予告編
1890年代のベル・エポック真っただ中のパリを舞台に、フランスの文学界でいまなお高い人気を誇る女性作家シドニー=ガブリエル・コレットの波乱と情熱に満ちた人生を描いたドラマ。主演は「つぐない」「プライドと偏見」のキーラ・ナイトレイ、監督は「アリスのままで」のウォッシュ・ウエストモアランド。フランスの片田舎で生まれ育ったコレットは、14歳年上の人気作家ウィリーと結婚し、それまでとは別世界のようなパリへと移り住む。芸術家たちが集うサロンで華やかな生活を送る中、コレットの文才に気づいたウィリーは、自身のゴーストライターとして彼女に小説を書かせる。そうして彼女が執筆した「クロディーヌ」シリーズはベストセラーとなるが、コレットは自分が作者であることを世間に認められない葛藤に苦しめられることになる。保守的で男性優位な当時の社会にあっても、ありのままの自分を貫き才能を開花させていったコレットを、ナイトレイが演じた。
フランス文学界で最も知られている女性作家シドニー=ガブリエル・コレット。彼女の絶大な人気と影響力は衰えることなく、今なお人々を魅了し続けている。近代の幕開けという時代の変革期において、彼女の功績は計り知れないが、そんな波乱と情熱に満ちた人生が実力派のキャストとスタッフによってスクリーンに蘇った。
片田舎に生まれ育った自由奔放な少女コレットが、いかにしてフランス屈指のベストセラー作家と呼ばれるようになったのか。カリスマ的な人気を誇る作家ウィリーとの波乱に満ちた結婚生活や運命を変えた出会い、そして“本当の自分”を見つけるまでの半生が描かれている。
稀代のファッションデザイナーであるココ・シャネルとも親交のあったコレットは、ジャン・コクトーとも大変親しく、その他、ジャン=ポール・サルトル、アンドレ・ジッド、シモーヌ・ド・ボーヴォワールなど多くの著名人と親交があり、そして愛された唯一無二の存在。また、コレットは自著「ジジ」の舞台化にあたって、当時無名だった新人女優のオードリー・ヘプバーンを主役に大抜擢し、オードリーを一躍スターにした立役者としても知られている。まさに時代を作り上げたアイコンのひとりであり、フランス人女性で初めて国葬されるなど、国民からも愛されたひとりでもあった。
STORY
フランスの田舎町サン・ソヴールで生まれ育ったコレット。豊かな自然と心優しい両親に囲まれながら平穏な日々を送る一方で、14歳年上の人気作家ウィリーと出会い、激しい恋に落ちていた。1893年、大人の女性へと成長したコレットは、結婚を機にそれまでとは別世界のパリへと移り住む。
“ベル・エポック”真っ只中の活気にあふれていた1890年代のパリ。コレットは夫のウィリーとともに芸術家たちの集うサロンへと足繫く通うことになる。初めは馴染めなかったコレットも、少しずつ新しい環境へ順応していき、いつの間にか享楽の世界に浸っていた。しかし、派手な暮らしの裏では、ウィリーの浪費癖が原因で借金はかさんでいくばかり。さらに、ウィリーは編集の勉強会と称して、ほかの作家たちに自分の作品を書かせていたのだった。そんななか、コレットの才能にいち早く気が付いたウィリーは、自身のゴーストライターとして彼女に自伝的な小説を書かせることに。その後、コレットが執筆した「クロディーヌ」シリーズは、社会現象を巻き起こすほどの一大ブームとなるのだった。革新的な商才のあったウィリーは、本の出版だけにとどまらず、舞台化やブランドを立ち上げることで幅広く商品を展開することを思いつく。
公式サイト:https://colette-movie.jp
https://ja.wikipedia.org/wiki/コレット
https://en.wikipedia.org/wiki/Colette_(2018_film)
キーラ・ナイトレイ(コレット)Keira Knightley
