予告編
「カミーユ、恋はふたたび」の監督・脚本・主演を務めたノエミ・ルボフスキーが、自身の子ども時代を詩的な表現で描いたファンタジードラマ。パリで暮らす9歳の少女マチルドは、少し変わり者のママの突飛な言動に振り回されてばかりで、学校でも友だちができず孤独な毎日を送っていた。そんなある日、ママが小さなフクロウを連れて来る。そのフクロウはなんと話すことができ、マチルドに理知的な言葉を投げかけながら、彼女がピンチに陥ると守護天使のように守ってくれる。フクロウと幸せな時間を過ごすマチルドだったが、やがてママがまた騒動を起こし……。ルボフスキー監督が情緒不安定な母親役を自ら熱演し、主人公マチルドにはこれがデビュー作となるリュス・ロドリゲスを起用。マチルドを優しく見守る父親役を「007 慰めの報酬」のマチュー・アマルリックが演じた。
孤独ではみだし者のマチルド。はじめて出来た友だちは小さなおしゃべりフクロウ。
フランス、パリ。精神不安定なママの突飛な行動に振り回され、学校でも友人ができず孤独な日々をおくる9歳のマチルド。ある日、ママが小さなフクロウを連れてきた。驚くことに、フクロウはマチルドに話しかけてきた。度重なるピンチに、理知的な言葉を投げかけながらマチルドを守るフクロウはまるで守護天使のよう。幸せに見えたのも束の間、やっぱりママは騒動を起こしてしまう……。
母と娘のユニークなエピソードが、ポップな色彩で、表現力豊かに描かれる本作。親子の絆を痛感させる切なくファンタジックな展開が、観る者に優しい余韻を残す。
フランスで90万人動員の実力派監督・女優ノエミ・ルヴォウスキーが母に捧げた
色彩豊かでファンタジックな自伝的物語。
ノエミ・ルヴォウスキーは前作『カミーユ、恋はふたたび』(12)がフランスで90万人を動員する大ヒットを飛ばした人気監督であり、セザール賞に7度もノミネートされた名女優。本作では監督を務めながら、情緒不安定な母を熱演し、自らの子ども時代を詩的な表現で紡ぐ。マチルド役は初演技にして成熟した表現を見せた新星リュス・ロドリゲス、そしてマチルドを優しく見守る父役を監督・出演作『バルバラセーヌの黒いバラ』(17)が話題のマチュー・アマルリックが演じ、作品に温かみをもたらしている。
9歳のマチルドは情緒不安定な母と、フランス・パリのアパルトマンで暮らす。母と一緒に向かった学校での面談では、友達のいないマチルドを心配する先生をよそに母の会話は何だかチグハグ。奇行や意味不明な会話が続くそんな母でも、マチルドは母のことが大好きだ。親に甘えたい年頃のマチルドは戸惑いの中、不安を抱きながらも、日々明るく強く生きる。
ある日家に帰ると、マチルドは母から大きな包みのプレゼントをもらった。中には鳥かごに一羽の小さなフクロウが。その日の夜、マチルドがベッドに入ると、どこからか「おやすみ」の声。自分一人しかいないはずの部屋で、その声の主は、あのフクロウだった。驚いたマチルドは母親に話すも、フクロウと会話できるのはマチルドだけである。彼はマチルドにとって親友であり家族の様であり、心の拠り所になっていった。フクロウはマチルドを気遣い、常に寄り添い、危うい場面ではアドバイスを送るのだ。
ボヤ騒ぎや引越し騒動など、目まぐるしく事件が起き、ついには離れて暮らすマチルドの父親が彼女らを案じやってくるのだが……。
公式サイト:http://www.senlis.co.jp/mathilde-tsubasa/
監督/脚本/出演(マチルドの母=ザッシンガー夫人)
ノエミ・ルヴォウスキーNoémie Lvovsky
1964年、パリ生まれ。大学卒業後、フランスの国立映画学校(FEMIS)に入学。同校の同級生であったエマニュエル・ドゥヴォスを主演に迎えて撮った短編『Dis-moi oui, dis-moi non』(89)で監督デビュー。アルノー・デプレシャン監督作『二十歳の死』(91)や『魂を救え!』(92)などの制作に参加した後、『私を忘れて』(94)で長編監督デビューを果たし、テッサロニキ国際映画祭最優秀脚本賞受賞や仏映画誌カイエ・デュ・シネマの年間ベストテン選出など、高い評価を受ける。続いて『人生なんて怖くない』(99)で、ジャン・ヴィゴ賞やロカルノ国際映画祭銀豹賞を受賞。『Les sentiments』(03)で、ルイ・デリュック賞を受賞しフランスを代表する女流監督となる。
女優としてはイヴァン・アタル監督作『ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール』(01)でデビュー。その後ブノワ・ジャコ監督作『マリー・アントワネットに別れをつげて』(12)などに出演。セザール賞主演女優賞に1度、助演女優賞には6度もノミネートされるなど、演技力も高く評価されている。
監督、脚本、主演を務めた前作『カミーユ、恋はふたたび』(12) は、セザール賞3部門にノミネート。フランスで90万人を動員する大ヒットを記録した。
新宿シネマカリテ:16:55-18:37 (95分)