予告編
ニューヨークを拠点に活動し、本作が長編デビュー作となる福永壮志監督が、ニューヨークとアフリカを舞台に描く移民の物語。シスコはリベリア共和国のゴム農園で働きながら、家族を養っていた。過酷な労働環境改善のため、仲間たちとともに立ち上がるが、状況は一向に変わる気配がなかった。そんな折、シスコはいとこのマービンからニューヨークの話を聞き、より良い生活のために愛する家族をリベリアに残し、単身アメリカへ渡ることを決意する。ニューヨークのリベリア人コミュニティに身を置き、タクシードライバーとして働き出したシスコは、移民の現実に直面しながらも、多種多様な人が住み、騒がしい都会での生活に少しずつ順応していく。しかし、予期せぬタイミングで元兵士のジェイコブと再会したシスコに、リベリアでの忌々しい過去がよみがえってくる。
公式サイト:https://liberia-movie.com
http://www.uplink.co.jp/movie/2017/48178
「日本人監督が描く、アフリカからNYにやってきた移民の戸惑い」
http://www.webdice.jp/dice/detail/5453/
「映画『リベリアの白い血』が描き出す「移民」たちの苦悩」
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/out-of-my-hand_b_17694408.html
J&B:15:45-17:30 (88分)
リベリア
リベリア共和国はアメリカで解放された黒人奴隷によって建国され、国名はラテン語のLiber(自由)に由来している。
1980年代から2000年代に2回の内戦が起きており、劇中でもその影響が垣間見える。
内戦後リベリア政府はリベリア映画組合を設立、本作は同組合にとって初めての共同制作作品である。
完成後は『グローリー(2014年)』の監督、エヴァ・デュヴァネイが本作を大変気に入り、自身が指揮する配給会社ARRAY により全米各地で上映された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/リベリア
https://ja.wikipedia.org/wiki/リベリア内戦
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/liberia/data.html
監督・脚本福永 壮志 Takeshi Fukunaga
北海道出身でニューヨークを拠点にする映画監督。
2015年に初の長編劇映画となる本作『リベリアの白い血』
(原題:Out of My Hand)がベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品される。同作は世界各地の映画祭で上映された後、ロサンゼルス映画祭で最高賞を受賞。米インディペンデント映画界の最重要イベントの一つ、インディペンデント・スピリットアワードでは、日本人監督として初めてジョン・カサヴェテス賞にノミネートされる。
2016年には、カンヌ国際映画祭が実施するプログラム、シネフォンダシオン・レジデンスに世界中から選ばれた六人の若手監督の内の一人に選出され、長編二作目の脚本に取り組む。
監督より
この映画は、リベリア部分の撮影監督を務めた村上涼が自主制作していたドキュメンタリーから着想を得ています。自分にとって同じニューヨークの映像関係で活動する日本人として先輩であり、義兄弟でもあった村上は、2007年と2008年にリベリアに行き、ゴム農園の労働者のドキュメンタリーを撮影しました。プロジェクトの制作を手伝う中で、映像に写っていた、過酷な労働の中でも尊厳とひたむきさを保ち、たくましく生きる労働者達の姿に強い感銘を受け、当時構想していたニューヨークに住む移民の映画の主人公の背景を、リベリアのゴム農園の労働者に設定することに決めました。
インターネットで何もかも知ることができる現代では、“知らない”ということも一つの選択として違う意味を持つようになったと感じます。普段の日常品をただ使って捨てるのではなく、その裏側に関心を持ち、そこで働く人たちを想像することで、消費に対する向き合い方が変わるのではないかと思います 。そのように広い思いやりの気持ちを持つことは、アメリカをはじめとした世界各国が排他主義に移行している近年、より一層必要とされていることのように感じます 。
僕が生まれた場所や文化は、リベリアのそれとは大きく違いますが、この映画を通して伝えようとしているテーマは普遍的なものです。日本人がリベリア人の映画を撮るというのではなく、同じ人として人間を描くということを念頭に、この映画の制作に取り組みました。それぞれの背景にかかわらず、映画を見て頂いた方々に共感を持って鑑賞して頂けることを願っています。
http://www.takeshifukunaga.com
https://ja.wikipedia.org/wiki/福永壮志
「監督インタビュー」
http://www.cinemajournal.net/special/2017/liberia/index.html