1985年3月26日、イギリス・ロンドン生まれ。舞台俳優の父と劇作家の母の影響で幼い頃から演劇に興味を持ち、7歳でTVに初出演する。9歳で映画デビューを果たしたのち、1999年に『スター・ウォーズエピソード1/ファントム・メナス』で、ナタリー・ポートマン演じるアミダラ王女の影武者に大抜擢され、知名度を上げる。『ベッカムに恋して』(02)でブレイクしたのち、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(03)のヒロインに選ばれ、一躍スターの仲間入りを果たす。その後、『プライドと偏見』(05)で高く評価され、アカデミー賞®とゴールデン・グローブ賞の主演女優賞にノミネート。続く『つぐない』(07)でもゴールデン・グローブ賞で主演女優賞にノミネートされる。さらに、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』(14)ではアカデミー賞®とゴールデン・グローブ賞で助演女優賞にノミネートされ、実力派としての地位を確固たるものとした。主な出演作は、『ラブ・アクチュアリー』(03)や『わたしを離さないで』(10)、『危険なメソッド』(11)、『はじまりのうた』(13)、『くるみ割り人形と秘密の王国』(18)など。また、人気ブランド「シャネル」の広告塔としても長年活躍している。
ウォッシュ・ウェストモアランド(監督/脚本)Wash Westmoreland
1966年3月4日、イギリス・リーズ生まれ。大学時代は政治学と東アジア研究を専攻し、ニューカッスル大学と福岡大学に通っていた。大学卒業後は、映画の道に進むため渡米し、のちに夫となる故リチャード・グラッツァーと共同で作品を制作することとなる。そして、2006年に『Quinceañera(原題)』(未)がサンダンス映画祭でグランプリ(審査員大賞)と観客賞をダブル受賞。ウェストモアランドとグラッツァーが最初に注目を浴びるきっかけとなる。その後、2人で監督と脚本を務めたジュリアン・ムーア主演の『アリスのままで』(14)は、高い評価を得ただけでなく、興行的にも成功。ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞®、英国アカデミー賞それぞれで主演女優賞を獲得するなど、数々の賞に輝いた。なお、脚本は人間としての尊厳、意義、および自由を推進する脚本に贈られるヒューマニタス賞を受賞している。『コレット』は、ウェストモアランドが単独で監督する初めての作品となった。公開待機作は、リドリー・スコット製作総指揮のNetflixオリジナル映画『The Earthquake Bird(原題)』。出演は、アリシア・ヴィキャンデル、ライリー・キーオ、小林直己(EXILE、三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE)など。
TOHOシネマズシャンテ:16:20-18:25 (111分)
初めての「コレット」であった。
Sidonie-Gabrielle Colette
シドニー=ガブリエル・コレット(1873.1.28―1954.8.3)
20世紀初頭のフランスでその名を世に知らしめて以来、無数の読者を魅了し、インスピレーションを与えてきたコレット。時にはスキャンダラスな私生活を暴露することも恐れず、時代を常に先取りしていた。ココ・シャネルやジャン・コクトーなど多くの著名人とも大変親しく、自著「ジジ」の舞台化にあたっては、当時無名だった新人女優オードリー・ヘプバーンを主役に大抜擢し、彼女を一躍スターにした立役者でもある。フランス人女性で初めて国葬されるなど、国民からも愛されたひとりでもあった。「クロディーヌ」シリーズに加え、「シェリ」「青い麦」「夜明け」「ジジ」などの傑作を世に送り出し、舞台化や映画化も多くされている。その中でも「ジジ」は『恋の手ほどき』(1958)として作品賞を含む9部門のアカデミー賞®を受賞している。
https://ameblo.jp/irusutyuu/entry-11281685401.html
1873.1.28 – 1954.8.3
フランスの小説家。
ブルゴーニュ地方サン・ソーヴール生まれ。
1893年作家ウィリーと結婚、その勧めで「学校へ行くクロディーヌ」など4冊のクロディーヌものを夫の名前で発表。1906年離婚してミュージック・ホールの踊り子をしながら創作を続けた。第一次大戦中は報道記者として活躍した。戦後「シェリ」を発表して作家としての地位を確立した。そのほか「青い麦」「牝猫」「ジジ」などの作品が有名。
https://kotobank.jp/word/シドニー・ガブリエル%20コレット-1622524