予告編
2020年1月17日公開『私の知らないわたしの素顔』】
SNS時代を漂う人間の心の奥を覗く、サイコロジカルサスペンス。
彼女はなぜ、別人に成りすましたのか?その先に何が待ち受けているのか――?驚愕の「真実」が明らかになった時、物語はまったく別の“顔”になる。
第69回ベルリン国際映画祭スペシャルガラ出品
ジュリエット・ビノシュ主演映画
Bunkamuraル・シネマ他全国順次ロードショー
50代の大学教授がSNSの世界でバーチャル恋愛にはまっていく顛末を描いたジュリエット・ビノシュ主演の心理サスペンス。パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール。ある日、年下の恋人にフラれてしまったクレールは、ほんの出来心でSNSの世界に足を踏み入れる。Facebookで「24歳のクララ」に成りすましたクレールは、アレックスという男性とつながるが、アレックスは別れた恋人の友人だった。アレックスとSNSの世界にのみ存在するクララが恋に落ちてしまったことから、事態は思わぬ方向に展開していく。主人公のクレール役をビノシュが演じるほか、ニコール・ガルシア、フランソワ・シビル、スーパーモデルとして活躍するマリー=アンジュ・カスタらが顔をそろえる。
公式サイト:http://watashinosugao.com/about.php
Introduction
彼女はなぜ、別人に成りすましたのか。 その先に何が待ち受けているのか――。
驚愕の「真実」が明らかになった時、物語はまったく別の“顔”になる。
<24歳のクララ>と偽って知り合った若い男との疑似恋愛に溺れていく主人公クレール。理性を超えてはまり込んだその世界はジェットコースターのように二転三転しながら加速し、次第にクレールの心に潜む深層心理をあぶり出してゆく。
彼女はなぜ<24歳のクララ>に成りすましたのか? 切なくも悲しい本当の理由とは? その驚愕の「真実」が明らかになり、パズルの最後のピースがハマるとき、物語はサスペンスから一転、ひとりの女性の心理ドラマへと顔を変えていく。
原作は時計仕掛けのような複雑な構成と大人の女性の心理を描くことで高い評価を得る、フランスの作家カミーユ・ロランスの同名小説。監督サフィ・ネブーはフランスの名女優を得て、巧みな手さばきでヒッチコック作品を彷彿とさせるサスペンス映画を作り上げた。
観る者を試す衝撃のラスト。あなたはこれをどう見るだろうか?
50代のリアルな「私」と、24歳の「アバター」の間で自身を見失っていくクレールを演じるのは、フランスを代表する大女優ジュリエット・ビノシュ。「こんなビノシュは観たことがない」と評され、実力派女優の新境地と話題を呼んだ。
クレールの秘密を解くカギを握るのが、冷静沈着な精神分析医ボーマン。アップダウンする彼女を静かに受け止めながら、ボーマン自身も実体のない恐怖と対峙していく。演じるのは映画監督で女優でもある大ベテランのニコール・ガルシア。クレールとボーマン、女2人の心理合戦も本作の大きな見どころだ。
Story
パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール(ジュリエット・ビノシュ)。ある日年下の恋人に簡単に捨てられてしまったことをきっかけに、SNSの世界に足を踏み入れる。Facebookで<24歳のクララ>に成りすまし、彼の友人アレックス(フランソワ・シビル)とつながったクレール。だが、アレックスと<クララ>が恋に落ちてしまったことで事態は思わぬ方向に転がっていく。そして次第にクレールは自分の正体を明かしたい衝動に突き動かされていくが……。
ジュリエット・ビノシュ/クレール・ミヨーJuliette BINOCHE
1964年3月9日パリ生まれ。1983年パスカル・カネの「Liberty Bell」で映画初出演。初主演のアンドレ・テシネ監督『ランデヴー』(85)でロミー・シュナイダー賞を受賞しセザール賞主演女優賞候補となる。レオス・カラックス監督『汚れた血』(86)で再び同賞にノミネートされたことで国際的にも注目され、フィリップ・カウフマン監督『存在の耐えられない軽さ』(88)のヒロインに抜擢された。続くカラックスの『ポンヌフの恋人』(91)でヨーロッパ映画賞を受賞。以後、ルイ・マル監督『ダメージ』(92)などの英語作品にも出演。クシシュトフ・キェシロフスキ監督『トリコロール/青の愛』(93)でヴェネチア国際映画祭最優秀女優賞、アンソニー・ミンゲラ監督『イングリッシュ・ペイシェント』(96)で、アカデミー賞助演女優賞、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞。そして2010年、アッバス・キアロスタミ監督『トスカーナの贋作』でカンヌ国際映画祭女優賞と、世界三大映画祭で女優賞を制覇した。 名匠たちのコラボレーションも多く、主な出演作として、ラッセ・ハルストレム監督『ショコラ』(00)、セドリック・クラピッシュ監督『Paris』(08)、オリヴィエ・アサイヤス監督『夏時間の庭』(08)『アクトレス~女たちの舞台~』(14)、河瀨直美監督『Vision ビジョン』(18)、クレール・ドゥニ監督『ハイ・ライフ』(18)など。そして、是枝裕和監督『真実』(19)、オリヴィエ・アサイヤス監督『冬時間のパリ』(18)、『私の知らないわたしの素顔』と、主演作の日本劇場公開が続く。
