静ではいられなくなっていた。そんな中、メインキャスターの座のチャンスを虎視眈々と狙う若手のケイラに、ロジャーと直接対面するチャンスがめぐってくるが……。ケリー役をセロン、カールソン役をキッドマン、ケイラ役をロビーが、ロジャー・エイルズ役をジョン・リスゴーが演じる。監督は「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」のジェイ・ローチ、脚本は「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でアカデミー賞を受賞したチャールズ・ランドルフ。シャーリーズ・セロンの特殊メイクを、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」でアカデミー賞を受賞したカズ・ヒロ(辻一弘)が担当し、今作でもアカデミー賞のメイクアップ&スタイリング賞を受賞した。
2019年製作/109分/G/カナダ・アメリカ合作
原題:Bombshell
配給:ギャガ
世界騒然の“スキャンダル”をスクープ! スリリングな実話×痛快な
逆転劇×至宝女優の豪華共演=アカデミー賞受賞作 全米最大のTV局を
揺るがせた衝撃スキャンダルの全貌が、今 暴かれる――!
2月21日に公開を迎える映画「スキャンダル」は、2016年にアメリカで実際に起こった、女性キャスターへのセクハラ騒動を描いている。世界的な“#Metoo”ムーブメントの先駆けとなった事件が、初めて映画化された。
現在の社会情勢に直結する“考えさせられるテーマ”ではあるが、本作は重々しい社会派作品ではない。日々のストレスを吹き飛ばしてくれるような、スリリングかつ痛快なエンタテインメント作である。
【スクープ!】メディア王を吹き飛ばす大スキャンダル 発端は1人の女性の
告発だった… 疾走感あふれる逆転劇が、あなたを至福の映画体験に導く
16年、アメリカで視聴率No.1を誇るテレビ局「FOXニュース」に激震が走った。元人気女性キャスターのグレッチェン・カールソンが、CEOのロジャー・エイルズを提訴したのだ。性的関係の強要と、それを拒否したことによる左遷に対してだった。
世論を操るほどの権力を持つロジャーは、あらゆる手段を講じてもみ消そうと躍起になる……しかし女性たちの逆襲は止まらない。テレビ業界の帝王と呼ばれた権力者が、1人の女性の告発によって、社会的生命を絶たれようとしていた――。
[タイムリーな実話] 巨大TV局内で起こった、“転覆級”の大騒動
この騒動は世界的に報じられたが、ある日を境に突然、幕を閉じた。17年に訴えられたロジャーが死去し、訴えたグレッチェンもFOXニュースと和解。過去は一切言及しない、とサインしたからだ。
ところが「この事件を闇に葬ってはならない」と奮起した男がいた。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でアカデミー賞の脚色賞に輝いた、脚本家チャールズ・ランドルフだ。執念の取材とリサーチが続き、やがてスリルと驚きに満ちた渾身の脚本が完成。真実を明らかにする報道機関が手を出せない“事実”を、映画という芸術が暴きだしたのだ。今だからこそ見るべき重要
[あざやかな逆転劇] 疾走感みなぎる痛快な展開、圧倒的な興奮
グレッチェンの告発が公になっても、最初は、被害を受けた女性たちは声を上げなかった。しかし、勇気は伝染する。あることをきっかけに物語は急展開をみせ、巨大権力に対する鮮やかな逆転劇がもたらされていく。本作を見れば、男女関係なくアツい気持ちにさせられ、体に力をみなぎらせながら劇場を後にできるだろう。
華やかなマスコミ業界や女性のサクセスストーリーは、一流ファッション誌編集部を舞台に描いた「プラダを着た悪魔」を彷彿させる。努力の末に真実が明らかになる高揚感は「スポットライト 世紀のスクープ」によく似ていて、女性たちのマウンティングは「大奥」「女王陛下のお気に入り」が思い出される。これらの作品が好きな人は、必ずや楽しめるはずだ。
[アカデミー賞有力] 女優陣の熱演がとにかく高評価
出演は3人の豪華女優、シャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーだ。賞レースでは特に彼女らの熱演に高評価が集中。第92回アカデミー賞ではセロンが主演女優賞、ロビーが助演女優賞にノミネートされていただけに、その品質は折り紙付きと言えるだろう。
公式サイト:https://gaga.ne.jp/scandal/
https://ja.wikipedia.org/wiki/スキャンダル_(2019年の映画)
DIRECTED BY JAY ROACH ジェイ・ローチ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェイ・ローチ
kino cinema 横浜みなとみらい:15:30-17:25 (109分)
https://eiga.com/movie/92238/critic/
まるでアクション場面のない戦争映画。パワフルで見応えのある“闘う女性映画”
原題は爆弾や砲弾を意味する“BOMBSHELL”。スキャンダルを発信するメディアのスクープのことを呼ぶ流行の“○○砲”の砲のことだ。魅力的な女性という裏の意味もある。
ここでぶっ放されるのは、全米で視聴率トップに君臨する保守系の大手ニュース専門局、FOXテレビで起きた、CEOによる女性キャスターたちへの衝撃のセクハラ・スキャンダル。2016年に起きた実話の映画化だ。
勇気を持って裁判を起こしたのは、CEOロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)の誘いを断ったことから干され、解雇された有名キャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)。だが、この映画の本質は、悪質なセクハラを長年続けてきた業界の老害モンスターによるセクハラ事件の糾弾や成敗という、単純な部分にはない。
