予告編
太平洋戦争時にマーシャル諸島で命を落とした日本人兵士の息子が、父が最期を過ごした地を訪れる姿を記録したドキュメンタリー。太平洋戦争中、日本の委任統治下にあったマーシャル諸島では2万人の日本兵が死亡した。その中のひとり、佐藤冨五郎さんも飢えで命を落とすが、冨五郎さんが死の直前まで書き続けていた日記は戦後、戦友の手により家族のもとに届けられる。2歳で父親と別れ、74歳になった息子の佐藤勉さんは2016年4月、日記を手がかりに、マーシャル諸島に住んだことのある若者2人に案内役を頼み、父の最期の地を巡る。旧日本軍の建物など、いまだ多くの戦跡が残るマーシャル諸島の地を巡る佐藤さんの旅を通して、「タリナイ」が意味するものなどを描き出していく。監督は、これが初監督作となる大川史織。大川監督と同い年で、タレントやラジオパーソナリティとして活躍する藤岡みなみがプロデューサーを務めた。
1945年4月。
ひとりの日本兵が戦地マーシャル諸島で命を落とした。
補給が絶たれたことによる飢えであった。
亡くなる数時間前まで書かれた日記と遺言は
戦後奇跡的に生き残った戦友から遺族のもとへ届けられた。
2016年4月。
74歳になった息子は
マーシャル在住歴のある若者3人とともに
父が過ごした最期の地をめぐる旅に出た。
今もなお戦跡とともに暮らす島のひとびと。
マーシャル語の中に残る日本語。
「タリナイ」が意味するもの。
わたしたちが忘れようとしてきた記憶が
さまざまなかかたちで問いかけてくる。
公式サイト:https://www.tarinae.com
https://shibuya.uplink.co.jp/movie/2018/52198
https://cinemarine.co.jp/tarinae/
(12/9(日)10:00回上映後、大川史織監督の舞台挨拶)
大川史織/Shiori Okawa監督
https://digital.asahi.com/articles/DA3S13799911.html?_requesturl=articles%2FDA3S13799911.html&rm=150
題名の「タリナイ」は地元の言葉で戦争をさす。時間や空間を超える想像力が足りないとのメッセージを重ねた。
1988年神奈川県生まれ。2006年第9代高校生平和大使の旅で、アウシュヴィッツ博物館公式ガイド中谷剛さんのツアーに感銘を受ける。2007年日本統治や被ばくの歴史のあるマーシャル諸島で聞いた日本語の歌に心奪われ、2011年慶應義塾大学法学部政治学科卒業後マーシャル諸島に移住。日系企業で働きながら、マーシャルで暮らす人びとのオーラル・ヒストリーを映像で記録。マーシャル諸島で戦死(餓死)した父を持つ息子の慰霊の旅に同行したドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018)で初監督。現在は国立公文書館アジア歴史資料センター調査員(非常勤職員)。『マーシャル、父の戦場―ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林)編者。
http://www.webdice.jp/dice/detail/5684/
藤岡みなみ/Minami Fujiokaプロデューサー
1988年生まれ。8歳で子役デビュー。上智大学在学中からタレント、エッセイスト、歌手として活動する。ジャイアントパンダ、北海道、縄文土器、四川料理、DIY、タイムトラベル映画を研究中。ラジオ番組『藤岡みなみのおささらナイト』が話題になり2015年好きなラジオDJランキングAM部門第1位を獲得。著書に『藤岡みなみの穴場ハンターが行く!in北海道』(北海道新聞社)、『シャプラニール流人生を変える働き方』(エスプレ)がある。
横浜シネマリン:10:00-11:35 (93分)
大川史織『マーシャル、父の戦場:ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』みずき書林2018
楽シイ時モ苦シイ時モ
オ前達ハ互ヒニ信ジ合嬉シイ事分チ合ヒ――
1945年、南洋のマーシャル諸島で多くの日本兵が餓死した。
そのなかのひとり、佐藤冨五郎が死ぬ直前まで綴った日記と遺書は、戦友の手を経て息子のもとへ渡り、73年の時を超えて解読されることになる。
そこには、住み慣れない島での戦地生活、補給路が絶たれるなかでの懸命の自給自足、そして祖国で待つ家族への思いが描かれ、混乱と葛藤のなか、自身も死へと向かう約2年間が精緻に記されていた。
〈70年以上前に・南洋で・餓死した〉日本人といまをつなぐ、〈想像力〉の歴史社会学。
《マーシャル諸島共和国》
人口約5万人
そのうち約3分の2は米国本土やハワイ、グアムで暮らす
29の環礁と1200以上の島々からなる島嶼国
日本の委任統治時代は南洋群島のマーシャル群島と呼ばれていた
アジア・太平洋戦争では約2万人の兵士がマーシャル諸島で命を落とした
現在は世界有数のダイビングスポット、モモタロウ、カネコ、ヤマムラなど
日本にルーツをもつマーシャル人も多い
https://ja.wikipedia.org/wiki/マーシャル諸島
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/marshall/index.html