予告編
壊れた家族は、つながれますか。
すべてを狂わせた”あの夜”から15年。希望を夢見た親と子の行く末はー
女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子の出演、「孤狼の血」の白石和彌監督のメガホンで映画化。タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、愛した夫を殺害した。最愛の3人の子どもたちの幸せのためと信じての犯行だった。こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた。次男役を佐藤、長男役を鈴木、長女役を松岡、母親役を田中がそれぞれ演じるほか、佐々木蔵之介、音尾琢真、筒井真理子らが脇を固める。
公式サイト:https://hitoyo-movie.jp
https://ja.wikipedia.org/wiki/ひとよ_(映画)
解説
2013年『凶悪』を世に送り出して以降、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』(18)など、毎年のように賞レースを席巻。6年間で手掛けた作品たちは、日本アカデミー賞をはじめとする数多の国内外映画賞で実に60以上もの受賞を果たし、名だたる俳優たちがいまもっとも出演を熱望する映画監督・白石和彌。いまを強く生きる人間たちへの賛歌を圧倒的な熱量で描いてきた白石和彌監督が「いつかは撮らねばならない」と感じていたテーマ【家族】へ、初めて真正面から挑み、15年前の事件によって家族の岐路に立たされた、ひとりの母親と子どもたち三兄妹のその後を描きます。
主演は、映画・ドラマと話題作品への出演が相次ぎ、全世代から支持される実力派俳優・佐藤健。さらには鈴木亮平、松岡茉優、音尾琢真、佐々木蔵之介、そして、田中裕子と、『ひとよ』の物語に魅了された各世代を代表する豪華名優陣が集結しました。
一夜にして激変する家族の運命を通し、尊くも時に残酷な“家族の絆”、そして、 言葉にできない“究極の愛”を観る者すべてに問いかける、ヒューマンドラマの傑作がこの秋、誕生します。
あまりに切ない“母なる事件”から15年。希望を夢見た者たちのゆく末は―
物語
「あなたたちが生まれた夜、わたしがどんなに嬉しかったか。」
どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を殺めた。それが、最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去った―
時は流れ、現在。次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんな一家に、母・こはるは帰ってくる。
「これは母さんが、親父を殺してまでつくってくれた自由なんだよ。」
15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先は―
監督:白石和彌Shiraishi Kazuya
1974年12月17日生まれ、北海道出身。中村幻児監督主催の映像塾に参加。以降、若松孝二監督に師事し、フリーの演出部として活動。『明日なき街角』(97)、『完全なる飼育 赤い殺意』(04)、『17歳の風景 少年は何を見たのか』(05)などの作品で助監督を務める。2010年『ロストパラダイス・イン・トーキョー』で長編デビュー。2013年、ノンフィクションベストセラーを原作とした映画『凶悪』が、第38回報知映画賞監督賞、第37回日本アカデミー賞優秀監督賞・脚本賞など、各映画賞を総なめし、一躍脚光を浴びる。以降も手掛けた作品は毎年のように賞レースを席巻、6年間で作品・監督・俳優部門などを中心に60以上もの受賞を果たす。名だたる俳優たちがいまもっとも出演を熱望する映画監督。その他の主な監督作品に、『日本で一番悪い奴ら』(16)、『牝猫たち』(17)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『サニー/32』(18)、『孤狼の血』(18)、『止められるか、俺たちを』(18)、『麻雀放浪記2020』(19)、『凪待ち』(19)など。
これ以上のない最高のキャストに集まって頂き、少し緊張しています。私自身、この家族がどのような物語を紡いでくれるのか、楽しみで仕方ありません。多くの人の心に突き刺さる作品になるように、毎日を大切にしながら撮影に望みます。楽しみにお待ちください。
https://ja.wikipedia.org/wiki/白石和彌
原作桑原裕子
脚本:髙橋 泉Takahashi Izumi
【主な作品】『ソラニン』(10/三木孝浩監督)、『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(10/白石和彌監督と共同脚本)、『100回泣くこと』(13/廣木隆一監督)、『凶悪』(13/白石和彌監督と共同脚本)、『ミュージアム』(16/藤井清美、大友啓史監督と共同脚本)、『坂道のアポロン』(18/三木孝浩監督)、『朝が来る』(20年公開予定/河瀨直美監督と共同脚本)など。
インタビュー:
佐藤健×鈴木亮平×松岡茉優、“家族”として向き合って得た確信
https://eiga.com/movie/91031/interview/
インタビュー:
映画『ひとよ』佐藤健×鈴木亮平×松岡茉優 相性バッチリだった三兄妹
https://www.oricon.co.jp/special/53665/
インタビュー:
佐藤健:鈴木亮平、松岡茉優と映画「ひとよ」で兄妹役 3人にとって“家族”とは“親”とは…
