予告編
依存症の息子とその家族が歩んだ苦難の日々を描く。
「フォックスキャッチャー」のスティーブ・カレルと「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメが父子を演じ、父デビッドとドラッグ依存症だった息子ニックがそれぞれの視点から描いた2冊のノンフィクションを原作に、家族の愛と再生を描いたドラマ。監督は「オーバー・ザ・ブルースカイ」を手がけたベルギー出身のフェリックス・バン・ヒュルーニンゲン。「ムーンライト」「それでも夜は明ける」を手がけたブラッド・ピット率いるプロダクションのプランBエンターテインメントが製作。脚本に「LION ライオン25年目のただいま」のルーク・デイビス。
堕ちていく息子を信じ続けた8年間ジョン・レノンの名曲が彩る、痛ましくも美しい愛と再生の記録
『君の名前で僕を呼んで』で世界中を魅了し、アカデミー主演男優賞にノミネートされた、ハリウッドが今最も期待する俳優ティモシー・シャラメ。待望の最新作は、8年という長い歳月をかけてドラッグ依存を克服し、現在はNetf lixの人気ドラマ「13の理由」の脚本家として活躍する人物と、彼を支え続けた家族の物語。
破滅の道を突き進む息子ニックを、シャラメが卓越した演技力で表現。堕ちていく姿までも美しく、若さの中に秘められた危うさから1秒たりとも目が離せません。息子を信じ続ける父親デヴィッドを『フォックスキャッチャー』での演技も記憶に新しいスティーヴ・カレルが、苦悩と葛藤を滲ませながら熱演。抑えた演技の中で、無償の愛と慈しみを与える姿に誰しもが胸をつかれることでしょう。
タイトルは、1980年11月に発表されたジョン・レノンとオノ・ヨーコの最後のアルバム『ダブル・ファンタジー』の収録曲「ビューティフル・ボーイ」から。当時5歳になる愛息ショーン・レノンに捧げたこの曲は、劇中でも子守唄として象徴的に使用され、“人生は長い道のり。毎日、あらゆることが少しずつ良くなっていくんだよ”と優しく語りかけるメッセージは、父デヴィッドの心情とシンクロします。なお、ジョン・レノンの生前最期のロングインタビューを行ったのは、音楽ライターだったデヴィッドでした。
父親と依存症の息子、2つの視点。2冊の回顧録。
『ムーンライト』のプランBが贈る珠玉の人間ドラマ。
原作は、13回の依存症再発のため7つの治療センターを訪れた8年間の軌跡をデヴィッドとニックそれぞれの視点から描いた2冊の回顧録。痛ましいまでに率直に綴られたノンフィクションは、どちらもがアメリカ中で絶賛を浴び、ベストセラーとなりました。同じ出来事を捉える異なる2つの視点を統合して見事な1本のドラマを完成させたのは『オーバー・ザ・ブルースカイ』でアカデミー賞®外国語映画賞ノミネートを果たしたフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン。製作は『ムーンライト』『それでも夜は明ける』など上質かつ見応えのあるドラマを産み出し続け、今やオスカー常連となっているブラッド・ピット率いるプランBエンターテインメント。実話が元になっているが故の残酷なまでにリアルな様を、克明に描きました。
STORY
成績優秀でスポーツ万能、将来を期待されていた学生ニックは、ふとしたきっかけで手を出したドラッグに次第にのめり込んでいく。
更生施設を抜け出したり、再発を繰り返すニックを、大きな愛と献身で見守り包み込む父親デヴィッド。
何度裏切られても、息子を信じ続けることができたのは、すべてをこえて愛している存在だから。
父と息子、それぞれの視点で書いた2冊のベストセラー回顧録を原作とした実話に基づく愛と再生の物語。
公式サイト:https://beautifulboy-movie.jp
https://ja.wikipedia.org/wiki/ビューティフル・ボーイ_(映画)
FELIX VAN GROENINGEN監督フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン
1977年ベルギー生まれ。2000年にゲントの王立芸術アカデミー(KASK)を卒業し、映像芸術の学士を取得。2009年のカンヌ国際映画祭の監督週間でプレミア上映された『The Misfortunates』(09)で国際的な注目を集めた。『オーバー・ザ・ブルースカイ』(12)で世界的に高い評価を受け、2014年アカデミー賞® 外国語映画賞にノミネートされ、セザール賞最優秀外国映画賞を受賞。『ベルヒカ』(16)〈未〉は2016年サンダンス映画祭でプレミア上映され、ワールド・シネマ・ドラマ部門で監督賞を受賞した。本作品が彼の初めての英語作品である。
Director’s Comment
