予告(12月7日公開)
現代のインドで、安全で安価な生理用品の普及に奔走した男の実話を映画化したヒューマンドラマ。インドの小さな村で最愛の妻と新婚生活を送るラクシュミは、貧しくて生理用品が買えず不衛生な布を使用している妻のため、清潔で安価なナプキンを手作りすることに。生理用品の研究とリサーチに明け暮れるラクシュミは、村人たちから奇異な目を向けられ、数々の誤解や困難に直面する。そんな彼の熱意に賛同した女性パリーの協力もあり、ついに低コストで大量生産できる製造機の発明に成功。農村の女性たちに、ナプキンだけでなく、その製造機を使って働く機械も与えようと奮闘するラクシュミだったが……。主演は「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」のアクシャイ・クマール。共演に「ミルカ」のソーナム・カプール。
公式サイト:http://www.padman.jp/site/
https://ja.wikipedia.org/wiki/パッドマン_5億人の女性を救った男
監督・脚本R.バールキ R. Balki
本名R.バーラクリシュナン。妻は『マダム・イン・ニューヨーク』の監督ガウリ・シンデー。23歳の時に広告会社に入りCFを多数制作。2007年に念願叶って第1回監督作品『Cheeni Kum(砂糖は控え目)』を発表。新人監督ながら、ロンドン在住のインド料理シェフ役に大スターのアミターブ・バッチャンを起用し、大人の恋とインド料理談義を盛り合わせた作品を作り上げた。その後『Paa(パパ)』(09)、『Shamitabh(シャミターブ)』(15)でもバッチャンを起用。本作でも発明コンペの受賞シーンで彼が特別出演するほど大きな信頼を寄せられている監督である。
TOHOシネマズシャンテ:16:20-18:35 (137分)
本作の物語には実在のモデルがいる。モデルとなったのはアルナーチャラム・ムルガナンダム氏。1962年南インド生まれの56歳。彼は商用パッド(ナプキン)の3分の1もの低コストで衛生的な製品を製造できるパッド製作機の発明者。かつ、女性たち自らがその機械を使い、作ったナプキンを女性たちに届けるシステムを開発した彼の活動は高く評価されて、2014年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたほか、2016年にはインド政府から褒章パドマシュリも授与された。
アルナーチャラム・ムルガナンダム Arunachalam Muruganantham
「パッドマン」として知られる社会企業家。1962年、タミル・ナードゥ州コインバトールで機織り職人の家に生まれる。幼い時に父が交通事故で亡くなったため、貧困の中で成長する。母が農園労働者として働き、彼を学校に通わせたが、それも14歳までで、以後様々な仕事に従事する。1998年に妻シャーンティを迎え、初めて女性の生理時の実態を知るナプキンが材料費の40倍もの値段で売られていることを知ったムルガナンダムは、ナプキンの手作りに乗り出すが、インド社会ではいまだタブーの生理に触れる彼の行動は様々な波紋を巻き起こす。本作に描かれたように、動物の血を使った実験や、女子医科大の学生に協力を仰ぐなどの努力を経て、2年後に市販ナプキンの材料セルロース・ファイバーにたどり着く。その後、ナプキン製造企業が使う大きな機械からヒントを得て簡便な製造機を発明、輸入品では3,500万ルピー(約5,600万円)していた機械が65,000ルピー(約10万円)で作れるようになった。2006年、チェンナイのインド工科大学で自らの機械をデモンストレーション、それが草の根テクノロジー発明賞を受賞する。以後、簡易ナプキン製造機を作っては女性の自助グループに販売し、起業と意識改革をうながした。その対象はインドのみならず、海外にも広がっている。それらの功績に対し、2014年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたほか、インド政府からは2016年に褒章パドマシュリを授与された。