予告編【4/7(土)公開】
失踪した息子の行方を追う身勝手な両親の姿を美しくも冷ややかな映像で描く。
公式サイト:http://loveless-movie.jp
https://ja.wikipedia.org/wiki/ラブレス_(2017年の映画)
監督・脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ(Andrey Zvyagintsev)
1964年2月6日ロシア・ノヴォシビルスクで生まれ。1984年に地元の演劇学校を卒業後、ロシア演劇大学(GITIS)に進学、エフゲニー・ラザレフの指導を受ける。1990年に卒業後、独立系の演劇プロダクションでTV番組や映画でいくつかの役を演じた後、2000年に監督デビューを果たす。2003年、初の長編『父、帰る』がその年の映画界にセンセーションをもたらす。監督だけでなくスタッフの多くも新人でありながら、ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞。さらに新人監督賞も受賞し「愛と喪失と新しい時代についての荘厳な作品」と称された。2作目の『ヴェラの祈り』(07)は第60回カンヌ国際映画祭に出品され、主演のコンスタンチン・ラヴロネンコはロシア人俳優として初めて男優賞に輝き、3作目『エレナの惑い』(11)は、第64回カンヌ国際映画祭でプレミア上映され、ある視点部門審査員特別賞を受賞した。4作目の『裁かれるは善人のみ』(14)は第67回カンヌ国際映画祭のコンペティションで上映され脚本賞を受賞、またゴールデン・グローブ賞を受賞した初のロシア映画となったほか、アカデミー賞Ⓡ外国語映画賞にもノミネートされた。5作目の本作では第70回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞したほか、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネート、ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国語映画TOP5、インディペンデント・スピリット・アワード外国語映画賞ノミネートなど世界で高く評価されアカデミー賞外国語映画賞のフロントランナーと目されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アンドレイ・ズビャギンツェフ
https://ja.wikipedia.org/wiki/父、帰る
http://www.ivc-tokyo.co.jp/elenavera/
http://www.bitters.co.jp/zennin/
監督の言葉
『ラブレス』は、時代と登場人物の設定を変えて、イングマール・ベルイマンの『ある結婚の風景』と対になるものとして描きたかった。自己認識や自己不信の感覚を欠いた都会人、今日の平均的な中流家庭の夫婦を登場させて。
長い結婚生活の後、お互いにうんざりしている男と女が離婚に進む。よくある話だ。ただ、二人には新しい生活が待っている。ページをめくり、人生の新しい章を新しいパートナーと新しい気持ちで始めたいと思う。考えただけで満たされ、将来の展望でいっぱいになる。過去の経験は二人を少し落胆させたが、まだ未来に対する自信は失っていない。二人に残された作業は、これからの幸せの前に立ちはだかる重荷を下ろすことだけだ。夫婦の息子アレクセイは、二人にとって、怒りに任せてお互いにぶつけ合うぬいぐるみのような存在になっている。他人のような存在に。
「私は変わる。こんな幻滅に追い込んだ間違いは二度と犯さない。新しいスタートを切る。」これこそ、しくじりに対して他人を責める人たちの思考だ。結局、本当に変えられるのは自分自身だけ。自分が変わって初めて周りの世界が輝き始める。ひょっとすると、取り返しのつかない喪失だけが、これを可能にするのかもしれない。
ポストモダン時代とは、個人が受け取る絶え間のない情報の流れに水没した脱工業化社会のことだ。他人のことは単なる目的達成の手段と捉え、ほとんど興味を抱かない。目下、誰もが自分のことしか考えていない。この無関心から抜け出す唯一の方法は、他者に尽くすことだけだ。相手が全く知らない他人であっても。例えば、報酬の約束もないまま、それが自分の人生の真の目的かのように、この失踪した子供を街中懸命に探すボランティアの捜索コーディネーターのように。この当たり前の行為が彼の一挙手一投足に意味を持たせる。それが、人間性の喪失と世界の混乱と戦う唯一の方法なのだ。
http://cinema.pia.co.jp/news/174920/74714/
2017年・第70回カンヌ国際映画祭審査員賞
T・ジョイPRINCE品川:19:00-21:20 (127分)
https://mainichi.jp/articles/20180408/ddv/010/070/006000c