2014年にデヴィッドと息子のニックの回顧録を読んだ時、心の底から感動した。デヴィッドとニックは、ニックの復帰とドラッグ依存の再発いう家族の体験を綴っているが、それと同時に人生の喜びや純真さ、愛を感じる瞬間も描いている。
私はこれまでに英語の映画を作ろうと考えたことはあったけど、私自身の心に響く題材がなかった。だが2人の物語は違っていたんだ。家族の絆、理解への幻想、時の経過……、私が今までの映画でテーマにしてきたものばかりだ。2人の物語に描かれていた生々しい感情やその描き方に心を動かされた。家族は無償の愛を捧げるのだが、それが簡単にできることではなく、またドラッグ依存と付き合うことは信じられないほどの不条理を受け入れなければならないことだと気づいていく。製作にあたり2人は私を家に招いてくれて、自身の体験を驚くほどオープンに語ってくれた。彼らは自分たちが体験したことすべてを包み隠さず明かしてくれた。彼らの暮らしや人柄に触れることは、すばらしいことだった。私が育った場所から遠く離れて、かつ私の家族とは全く違っていていたが、そこに漂っている愛情には似通ったものがあった。すばらしい家族の核となる部分が大きな試練という形で試され、それに対処するお互いの心からの想いには、本当に感服と感動をした。私が映画を作っているのは、私自身の経験を精査して、必要としている難題に自分を追い込むためだ。自分の過去や喪失感に向き合うことで、学べる。私は26歳の時に父を亡くしたが、父は映画を通して私の中で今も生きているんだ。だからこそ、父と子の物語に私は惹かれるのだろうな。自分の映画を通して人生を謳歌することを学んでほしいんだ。私はそれぞれのキャラクターを理解しようとしているし、自分が感じた彼らへの共感を観客の人たちにも感じてほしいんだよ。
映画を作り終えて、ベルギーに戻ってきた私は、自分の息子に対して初めて父親になったような気がした。あれほどまでに誰かを愛する喜びを感じるなんて信じられないくらいだ。2人の物語が私にしてくれたように、この映画で多くの人が、多くのことを感じ、心を開いてくれることを望んでいる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン
LUKE DAVIES脚本ルーク・デイヴィス
小説家、エッセイストとしても活躍する脚本家。自伝的小説「キャンディ」をもとにした2006年の同名映画で、ニール・アームフィールド監督とともに脚本を執筆しAWGIE賞(オーストラリアの脚本家組合賞)、AACTA賞(オーストラリアのアカデミー賞)最優秀脚色賞を受賞。その後、映画「ミッシング・デイ」(14)や「ディーン、君がいた瞬間(とき)」(15)で脚本を担当する。『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』(16)で、アカデミー脚色賞にノミネートされ、英国アカデミー(BAFTA)賞で最優秀脚色賞を受賞した。5冊の詩集を出版している詩人でもある。
BRAD PITT製作ブラッド・ピット
1963年12月18日生まれ、アメリカ・オクラホマ出身。数々の作品に出演し、人気・実力ともに兼ね備えたハリウッド俳優。2002年にプランBエンターテインメントを創立し、プロデューサーとして『ディパーテッド』(06)『それでも夜は明ける』(13)、『ムーンライト』(16)とアカデミー賞®作品賞に輝く作品を手掛ける。製作陣にはアンドリュー・ドミニク、テレンス・マリック、スティーヴ・マックィーン、ジェームズ・グレイ、デヴィッド・ミショッド、ライアン・クーグラー、バリー・ジェンキンズ、ポン・ジュノ、ブリット・マーリング、ザル・バトマングリッジら個性あふれるストーリーテラーが名を連ねている。プランBは将来を見据えて、常に新しい作品・販路にチャレンジし続けている。
kino cinema横浜みなとみらい:15:20-17:25 (120分)
https://eiga.com/news/20190416/12/
ニューヨークタイムズ・マガジン紙『薬物中毒の我が息子(My Addicted Son)』
https://www.nytimes.com/2005/02/06/magazine/my-addicted-son.html
David Sheff『Beautiful Boy: A Father’s Journey Through His Son’s Addiction』B0055X5LKG.2008
デヴィッド・シェフ(市ノ瀬美麗訳)『ビューティフル・ボーイ』 (マグノリアブックス) 文庫.オークラ出版2019
https://www.nytimes.com/2008/02/21/books/21masl.html