予告編
日本とミャンマーを舞台に、ある在日ミャンマー人家族に起こった実話をベースに描いたドラマ。東京にある小さなアパートに暮らすケインと幼い2人の息子たち。夫のアイセが入国管理局に捕まってしまったため、ケインは1人で家庭を支えていた。日本で育ったため、母国語が話せない子どもたちに、ケインは不慣れな日本語で精いっぱいの愛情を注いでいたが、兄弟は父親に会えないストレスからケンカを繰り返す毎日。そんな日常から、今後の生活に不安を抱くようになったケインは、生まれ育ったミャンマーへ帰りたいという思いが募っていく。監督は本作が長編デビュー作となる藤元明緒。2017年・第30回東京国際映画祭「アジアの未来」部門に出品され、同部門の作品賞および国際交流基金アジアセンター特別賞の2つの賞を受賞した。
公式サイト:https://passage-of-life.com
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=39
https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2018/53016
脚本/監督/編集 藤元明緒
1988年大阪府生まれ。大学で心理学・家族社会学を学んだ後、ビジュアルアーツ専門学校大阪・放送映画学科に入学。卒業制作である短編映画『サイケファミリア』が、ドバイ国際映画祭、なら国際映画祭などで上映。長編初監督作品となる、『僕の帰る場所』を日本ミャンマーを舞台に5年の月日をかけ完成させる。現在、制作拠点をミャンマー・ヤンゴンに移し、日本ミャンマー合作映画制作のマネージメントやテレビドキュメンタリー制作のディレクターに携わる等、国際的に活動している。
http://www.cinemajournal.net/special/2018/boku/index.html
「監督インタビュー」
J&B:21:50-23:30 (98分)
ある在日ミャンマー人家族に起きた、切なくも心温まる感動の実話
東京の小さなアパートに住む、母のケインと幼い二人の兄弟。入国管理局に捕まった夫アイセに代わり、ケインは一人家庭を支えていた。日本で育ち、母国語を話せない子ども達に、ケインは慣れない日本語で一生懸命愛情を注ぐが、父に会えないストレスで兄弟はいつも喧嘩ばかり。ケインはこれからの生活に不安を抱き、ミャンマーに帰りたい想いを募らせてゆくが——。
世界的な関心事項である”移民“という題材を、ミャンマーでの民主化の流れや在日外国人の家族を取り巻く社会を背景に描く。出演者の多くには演技経験のないミャンマーの人々を多数起用。まるでドキュメンタリーを思わせる映像は、ミャンマー人一家の生活を優しく見守りつつ、彼らが置かれた厳しい環境をありのままに映し出すシビアな眼差しで貫かれている。
東京国際映画祭「アジアの未来」部門では日本人監督初のグランプリと監督賞を、オランダ・シネマジア映画祭では子役のカウン・ミャッ・トゥが最優秀俳優賞を受賞。国内外の数々の映画祭に招待上映され、アジアの話題作の一つとして注目を浴びている。東京国際映画祭の授賞式では、”ある家族の物語を繊細に語ることで、世界中の様々な家族のメタファーとなっている。フィクションを用い、現実の困難さを素晴らしく芸術的に描き、大変優れた映画的な価値と演技を持つ作品だ”と評された。