予告編
ハル・ベリー(アカデミー賞®受賞『チョコレート』)×ダニエル・クレイグ(『007』シリーズ)2大スター奇跡の競演!!『裸足の季節』のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督最新作。
オスカー女優のハル・ベリーと、「007」シリーズで知られるダニエル・クレイグの共演で、1992年のロサンゼルス暴動に巻き込まれた家族を描いたドラマ。デビュー作「裸足の季節」がアカデミー外国語映画賞にノミネートされたデニズ・ガムゼ・エルギュベン監督がメガホンを取った。92年、ロサンゼルス・サウスセントラル。ミリーは家族と一緒に暮らすことができない子どもたちを、貧しいながらも愛情を注いで育てていた。隣に暮らすオビーはミリーたちの騒々しさに文句をつけながらも、陰では彼らをあたたかく見守っていた。そんな中、黒人が犠牲になった事件で不当判決が下されたことから、暴動がぼっ発。その影響でミリーたちの生活にも変化が訪れる。ミリー役をベリーが、オビー役をクレイグがそれぞれ演じる。
Story
LA・サウスセントラル。ミリーは家族と暮らせない子供たちを育てていた。貧しいけれども、ミリーが与える愛情のおかげで誰もが居場所を見つけ、家には子供たちの笑顔が溢れていた。白人の隣人オビーは騒々しいミリー一家にいつも文句を言うが、心根はやさしく、実は彼らを見守っている。
ある日、ミリーは母親が逮捕され、帰る家を失った少年ウィリアムを保護し、一緒に暮らすようになる。さらに、兄弟の面倒を見ている真面目な長男ジェシーの学校の同級生でジェシーがほのかに恋心を抱いているニコールも家を失い、さまよっていた。黒人ばかりが暮らすこのサウスセントラルで、どの家も生活は苦しく、子供を顧みる余裕はない。ジェシーはウィリアムの素行の粗さが気になるが、それでも少しずつ距離を縮めていく。
1991年はLAでふたつの大きな事件が起きた。黒人男性が白人警官たちから理不尽な暴行を受けたロドニー・キング事件と15歳の黒人少女が万引きと間違えられて韓国系の女店主に射殺されたラターシャ・ハーリンズ射殺事件。
ラターシャ・ハーリンズ事件は保護観察処分と500ドルの罰金という収監なしの判決が下る。人の命を奪っておきながら、事実上無罪のような判決に怒りが沸き上がるLAの街。
1992年4月、ロドニー・キング事件の公判で、集団暴行をした4人の警官に無罪の評決が出る。黒人が犠牲になったふたつの事件への不当な評決に、街の怒りは沸点に達した。そして、白人と韓国系商店を標的として、LA暴動が起こる。
血の気の多いウィリアムは暴動に加わろうとし、ジェシーはそれを止めようとする。暴徒と化した市民が商店から略奪している映像をテレビで見て、店に向かう子供たち。小さな子供たちだけが家に残される。ミリーとオビーは子供たちを守ろうと必死に混乱を極めた街を奔走する。
ただ、一緒にいられれば、それだけで良かった。ささやかに暮らしていたはずのミリーたちの生活はある時一変する――。
公式サイト:http://bitters.co.jp/MySunshine/index.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/マイ・サンシャイン
ミリー:ハル・ベリー Millie Dunbar:Halle Berry
1966年8月14日、アメリカ、オハイオ州クリーブランド生まれ。89年、コメディ番組の主役に抜擢された後、『ジャングル・フィーバー』(91/スパイク・リー監督)で映画デビュー。マーベルの大ヒットシリーズ『X-MEN』で天候を操るミュータント、ストーム役を2000年の第一作目から演じ一躍人気を博す。01年、主演を務めたマーク・フォースター監督作『チョコレート』で、過去を引きずる女を演じ、夫を処刑した男との哀しみに満ちた恋心を繊細に表現し、黒人女性初のアカデミー賞®主演女優賞に輝いた。その他の代表作は、『007/ダイ・アナザー・デイ』(02/リー・タマホリ監督)、『キャットウーマン』(04/ピトフ監督)、『クラウドアトラス』(12/ラナ・ウォシャウスキー監督、トム・ティクバ監督、アンディ・ウォシャウスキー監督)、『キングスマンゴールデン・サークル』(18/マシュー・ボーン監督)など。『チェイサー』(17/ルイス・プリエト監督)では主演とプロデューサーを務めた。“Bruised”で主演と共に長編監督デビューすることが発表された。
