予告編
「ムーンライト」でアカデミー作品賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督が、1970年代ニューヨークのハーレムに生きる若い2人の愛と信念を描いたドラマ。ドキュメンタリー映画「私はあなたのニグロではない」の原作でも知られる米黒人文学を代表する作家ジェームズ・ボールドウィンの小説「ビール・ストリートに口あらば」を映画化し、妊娠中の黒人女性が、身に覚えのない罪で逮捕された婚約者の無実を晴らそうと奔走する姿を描いた。オーディションで抜てきされた新人女優キキ・レインと、「栄光のランナー1936ベルリン」のステファン・ジェームスが主人公カップルを演じ、主人公を支える母親役でレジーナ・キングが出演。
前作『ムーンライト』で、『ラ・ラ・ランド』を抑え第89回アカデミー賞®作品賞に輝いたバリー・ジェンキンス監督の最新作は、彼がずっと映画化を夢見ていたジェイムズ・ボールドウィン原作、1970年代ニューヨークに生きる若きカップルの愛の物語。昨年のトロント国際映画祭でお披露目されると観客の熱狂的な支持を得て観客賞次点1位、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞脚色賞、助演女優賞を受賞、アメリカ映画協会賞作品トップ10他、数々の映画賞を席巻。第76回ゴールデン・グローブ賞では作品賞〈ドラマ部門〉、脚本賞、助演女優賞にノミネートされ、見事助演女優賞を受賞。そして本年度アカデミー賞®では見事、脚色、助演女優、作曲賞の3部門にノミネートされ大きな注目を集めている。
黒人作家としてアメリカ文学に金字塔を打ち立て、キング牧師らと共に公民権運動の旗手としても活躍したジェイムズ・ボールドウィン。彼が70年代に書いた「ビール・ストリートの恋人たち」(早川書房刊) 。映画化にあたり『ムーンライト』と同じプランBが製作に名を連ね、同作でアカデミー賞®にノミネートされた撮影、音楽のチームが再び集結し、この上なく官能的な映像美とロマンティックな世界を作り上げた。本作は、原作者の意思を受け継いだ、どんなに困難な状況にあっても、愛を諦めない恋人たちの普遍的なラブ・ストーリーであり、人種や社会階層に対する差別の問題が大きく浮上する現代に必要なメッセージに満ちた抵抗の物語である。そのメッセージは、愛と希望に満ち溢れている。
無実の罪で投獄された恋人のために身重な体で懸命に闘うヒロイン、ティッシュ役に新鋭キキ・レイン。ティッシュの恋人ファニー役に『栄光のランナー/1936ベルリン』で注目を集めたステファン・ジェームス。娘のティッシュを支える優しくも力強い母親シャロンには、2015年にドラマ・シリーズ「アメリカン・クライム」でエミー賞助演女優賞に輝いたレジーナ・キング。すでにこの役でゴールデン・グローブ賞の助演女優賞も受賞しており、アカデミー賞®の助演女優賞も本命視されている。実力派の黒人キャストたちに加え、ドラマ「ナルコス」のペドロ・パスカル、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)のディエゴ・ルナ、『グランド・イリュージョン』(13)のデイヴ・フランコが出演するなど、脇を固めるアンサンブル・キャストも見逃せない。
「赤ちゃんができたの」
1970年代のニューヨーク。ティッシュは19歳。恋人のファニーは22歳。幼い頃から共に育ち、自然と愛を育み、運命の相手を互いに見出した二人にとって、それは素晴らしい報告のはずだった。
しかし、ファニーは無実の罪で留置所にいる。彼はティッシュの言葉を面会室のガラス越しに聞いた。小さな諍いで白人警官の怒りを買った彼は強姦罪で逮捕され、有罪となれば刑務所で恥辱に満ちた日々を送るしかない。二人の愛を守るために家族と友人たちはファニーを助け出そうと奔走するが、そこには様々な困難が待ち受けていた…。魂を試されるようなこの試練を乗り越え、恋人たちは互いの腕の中に帰ることが出来るだろうか。
https://eiga.com/news/20190223/9/
公式サイト:https://longride.jp/bealestreet/
https://ja.wikipedia.org/wiki/ビール・ストリートの恋人たち
監督・脚本 バリー・ジェンキンス Barry Jenkins
1979年11月19日生まれ、アメリカ・フロリダ州マイアミ出身。『Medicine for Melancholy』(08・未)で長編デビューし、ニューヨーク・タイムズ紙のA・O・スコット選で2009年の最優秀作品に選ばれた。2013年にはニューヨーク・タイムズ紙の“世界の映画界で観るべき20人の監督”の1人に選出された。長編2作目となる『ムーンライト』(16)で、第89回アカデミー賞において作品賞、脚色賞、助演男優賞の3部門を受賞。黒人だけのキャスト・監督・脚本による作品での作品賞受賞は史上初となり、まさに歴史を変えた一本となった。最新作には、米作家コルソン・ホワイトヘッドによるピューリッツァー賞受賞小説をドラマ化する、アマゾンの新リミテッドシリーズ「The Underground Railroad」が控えている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/バリー・ジェンキンス
横浜ブルク13: 14:15-16:25 (119分)
原作 ジェイムズ・ボールドウィン James Baldwin
1924年8月2日生まれ、アメリカ・ニューヨーク州ハーレム出身。アメリカ合衆国の小説家、劇作家、詩人、および公民権運動家。1953年に処女作である自伝的小説「山を登りて告げよ」を発表し、1955年に「アメリカの息子のノート」、1956年に「ジョヴァンニの部屋」を発表。同作では同性愛を描き、衝撃的な内容が当時の社会に波紋を呼んだ。人種差別への怒りをこめて書き上げた「もうひとつの国」(62)「次は火だ」(63)の2作品が大きな反響を呼ぶ。アメリカ各地で講演旅行を行い1963年にはキング牧師が名演説を行った歴史的デモ、ワシントン大行進に参加。公民権運動における中心的人物・思想家として重要な役割を果たし、ニーナ・シモン、マイルス・デイヴィス、トニ・モリソン、ジャン=ポール・サルトル、ボブ・ディランら様々なアーティスト、作家、知識人たちと親交を結んだ。2016年には未完の原稿を基にしたドキュメンタリー『私はあなたのニグロではない』が第89回アカデミー賞において長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた。没後30年を経た今もオバマ前大統領やマドンナらが敬愛するなど多くの人々に影響を与え続けている。
本作の原作「ビール・ストリートの恋人たち」は、1月に早川書房より新訳が刊行される。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジェイムズ・ボールドウィン
製作総指揮ブラッド・ピット Brad Pitt
1963年12月18日生まれ、アメリカ・オクラホマ州出身。数々の作品に出演し人気・実力ともに兼ね備えたハリウッド俳優。プロデューサーとしても精力的に活躍し、2002年プランBエンターテインメントを創立。これまで手掛けた主な作品に『ディパーテッド』(06)、『ジェシー・ジェームズの暗殺』(07)、『ツリー・オブ・ライフ』(11)、『ワールド・ウォーZ』(13)、『それでも夜は明ける』(13)、『グローリー/明日への行進』(14)、『マネー・ショート華麗なる大逆転』(15)、ジェンキンス監督の『ムーンライト』(16)などがある。最新作にはクリスチャン・ベール主演、アダム・マッケイ監督『バイス』(2019年4月日本公開)が控えている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラッド・ピット