予告編
長編デビュー作「馬々と人間たち」で注目を集めたアイスランドのベネディクト・エルリングソンが監督・脚本を手がけ、合唱団講師と環境活動家という2つの顔を持つ女性が養子を迎え入れる決意をしたことから巻き起こる騒動を、ユーモラスかつ皮肉たっぷりに描いたヒューマンドラマ。風光明媚なアイスランドの田舎町。セミプロ合唱団の講師ハットラには、謎の環境活動家「山女」というもう1つの顔があり、地元のアルミニウム工場に対して孤独な闘いを繰り広げていた。そんな彼女のもとに、長年の願いであった養子を迎える申請がついに受け入れられたとの知らせが届く。ハットラは母親になる夢を実現させるため、アルミニウム工場との決着をつけようと最終決戦の準備に取り掛かるが……。2018年カンヌ国際映画祭の批評家週間でSACD賞を受賞。
処女長編作『馬々と人間たち』で鮮烈なデビューを飾り、世界中で20以上もの映画賞を獲得。アキ・カウリスマキや口イ・アンダーソンの後に続く、北欧の才能と目されるベネディクト・エルリングソン監督の最新作『たちあがる女』はコーラス講師と環境活動家、二つの顔を持つ女性ハットラが、新しい家族を迎え入れ、母親になる決意をしたことから巻き起こる騒動をユーモラスに描くヒューマンドラマだ。
雄大なアイスランドの自然と叙情的な音楽に彩られた現代のおとぎ話ともいえる物語は、とぼけた味わいとコミカルな笑いを醸しながらも、いまの人間社会において見逃してはいけない問題を皮肉たっぷりに浮かび上がらせていく。
本年度の力ンヌ国際映画祭・批評家週間の優秀な脚本に贈られる劇作家作曲家協会賞受賞を皮切りに、劇中で一人二役を演じた、主演女優ハルドラ・ゲイルハルズドッティルが二つの映画祭で最優秀女優賞を受賞したほか、2019年アカデミー賞®アイスランド代表作品に選出されるなど、現在も多くの映画祭を席巻中!
特に批評家たちから絶賛されているのが、主人公ハットラのキャラクター性だ。彼女は自然と音楽を愛し、幸せを手に入れるために行動することを騰踏しない強く自由な女性であり、男女平等度で十年連続一位を保っているアイスランドの土壌が反映されたような人物像なのだ。
さらに、元々舞台演出家であったエルリングソン監督は、本来スクリーンに姿を現すことのない劇伴奏者たち─ブラスバンドとウクライナの合唱隊を画面に登場させてしまうユニークな手法でハットラの心情を表現し、本作を唯一無二のものにしている。
また先日、本作は二度のオス力一に輝く、ジョディ・フォスター監督・主演でハリウッドリメイクされることが決定した。本作に強く魅了されたフォスターは、「この映画は私に言葉では言い表せない興奮を与えてくれました。ハットラを演じるのが待ちきれません。私はユーモアと情緒を大胆に、そして奇抜に融合させたこの作品に引き込まれ続けています。これは私達の時代を代弁する作品なのです」と語っている。
Story
風光明娼なアイスランドの田舎町に住むハットラは、セミプ口合唱団の講師。
彼女は周囲に知られざる、もうーつの顔を持っていた。
謎の環境活動家”山女”、として、密かに地元のアルミニウム工場に対して、孤独な闘いを繰り広げていたのだ。
そんなある日、彼女の元に予期せぬ知らせが届く。
長年の願いだった養子を迎える申請がついに受け入れられたのだ。
母親になるという夢の実現のため、ハットラはアルミニウム工場との決着をつけるべく、最終決戦の準備に取り掛かる―。
公式サイト:http://www.transformer.co.jp/m/tachiagaru/
https://www.unitedcinemas.jp/sp/yebisu/film.php?movie=7334&from=top
http://www.neol.jp/culture/79687/
監督:ベネディクト・エルリングソン
1969年5月31日生まれ。アイスランドの監督、作家、俳優。エルリングソンは舞台やテレビシリーズ、映画の役に加えて、舞台演出家としても知られている。彼の仕事は、アイスランドの劇場の歴史の中でも最も成功したと言われるものも多くあり、6年間、エルリングソン自身による舞台パフォーマンスが行われた。監督・脚本の長編一作目である『馬々と人間たち』は20以上の国際的な映画祭で様々な賞を受賞しており、その中には2013年のサン・セバスティアン国際映画祭と2014年のノルディック映画祭の新人監督賞も含まれる。また、ベネディクト・エルリングソンは2016年のGAN基金映画賞の受賞者でもある。
監督メッセージ
この映画は、我々の世界に差し迫っている脅威をテーマにした英雄物語です。
ヒーローを描いた冒険物語であり、シリアスな内容を笑顔で語るおとぎ話なのです。
主人公は、手つかずの野性を守る保護者で、アルテミスのような存在です。
彼女は一人でこの惑星の急速な変化に直面し、母なる地球と未来の世代を救う役割を担っています。
私たち観客は彼女に近い視点でこの映画を観ます。それが彼女の人生にアクセスする方法だからです。
アストリッド・リンドグレーンによる「はるかな国の兄弟」という小説に、兄弟のこんな会話があります。
ジョナサンは言った。たとえ難しくても危険でも、おまえにはやらなければならないことがある、と。
「それはなぜ?」驚いて僕は聞いた。
「そうでなければ、おまえは本当の人間ではない。ただのクソガキだ」
本作『たちあがる女』は、「本当の人間」になろうと奮闘する一人の女性についての映画なのです。
ハットラ/アウサ:
ハルドラ・ゲイルハルズドッティル
1968年8月12日生まれ。アイスランドの俳優、ミュージシャン、舞台演出家として、テレビ・映画・舞台の世界で多くの成功を収めている。代表的な作品は、人気テレビシリーズのクライムドラマ「CASE(原題)」(15)、ラグナル・ブラガソン監督作『METALHEAD(原題)』(13)、ベネディクト・エルリングソン監督作『馬々と人間たち』(13)、アグスト・グズムンドソン監督作『THE SEAGULL’S LAUGHTER(原題)』(01)など。ハルドラは舞台と映画において数々の賞ノミネートも誇っており、最近では、『METALHEAD』でアイスランド・アカデミー賞の助演女優賞部門、2015年の舞台版『リトル・ダンサー』で演じたバレエ教師役でアイスランド舞台芸術賞の女優賞部門にノミネートされている。
YEBISU GARDEN CINEMA:10:35-12:25 (101分)
ジョディ・フォスター監督・主演でハリウッドメイク決定!