本予告編
つくづく思うことだが、映画の入り口は日常の思わぬ場所にぽっかりと開いている。その穴はあまりに小さく平凡に見えるので、うっかりすると見過ごしてしまう。しかしよく観てよく聴きながら入ってみると、豊かで魅惑的な世界が広がっている。
想田和弘監督観察映画第七弾
想田和弘監督が、港町で暮らす人々にフォーカスを当てたドキュメンタリー。
公式サイト:http://minatomachi-film.com
http://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/1329/
想田和弘(そうだ・かずひろ)
1970年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒。スクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒。93年からニューヨーク在住。映画作家。台本やナレーション、BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。
監督作品に『選挙』(07)、『精神』(08)、『Peace』(10)、『演劇1』(12)、『演劇2』(12)、『選挙2』(13)、『牡蠣工場』(15)があり、国際映画祭などでの受賞多数。著書に「精神病とモザイク」(中央法規出版)、「なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか」(講談社現代新書)、「演劇VS映画」(岩波書店)、「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」(岩波ブックレット)、「熱狂なきファシズム」(河出書房新社)、「カメラを持て、町へ出よう」(集英社インターナショナル)、「観察する男」(ミシマ社)など。本作に続き、初めてアメリカを舞台にして撮った『ザ・ビッグハウス THE BIG HOUSE』(観察映画第8弾)が2018年6月公開予定。その制作の舞台裏を記録した単行本「〈アメリカ〉を撮る(仮)」(岩波書店)も刊行予定。
https://ja.wikipedia.org/wiki/想田和弘
イメージ・フォーラム:16:00-18:10 (122分)
https://vimeo.com/ondemand/uplinkcloud117
想田和弘監督の「観察映画」6作品パック
http://www.uplink.co.jp/cloud/features/1431/
「観察映画第8弾ザ・ビックハウス」
観察映画の十戒
1.被写体や題材に関するリサーチは行わない。
2.被写体との撮影内容に関する打ち合わせは、原則行わない。
3.台本は書かない。作品のテーマや落とし所も、撮影前やその最中に設定しない。行き当たりばったりでカメラを回し、予定調和を求めない。
4.機動性を高め臨機応変に状況に即応するため、カメラは原則僕が一人で回し、録音も自分で行う。
5.必要ないかも?と思っても、カメラはなるべく長時間、あらゆる場面で回す。
6.撮影は、「広く浅く」ではなく、「狭く深く」を心がける。「多角的な取材をしている」という幻想を演出するだけのアリバイ的な取材は慎む。
7.編集作業でも、予めテーマを設定しない。
8.ナレーション、説明テロップ、音楽を原則として使わない。それらの装置は、観客による能動的な観察の邪魔をしかねない。また、映像に対する解釈の幅を狭め、一義的で平坦にしてしまう嫌いがある。
9.観客が十分に映像や音を観察できるよう、カットは長めに編集し、余白を残す。その場に居合わせたかのような臨場感や、時間の流れを大切にする。
10.制作費は基本的に自社で出す。カネを出したら口も出したくなるのが人情だから、ヒモ付きの投資は一切受けない。作品の内容に干渉を受けない助成金を受けるのはアリ。