予告編
本作が長編デビューとなるフランスの新鋭グザビエ・ルグランが、第74回ベネチア国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したヒューマンドラマ。離婚したブレッソン夫妻は11歳になる息子のジュリアンの親権をめぐって争っていた。ミリアムは夫のアントワーヌに子どもを近づけたくはなかったが、裁判所はアントワーヌに隔週の週末ごとにジュリアンへの面会の権利を与える。アントワーヌはジュリアンに、共同親権を盾にミリアムの連絡先を聞き出そうとするが、ジュリアンは母を守るために必死で嘘をつき続けていた。アントワーヌの不満は徐々に蓄積されていき、やがてジュリアンの嘘を見破るが……。
長編初監督ながら卓越した演出力で俳優からリアルで自然な演技を引き出し、世界各国で注目と賞賛を浴びている、“もう一人の”グザヴィエ監督。2013年にフランス映画祭で上映された同監督の短編『すべてを失う前に』(12)はアカデミー賞®短編部門にノミネートされるなど実力はかねてから評価されていた。今作は同じテーマを同じキャストを使って長編化した渾身の一作。離婚した夫婦とその子供の家族の関係を描きながら、張り詰めた緊張感が終始途切れず最後まで続き、観る者を圧倒する。車の音、エレベーターの音、暗闇など、身近な物音を効果的に使い、観客の想像力を最大限に引き出す手腕は見事!サスペンスを超える傑作ドラマが誕生した!
両親が離婚したため、母ミリアム、姉と暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。離婚調整の取り決めで親権は共同となり、彼は隔週の週末ごとに別れた父アントワーヌと過ごさねばならなくなった。母ミリアムはかたくなに父アントワーヌに会おうとせず、電話番号さえも教えない。アントワーヌは共同親権を盾にジュリアンを通じて母の連絡先を突き止めようとする。ジュリアンは母を守るために必死で父に嘘をつき続けるが、それゆえに父アントワーヌの不満は徐々に溜まっていくのであった。家族の関係に緊張が走る中、想像を超える衝撃の展開が待っていた。
11歳のジュリアンは両親が離婚し、母ミリアムと姉と暮らすことになった。裁判所での離婚調停により、親権は共同ということに。この結果、ジュリアンは隔週の週末ごとに離れて暮らす父アントワーヌと過ごさなければならなくなってしまう。単独親権を切望していた母は、父との一切の接触を拒み、連絡先や住所すら知らせない。会話すらも取り合わない母に対し、不信感をつのらせる父は共同親権をいいことにジュリアンに連絡を聞き出そうと迫った。しかしジュリアンは、嘘の住所を教えたり、携帯電話に登録されている母の電話番号さえも消すことで、なんとか母を守ろうとする。友人もおらず、仕事も失くし、家族からも嫌われ、実家にも居場所が無く、妻の連絡先すら教えて貰えない父の不満や怒りは溜まるばかり。ついに連絡先を突き止めた父だったが、とある会話からミリアムに新しい恋人ができたと思い込んでしまったことで、暴走が始まる・・・
公式サイト:https://julien-movie.com
http://qualite.musashino-k.jp/movies/6301/
https://joji.uplink.co.jp/movie/2018/668
http://unifrance.jp/festival/2018/films/78/
監督:監督 グザヴィエ・ルグラン Xavier Legrand
1979年フランス生まれ。フランス国立高等演劇学校で演劇を学んだ。様々な演出家のもとで、チェーホフ、シェイクスピア、ハロルド・ピンター、ミシェル・ヴィナヴェール、ペーター・ハントケの作品の舞台に立ち、映画ではフィリップ・ガレル監督、ローラン・ジャウィ監督、ブノワ・コーエン監督、ブリジット・シィ監督の作品に出演してきた。監督として初めて手がけた短編映画『すべてを失う前に』(12)は100を超える映画祭に選出され、第86回アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされたほか、第35回クレルモン・フェラン国際短編映画祭において4部門で賞を獲得し、第39回セザール賞短編映画賞を受賞するなど、いくつもの賞に輝いた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/グザヴィエ・ルグラン
新宿シネマカリテ:14:45-16:27 (93分)