オビー:ダニエル・クレイグ Obie Hardison:Daniel Craig
1968年3月2日、イギリス、チャシャー州チェスター生まれ。映画、舞台、テレビ、映画と幅広く活躍。世界的大ヒット作『007』シリーズの第6代ジェームズ・ボンド役で知られ、最新作『007スペクター』(15/サム・メンデス監督)など4作品でボンドを演じている。2012年、世界的ベストセラーを元にデヴィッド・フィンチャーが監督した『ドラゴン・タトゥーの女』に主演。その他、『パワー・オブ・ワン』(93/ジョン・G・アビルドセン監督)、『レイヤー・ケーキ』(06/マシュー・ボーン監督)、『ミュンヘン』(06/スティーブン・スピルバーグ監督)などに出演。『スター・ウォーズフォースの覚醒』(15/J・J・エイブラムス監督)ではストームトルーパー役でカメオ出演している。舞台俳優としても高い評価を受けており、“A Steady Rain”(09)、「オセロ」(16)などに出演。13年に出演したブロードウェイ劇“Betrayal”は14週間にわたってロングラン上演され、1億7500万ドルを売り上げた。
監督・脚本:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
Deniz Gamze Ergüven
1978年6月4日、トルコ・アンカラ生まれ。フランス、トルコ、アメリカをまたぎ、都会的に育った。ヨハネスブルグ大学で文学、同大学院修士でアフリカの歴史を専攻後、フランス国立映画学校(FEMIS)の監督専攻で学んだ。卒業制作の“Bir Damla Su(Une goutte d’eau)”はカンヌ国際映画祭のオフィシャル・セレクションで上映され、ロカルノ国際映画祭のレオパーズ・オブ・トゥモロー部門でFilm and Video Subtitling賞を受賞した。
長編デビュー作『裸足の季節』は、カンヌ国際映画祭監督週間に出品されるや各国プレスから絶賛され、ヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞。その後、世界中の映画祭を席巻し続け、トルコ出身の女性監督によるトルコ語作品ながら、同年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『ディーパンの闘い』(16/ジャック・オディアール監督)などの並みいる強豪を押しのけてアカデミー賞®フランス代表に選ばれ、同外国語映画賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。自国語以外の作品がフランス代表となったのは『黒いオルフェ』(59/マルセル・カミュ監督)以来、56年ぶり2度目である。
本作『マイ・サンシャイン』は、FEMIS卒業後から監督が長期にわたり温めていた企画。
J&B:15:25-16:50 (87分)
BACK GROUND
ラターシャ・ハーリンズ射殺事件
15歳のアフリカ系アメリカ人の少女ラターシャ・ハーリンズが、サウスセントラルの食料品店の韓国系女店主トゥ・スンジャによって殺害される。事件から8か月後、陪審員の意見を無視してトゥ・スンジャには執行猶予付き5年の懲役、400時間の社会奉仕、500ドルの罰金という非常に軽い刑が言い渡される。
ロドニー・キング事件
26歳のアフリカ系アメリカ人ロドニー・キングが、スピード違反でLA市警から追跡された末、警官数人に殴打される。1年後に行われた裁判の陪審員は黒人はひとりも入らず、進められた。審議の結果、4人の警官は無罪釈放となる。
LA暴動
ロドニー・キング事件の評決結果の報道から2時間後、サウスセントラルで最初の暴動が発生。暴徒と化した市民が韓国系店を中心に商店を襲い、放火や略奪を行い、全米各地で小規模な暴動や抗議を生んだ。
司法省が、ロドニー・キング事件について、公民権法違反容疑でのFBIによる再捜査をアナウンスするなどによって、6日間続いた暴動は収束に向かう。50名を超える死者、4,000人の逮捕者、3,600件の火災が発生、1,100の建物が破壊された。