予告編
特報
ポーランド映画で初のアカデミー外国語映画賞に輝いた「イーダ」のパベウ・パブ リコフスキ監督が、冷戦下の1950年代、東側と西側の間で揺れ動き、時代に翻弄さ れる恋人たちの姿を、美しいモノクロ映像と名歌で描き出したラブストーリー。2018年・第71回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。ポーランドの音楽舞踏学校 で出会ったピアニストのヴィクトルと歌手志望のズーラは愛し合うようになるが、 ヴィクトルは政府に監視されるようになり、パリへと亡命する。夢をかなえて歌手 になったズーラは、公演活動で訪れたパリやユーゴスラビアでヴィクトルと再会。 パリで一緒に暮らすが、やがてポーランドに戻ることに。ヴィクトルは彼女の後を 追ってポーランドも戻るのだが……。
本年度アカデミー賞®3部門(監督賞、撮影賞、外国語映画賞)にノミネ ートされた、心と五感を刺激する
極上のラブストーリー!
第71回カンヌ国際映画祭に正式出品され、光と影のコントラストでモノクロなのに 鮮烈としか言いようのない映像と、愛し合う男女の引き裂かれてはなお一層求め合 う行方の分からないストーリー展開、さらに二人の心情を奏でる音楽が絶賛され、 見事監督賞を獲得した2019年最高の話題作が、遂に日本を陶酔させる。
忘れられない歌 「2つの心」があったから……
ポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリを舞台に、西と東に揺れ動き、別れ と再会を繰り返して15年。過酷だがドラマティックでもあった時代に流されながら も、「黒い瞳を濡らすのは一緒にいられないから」と、愛を知る者なら誰もが魂を 揺さぶられる「2つの心」という名曲で結ばれ、互いへの燃え上がる想いだけは貫こ うとする二人。民族音楽と民族ダンス、さらにジャズにのせて、髪の毛1本、草の葉1枚、そよぐ風と揺れる水面まで、すべてのショットが私たちの生きる世界はこんな に美しかったのかと教えてくれる映像で綴る、心と五感を刺激する極上のラブスト ーリー。
Storyストーリー
冷戦に揺れるポーランドで、歌手を夢見るズーラとピアニストのヴィクトルは音楽 舞踊団の養成所で出会い、恋におちる。だが、ヴィクトルは政府に監視されるよう になり、パリに亡命する。ズーラは公演で訪れた先でヴィクトルと再会、幾度かの すれ違いを経て共に暮らし始める。しかし、ある日突然ズーラはポーランドへ帰っ てしまう。あとを追うヴィクトルに、思いもかけぬ運命が待ち受けていた。
公式サイト:https://coldwar-movie.jp https://ttcg.jp/human_shibuya/movie/0552400.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/COLD_WAR_あの歌、2つの心https://www.fashion-press.net/news/46337
https://natalie.mu/eiga/news/329730
パヴェウ・パヴリコフスキ Pawel Pawlikowski 監督・脚本
1957年、ポーランド、ワルシャワに生まれ、14歳で母親に連れられてポーランドを 出て、イギリス、ドイツ、イタリアへ渡り、最終的に1977年にイギリスへ落ち着 く。ロンドンとオックスフォードで文学と哲学を学ぶ。
1980年代後半に、BBC 放送でTVドキュメンタリーを作り始める。その作品には、 「From Moscow to Pietushki: A Journey with Benedict Yerofeyev」(90)、 「Dostoevsky’ s Travels」(91)、「Serbian Epics」(92)、「Tripping with Zhirinovsky」(95)などがあり、エミー賞やイタリア賞を含め、数多くの国際的な 賞を受賞している。1998年、低予算TV映画「Twockers」を監督し、フィクション 作品へと移行した。次に長編映画2本を監督。その作品『Last Resort』(00)と 『マイ・サマー・オブ・ラブ』(04・未)では脚本と監督を務め、両作品とも、英 国アカデミー賞や世界中の映画祭で多くの賞を受賞する。2011年には、『イリュージョン』(未)の脚本と監督も務める。同じく脚本と監督 を担当した『イーダ』(13)は、2015年度アカデミー賞®外国語映画賞を受賞し、 さらにヨーロッパ映画賞5部門、英国アカデミー賞1部門、ゴヤ賞1部門、その他多 くの賞に輝く。2013年にポーランドに戻り、『イーダ』を完成させる間、滞在し た。現在はワルシャワに住み、ワイダ・スクールで映画の監督・脚本課程の教鞭を とっている。
Director’s Comment
ズーラとヴィクトルという二人の人物を描いた物語を撮りたいと思いつつ、ああで もないこうでもないと考えているうちに、何年も経過してしまった。この二人は部 分的に私の両親を基にしている。彼らはそれぞれに別のパートナーとくっついたり しながらも、とても激しい関係を結んでいた。それは、ある意味、究極のラブスト ーリーだった。彼らはどちらも自分をコントロールできず、落ち着いていられな い。それなのに、一緒になることが運命づけられているカップルなのだ。 伝記映画は嫌いだ。人生の物語を綴ることなんてできない。そこに因果関係の理屈 を押しつけると、とても安っぽい場面やダイアローグの連続になってしまうし、演 出もひどく貧相なものになりがちだ。どうしたものかと呻吟した結果、こうした省 略的な描き方に行き着いた。やがて、まとめ役となってくれる何かが必要になり、 音楽がすべてを統合し、移り変わってゆく人間関係や時間や場所を見極めるのに手 を貸す3番目の登場人物となった。
映画『イーダ』予告編1960年代のポーランドを舞台に若い修道女が出生の秘密をたどる旅を描き、トロン ト国際映画祭など各映画祭で好評を博したヒューマンドラマ。自分がユダヤ人であ ることを告げられたヒロインが、両親の死の真相を知るべく過去をひもといてゆく さまをつづる。監督は『マイ・サマー・オブ・ラブ』『イリュージョン』などでメ ガホンを取り、本作で初めて母国で作品を手掛けたパヴェウ・パヴリコフスキ。モ ノクロで表現される美しい映像もさることながら、ヒロインの過去を通して触れら れるユダヤ人やホロコーストの歴史にも胸を打たれる。
ヨアンナ・クーリク(ズーラ)
1982年、ポーランド生まれ。パヴェウ・パヴリコフスキ監督作品は、『イリュージ ョン』(11・未)と『イーダ』(13)に続く出演となる。その他の出演作は、アグ ニェシュカ・ホランド監督の『バンディット』(09・未)、『あの日 あの時愛の記 憶』(11)、マウゴジャータ・シュモフスカ監督の『ジュリエット・ビノシュinラ ヴァーズ・ダイアリー』(11・未)、『愛の原罪』(13・未)、『ヘンゼル&グレ ーテル』(13・未)、アンヌ・フォンテーヌ監督の『夜明けの祈り』(16)など。 本作でヨーロッパ映画賞女優賞を受賞する。
kino cinema 横浜みなとみらい:14:10-15:45 (88分)