映画の中心人物はグレッチェンのライバルで、FOXニュースのトップ・キャスターの座にあるメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)。彼女は女性蔑視が顕著な大統領候補ドナルド・トランプを討論会番組で追及したことから、トランプの目の敵にされ、トランプ支持者の攻撃にさらされる中、かつてエイルズから受けたセクハラを公表すべきか苦悩する。
つまりこれは、2016年、ドナルド・トランプがまさかの躍進で大統領になってしまいそうな悪夢が現実のものとなろうとしていた当時を舞台に、弱肉強食の巨大メディアという戦場の最前線で、強く、美しく、知的な女性たちが、上司やライバルと繰り広げる過酷な激闘の日々を、まるでアクション場面のない格闘技映画や戦争映画のように、パワフルに描いた見応えのある“闘う女性映画”なのだ。
圧巻は特殊メイクで実在の本人ソックリになりきったセロンとキッドマンの白熱の演技合戦、野心家の新人を演じる絶好調マーゴット・ロビーも大健闘だ。そして、異様な迫力で欲望と権力の妖怪エイルズを演じて完璧なリスゴー。その醜い姿には、今年再選を狙うトランプがダブって見えてくる。
製作も兼ねるセロンをはじめ、作り手たちの本音もまさにそこにあるのだろう。この作品に込められた裏メッセージは、明らかに“嫌トランプ”だ。その意味でもこれは勇気ある必見作である。
「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」に続き2度目のアカデミー賞を受賞したカズ・ヒロによる特殊メイクがまた凄い。名優たちを実在の人物とうりふたつに変身させたその驚きの技術だけでも一見の価値がある。
映画「スキャンダル」:セクハラ現場シーンをあそこでとどめた理由
セクハラを受ける若手をマーゴット・ロビーが演じる
ハーベイ・ワインスタインの有罪判決を受け、アメリカで「#MeToo」支持者が祝福ムードに浸る中、日本では、その先駆けとなった出来事を語る「スキャンダル」が、ようやく公開となった。FOXニュースの元キャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、自分にセクハラをしたCEOロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)を訴訟すると決めるのが、この物語。彼女がその策を練る間にも、エイルズは次の獲物を探す。
その罠にかかってしまったケイラ(マーゴット・ロビー演じるこの女性は、複数の人物を参考に作られたフィクションのキャラクター)が、エイルズのオフィスでふたりきりになるシーンは、この映画で最も強烈に印象に残るシーンだ。しかし、エイルズが女性たちに肉体関係も迫ってきたことを考えると、あのセクハラは、まだ初歩と言えなくもない。
ジェイ・ローチ監督は、あのシーンについて、「製作準備段階からポストプロダクションまで、ずっと考え続けた」と語る。それでも、世の中に大勢いるセクハラ被害者たちのために「あれが一番良かったのかどうか、今でもまだ悩む」そうだ。
彼と脚本家チャールズ・ランドルフがあれで行こうと決めた理由のひとつは、「日常的に起こりえるレベルにしたかった」からだった。また、過激にしすぎて、いやらしいと感じさせてしまうと、「男目線だと思われてしまう」との危惧もあったという。ローチとランドルフにとって、女性の視点から語ることは、最初から重要視していたことだ。
「あのシーンはセックスについてではない」とも、彼は主張。「あのシーンは、パワーについてだ。あそこで彼は権力を盾に、彼女に言うことを聞かせる。彼女の威厳を砕く。それを見せるのに、あれよりソフトではダメだった。どれだけ長く見せるかも、いろいろ試したよ。もう1台カメラを回し、ワイドショットで顔と全身像をとらえることもした」。
スカートの引き上げ方も、いくつも違ったバージョンを撮影している。だが、ケイラがどんな下着を身につけているのかについては、まったく悩まなかった。
「衣装係がいろいろ持ってきて、これはどうでしょう、こんなのもありますよと見せてくれたが、僕は白だと言った。特別でない下着。彼女は、楽だからそれをはいている。それがなおさら屈辱的なんだ。セクシーなものであってはいけないのさ」。
セクハラはグレーゾーンに生息する
ロビーも、あのシーンはとても現実的だと思っている。
「あのシーンで、ケイラは混乱し、それがセクハラだと気付いてもいない。一方で、ロジャーは手馴れたもの。彼のような男たちは、どこまでいけるかちゃんと見極める。次はもう一歩先に踏み込み、やりすぎたなと思ったらちょっと引く。そうやってどんどんひどくなっていくの。そんな経験談は、いくつも聞いたわ。そこに巻き込まれてしまった被害者女性は、『自分にも落ち度があったんじゃないか』と思ってしまう。だから、声を上げるのに躊躇するのよ」。
ジェイ・ローチ監督とシャーリーズ・セロン。セロンは、実在のキャスター、メーガン・ケリーを演じるほか、プロデューサーも務めた
プロデューサーと主演を兼任したシャーリーズ・セロンも同感だ。
「いかにも悪魔のような人から見え見えの悪いことをされたら、誰だってすぐにその部屋から逃げるわよね。でも、そうじゃないことが多いの。現実の状況の多くは、白黒はっきりしていない。グレーの部分が大きい。被害者女性がその後も加害者にメールを送ったり、普通に接したりするのも、そのせいよ。今になって、ようやく、そういった複雑さについて語られるようになってきた。セクハラというのは、グレーの部分に生息するの」。
そのグレーゾーンを謳歌してきたのが、エイルズやワインスタインである。
「ふたりには共通点が多い。どちらも、実は劣等感だらけ。一方で、白人の男である彼らは、自分たちが一番上と思っている。なんでも許される階級なのだと。それは、最も危険な組み合わせなのよ」とセロン。
あのシーンにも、そのニュアンスはしっかりと感じられる。この映画は、複雑な問題の表面だけでなく、核心まで見つめようとした人たちによって作られたものなのだ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/saruwatariyuki/20200225-00164492/
ハーベイ・ワインスタインに有罪判決。「#MeToo」運動が切り拓いた新たな社会
https://en.wikipedia.org/wiki/Roger_Ailes
CEOのロジャー・エイルズ