https://mantan-web.jp/article/20191104dog00m200016000c.html
インタビュー:
佐藤健:「ひとよ」で鈴木亮平、松岡茉優と共演 3人が考える健康を保つ秘訣と10年後の姿
https://mainichikirei.jp/article/20191108dog00m100023000c.html
稲村園子役:松岡茉優Matsuoka Mayu
稲村家の長女。事件によって夢を諦め、スナックで働きながら生計を立てる。母との再会を素直に喜び、受け入れる。
【Comment】
憧れの白石組で、憧れの先輩方とご一緒できて嬉しく思います。私はこの映画を観てくださった皆さんに感動してほしいとか、泣いてほしいとかではなく、家族に対して何かゴロゴロとしたものを抱えて生きていらっしゃる方に、この映画を観てどこか許されてほしいなと思いながら演じていました。そして、背中を押すまではできなくとも、例えば「お母さんにメールをしてみよう」、と思い立つような、そんな映画になったらいいなと思っています。楽しいばかりの映画ではないかもしれませんが、「良かったな、楽しかったな」と、有意義な時間を過ごせるように頑張りました。あっという間に公開となりますが、楽しみに待っていてください。
【Profile】
1995年2月16日生まれ、東京都出身。2008年本格的なデビューを果たし、『桐島、部活やめるってよ』(12)、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)などで注目を集める。映画初主演作『勝手にふるえてろ』(17)では、第30回東京国際映画祭東京ジェムストーン賞、第27回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞、第42回日本アカデミー賞では優秀主演女優賞を受賞。ほか主な映画出演作として、『ちはやふる -下の句-』(16)、『blank13』(18)、『ちはやふる -結び-』(18)、第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを獲得し、自身も第42回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した『万引き家族』(18)など。公開待機作品として、主演作『蜜蜂と遠雷』(19年10月4日公開)がある。
インタビュー:
松岡茉優 撮影待ちに体ほぐすメノウのかっさプレート
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO51577250Q9A031C1000000
https://ja.wikipedia.org/wiki/松岡茉優
kino cinema 横浜みなとみらい:16:25-18:30 (123分)
原作:桑原裕子Kuwabara Yuko
1976年7月19日生まれ、東京都出身。劇団KAKUTA主宰。作・演出を兼ね、俳優としては結成以後全本公演に出演。長塚圭史演出「冒した者」や白井晃演出「ペール・ギュント」、福原充則作・演出「俺節」をはじめ、数多くの舞台に出演。俳優業の他に、ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」の潤色・演出、映画『ランブリング・ハート』、ドラマ「ぬけまいる~女三人伊勢参り~」の脚本、PS2ソフト「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」のシナリオなど、舞台・テレビ・ゲームシナリオ・ノベライズ小説と多岐にわたり、演出家・劇作家として活躍。09年、劇団公演「甘い丘」再演の作・演出で平成21年度(64回)文化庁芸術祭芸術祭新人賞を受賞。また、脚本家として手掛けた世田谷パブリックシアター主催「往転」(作・演出)が第56回岸田國士戯曲賞、第15回鶴屋南北戯曲賞の最終候補になるなど高い評価を得た。15年、劇団KAKUTA 公演「痕跡(あとあと)」が第18回鶴屋南北戯曲賞受賞。18年「荒れ野」が第6回ハヤカワ悲劇喜劇賞、第70回読売文学賞戯曲・シナリオ部門を受賞。
自身の所属する劇団公演にむけて「ひとよ」を描いたのは2011年の夏、日常を取り戻しているように見えても、東日本大震災の影響がまだ各地で色濃く残る頃でした。私の生まれは福島県で、子供時代は学級休みのほとんどを福島の山に囲まれて過ごしました。だから自分のふるさとが「あの一日の出来事」を境にして、まるで形を変えたかのように違う目で見られるようになったことに、たとえようのないやるせなさを感じていました。
これは震災の話ではありませんし、社会を背負うような物語でもありません。が、復興、再生、絆――そんな言葉が日本中にあふれかえるなか、本当の再生とはなにか、私たちはどう歩み出せばいいのかを、ひとつの家族を通じて、私もまだ見つけられぬまま模索しながら描いた作品でした。
社会の暗がりに目を向け、いびつながらも懸命に生きる人間をこれまで多く描いてこられた白石監督が『ひとよ』を手がけてくださることになり、本当に嬉しく思っています。髙橋泉さんに丁寧な脚本を書いていただけたことにも感謝しています。
どうか原作にこだわらず監督ならではの視点で、新たな『ひとよ』を創っていただければと思いますし、蒼々たるキャストの皆さんがどんな風に役へ光を当ててくださるのか、純粋にワクワクしています。きっと素晴らしい作品になる、という予感だけが激しく渦巻いております。そうして生まれ変わる「ひとよ」が、たくさんの皆様のもとへ届き、どこまでも高く遠くへ、旅をしてゆけますように。
https://ja.wikipedia.org/wiki/桑原裕子