予告編
第1次世界大戦後のフランスを舞台に2人の帰還兵が企てた大胆な詐欺事件を描くクライムドラマ。第1次世界大戦の終結目前。仏軍のプラデル中尉からの不条理な攻撃命令に従ったエドゥアールは、小心者の簿記係・アルベールの命を助け、顔に重傷を負ってしまう。良家の御曹司で才能あるアーティストであるエドゥアールは家族にも会いたくないと戦死を偽装。そんな彼をアルベールは手伝うことに。戦後、パリに戻った2人は貧しい共同生活をスタートさせる。そんな折、かつて彼らの上官だったプラデルが財を築いていたことを知った2人はある壮大な詐欺計画を企てる。エドゥアール役を「BPM ビート・パー・ミニット」のナウエル・ペレーズ・ビスカヤートが演じ、本作の監督を務めたアルベール・デュポンテルが相棒のアルベール役で出演。
「このミステリーがすごい!」大賞、週刊文春ミステリーベスト10など、日本の名だたるブックランキングで7冠を達成した「その女アレックス」。
著者のピエール・ルメートルは、ミステリー史の新しい扉を開いたと絶賛され、新作を発表するたびに世界中でベストセラーを記録している。
日本にもファンが多数いる彼の作品群の中でも、意欲的な異色作として高く評価され、フランス文学界で最も権威のあるゴンクール賞に輝いた傑作「天国でまた会おう」の映画化が実現した。
監督は、主人公の一人を務める俳優、アルベール・デュポンテル。
本国フランスで公開されるや大ヒットを記録し、2018年のセザール賞では13部門でノミネートされ、脚色賞や監督賞など5部門で受賞した。
深い友情で結ばれていく年の離れた二人を演じるのは、『BPM ビート・パー・ミニット』での鮮烈な演技が高く評価されたナウエル・ペレーズ・ビスカヤートとデュポンテル。
戦争で顔に重傷を負った御曹司のエドゥアールと、職も恋人も失った小心者のアルベールを演じる。二人の宿敵、プラデル中尉には、『エルELLE』の怪演も記憶に新しいロラン・ラフィット。エドゥアールの画家になりたいという夢を認めない父親マルセルには、『真夜中のピアニスト』のニエル・アレストリュプ。アートのような本物志向の美術と衣装、100%先の読めない物語が観る者の揺さぶるグランド・エンタテインメントが完成した。
1918年、休戦目前の西部戦線。生き埋めにされたアルベールを救ったエドゥアールは、その時に顔に重傷を負ってしまう。パリに戻った二人を待っていたのは、戦没者は称えるのに帰還兵には冷たい世間だった。仕事も恋人も失ったアルベールと、生還を家族にひた隠しにするエドゥアール。そこに、声を失ったエドゥアールの想いを“通訳”する少女が加わった。一度は負けた人生を巻き返すために、彼らは国を相手にひと儲けする大胆な詐欺を企てる。だが、そこには隠された本当の目的があった──。
公式サイト:http://tengoku-movie.com
アルベール・デュポンテル(脚本・監督・出演〈アルベール・マイヤール〉)
1964年、フランス生まれ。
俳優としてキャリアをスタートし、セザール賞にノミネートされた『つつましき詐欺師』(96・未)、ギャスパー・ノエ監督の『アレックス』(02)、ジャン=ピエール・ジュネ監督の『ロング・エンゲージメント』(04)、『モンテーニュ通りのカフェ』(06)、『地上5センチの恋心』(06)、ギャスパー・ウリエル共演の『ジャック・ソード選ばれし勇者』(07・未)、セドリック・クラピッシュ監督の『PARIS(パリ)』(08)、『プレイ-獲物-』(11)などに出演する。
1996年、脚本、主演も務めた『ベルニー』で長編映画監督デビューを果たし、セザール賞新人監督作品賞にノミネートされる。
その後も、『9 mois ferme(原題)』(13)で同賞作品賞、監督賞、主演男優賞にノミネートされ、脚本賞を受賞し、リュミエール賞監督賞、脚本賞にもノミネートされ、一流のフィルムメーカーとして高く評価される。
長編映画監督第6作目となる本作でも、セザール賞作品賞、主演男優賞にノミネートされ、監督賞と脚色賞に輝き、リュミエール賞作品賞、脚色賞にノミネートされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルベール・デュポンテル
ピエール・ルメートル(原作・脚本)
1951年、フランス生まれ。
2006年、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第1作「悲しみのイレーヌ」で作家デビューし、コニャック・ミステリ大賞他、4つの賞を受賞する。
シリーズ第2作「その女アレックス」は、栄誉あるイギリス推理作家協会インターナショナル・ダガー賞を受賞し、日本でも「このミステリーがすごい!」など4つの有名ミステリーランキングで1位となるなど大変な話題となり、世界各国でベストセラーを記録する。
続くシリーズ最終作「傷だらけのカミーユ」でもインターナショナル・ダガー賞を受賞する。2013年、本作の原作となる「天国でまた会おう」で、フランス最高峰の文学賞ゴンクール賞に輝くと共に、3度目となるインターナショナル・ダガー賞も獲得、ジャンルを超えてその才能を絶賛される。
さらに、本作の脚本もデュポンテルと共同で手掛け、セザール賞脚色賞を受賞する。その他の作品は、「死のドレスを花婿に」、「監禁面接」など。「天国でまた会おう」の続きとなる、エドゥアールの姉マドレーヌが主人公の「炎の色」も出版された。
TOHOシネマズ川崎:19:20-21:30 (117分)
https://eiga.com/movie/89102/critic/