予告編
国連史上最悪の政治スキャンダルといわれる汚職事件を描いたポリティカルサスペンス。原作は、元国連職員の作家マイケル・スーサンが自身の体験を基に執筆した小説で、人道支援のための「OFFP(石油・食料交換プログラム)」の裏で行われていた不正を描いた。2002年、国連事務次長の特別補佐官に任命されたアメリカ人青年マイケルは、国連が主導する「石油・食料交換プログラム」を担当することに。それは、クウェート侵攻に対するイラクへの経済制裁の影響で貧困にあえぐイラクの民間人を救うための人道支援計画で、国連の管理下でイラクの石油を販売し、食料に変えてイラクの国民に配るというプロジェクトだった。しかし、そこにはフセイン自身や、国連を中心とした世界各国の企業や官僚機構が深く関わっており、それがやがて巨額の汚職事件へと発展していく。監督は「ストックホルムでワルツを」のペール・フライ。「ダイバージェント」シリーズのテオ・ジェームズが主演のほか、製作総指揮も務めた。
公式サイト:http://baghdad-s.com
http://qualite.musashino-k.jp/movies/5731/
https://ja.wikipedia.org/wiki/バグダッド・スキャンダル
監督:ペール・フライ
『ストックホルムでワルツを』(13)でスウェーデン映画界最高の栄誉である第49回ゴールデン・ビートル賞で監督賞を受賞し劇場でもヒットを記録。
デンマーク出身。主な作品には、大ヒット長編3部作『The Bench』(00)、『The Inheritance』(03)、『Manslaughter』(05)などがある。『ストックホルムでワルツを』(13)で、同年のスウェーデン映画の興行成績第1位に輝き、スウェーデン版のアカデミー賞、第49回ゴールデン・ビートル賞で11部門にノミネートされて最優秀監督賞を含む4部門を受賞した。2005年、デンマークの皇太子夫妻が授与する文化賞を受賞。2009年にはデンマーク女王陛下からダンネブロ勲章を受勲したほか、デンマーク映画界で傑出した若手監督に授与されるカール・テオドア・ドライヤー賞も受賞している。
新宿シネマカリテ:14:25-16:15(108分)
国連史上最悪のスキャンダルとなった「石油・食料交換プログラム」国連職員として働いた経験のあるマイケル・スーサンが、自身の体験を基に書き起こした2008年の小説「Backstabbing for Beginners」が原作。小説はウォール・ストリート・ジャーナルが選ぶ“ブック・オブ・ザ・イヤー”、CNNが選ぶ“ブック・オブ・ザ・ウィーク”に選ばれた。
国連史上最悪のスキャンダルとなった「石油・食料交換プログラム」
舞台はイラク戦争直前の2000年代初頭。長年経済制裁が敷かれ、困窮が続いていたイラク国内。
フセイン政権下のイラク国民が経済制裁の影響を受けすぎているとして96年から始められたのが、オイル・フォー・フードと呼ばれる「石油・食料交換プログラム」。国連がイラクの石油を管理し、その販売金で食料を買う。それを市民に配給するという目的で始められた人道支援計画。総額640億ドル(当時の為替で7兆3600億円超)という巨額の予算のため賄賂や不正が横行し、2003年11月に終了した。当時、プログラムを管理していた国連事務次長のベノン・セバン自身(本作での役名はコスタ・パサリス〈通称:パシャ〉)の関与がのちの調査で明らかになった。少なくとも18億ドル以上の汚職が判明しているが、国連は調査協力を拒否したため現在も全貌が明らかになっていない事件である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/石油食料交換プログラム
https://documents-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N95/109/88/PDF/N9510988.pdf?OpenElement