https://www.youtube.com/watch?v=ROt3OA9Q22o
ビノシュインタビュー&予告編
監督・脚本:サフィ・ネブー Safy NEBBOU
1968年4月27日、フランス・バイヨンヌ生まれの作家、映画・舞台監督。アルジェリア人の父とドイツ人の母を持つ。弟は『マダム・イン・ニューヨーク』(12)等に出演している俳優メーディ・ネブー。
俳優としてキャリアをスタートし、舞台監督を経て映画監督に。いくつかの短編で世界各地の映画賞に輝いた。2004年に初の長編映画「The giraffe’s neck [Le cou de la giraffe]」を監督。本作はサンドリーヌ・ボネールとクロード・リッシュが共演している。2007年には再びサンドリーヌ・ボネールを主役に迎え、カトリーヌ・フロとの共演作で「Angel of mine[L’empreinte de l’ange]」を監督。この作品で、『私の知らないわたしの素顔』と同じく精神的に追い詰められた中年女性をサスペンスタッチで描いた。また2008年、世界の巨匠監督たちの子供時代を映画化したアンソロジー映画「Enfances」でイングマール・ベルイマンのパートを担当した。
2010年、ベルリン国際映画祭出品作のジェラール・ドパルデュー、ブノワ・ポールブールド共演「The other dumas [L’autre dumas]」を監督。2012年、シャルル・ベルリング出演作「Bad seeds [Comme un homme]」を監督。2016年6月に公開された5作目では、旅人作家として知られるシルヴァン・テッソンの著書In the forests of Siberia [Dans les forêts de Sibérie]を映画化。本作はイブラヒム・マーロフが手掛けた音楽でセザール賞音楽賞を受賞した。その後、ベルイマン監督作『ある結婚の風景』の舞台化に着手し、レティシア・カスタとラファエル・ペルソナを主演に迎えた本作は、2017年2月に上演された。
最新作となる『私の知らないわたしの素顔』は、フランスで最も権威ある文学賞の一つであるフェミナ賞受賞作家、カミーユ・ロランスの原作「Celle que vous croyez(映画と同タイトル)」を映画化。2019年のベルリン国際映画祭スペシャルガラセレクションとして出品された。
現在はダニエル・ペナックの原作をマリー・デプレシャン(アルノー・デプレシャンの姉)との共同脚本で映画化する新しい長編映画「L’il du loup」を準備中。他に、国内外の多数のブランドのCMも手掛けている。
Novel
原作:「Celle que vous croyez」(Who you think I am)
2016年刊行 ガリマール出版社
著者プロフィール:カミーユ・ロランス
Camille LAURENS
1957年11月6日ディジョン生まれ。本名はローレンス・リュエル。ノルマンディーのルーアン、その後モロッコで教職につきながら小説を執筆した。1991年「Index」で鮮烈なデビューを飾る。1992年に「Romance」、1994年「Les Travaux d’Hercule」、1995年「Philippe」、1998年「L’Avenir」を刊行。2000年、7作目の『その腕のなかで』で、フランスでの最も権威ある文学賞の一つであるフェミナ賞を受賞。2003年「L’Amour」、2004年「Cet absent-là, récit」、2006年「Ni toi ni moi, roman」、2010年「Romance nerveuse, roma」、そして2016年、本映画の原作「Celle que vous croyez」を発表。いずれも自伝的色彩の強い作品で、フランスで高い人気を誇るジャンル、オートフィクション(作家自身の人生を脚色した形で描く作風)の作品として、高い評価を得ている。2011年9月より、パリ政治学院で教壇に立つ。フェミナ賞の審査員。
ル・シネマ:15:15-17:10 (101分)
https://www.bunkamura.co.jp/cinema/lineup/20_watashinosugao.html