ジェンダーって何?という問いは、なぜジェンダーなのか?という問いを生じさせます。ジェンダーとは政治や経済などの社会的要因と相関した女や男などの変数であり、自然な身体的男女としての性別概念に代わる視点が、社会的・歴史的・文 …
70年代に欧米社会で提起されてきた「近代家族」論とは、どのようなものなのでしょう。家族普遍論的な家族観に対抗して、「家族」は普遍的な概念でなく、近代に形成された「近代家族」でしかなく、近代と共に変異する集団概念であるこ …
前回見て来た日本の家族普遍論的な家族観のルーツはどこにあるのでしょうか。一見ごく当たり前の当然の普遍的な家族観は、実のところ自然でも当たり前でも普遍でもなく、近代社会が作りだした「近代家族」に非常に類似しているのです。 …
近代社会の結婚観において「結婚の目的」とは何なのでしょうか。「結婚」とは、何のためにするものと考えられているのでしょうか。結婚する目的は、確かにさまざまでしょう。 たとえば女性なら、お金、生活費の保障、食べさせてもら …
今から40年ほど前に「結婚しようよ」と、歌っていた日本社会の中で育った若者男女が、漫然と抱いている結婚観には、ある特徴が見え隠れしています。その一つとして、皆婚(かいこん)主義という考え方の自明性があります。皆婚主義とは …
私は、東京の某女子大学で、非常勤講師として社会学「ジェンダー論」を教えておりますが、今回はこの授業で出会った女子学生の話を紹介していきたいと思います。彼女は、大学に入学した1年生の時には、以下のように自分の将来のプラン( …
私は、社会学を専攻しており、大学で「社会学」科目を教えております。「社会学」は、研究対象が余り理解されてなく、とりあえず分かったような、分からないような「社会についての学」という説明でお茶を濁しておりますが、より詳細には …
世界の中の日本のジェンダーに係る調査データについても、日本の評価の高いものと低いものがあります。第1回で紹介したUNDP(国連開発計画)のGEM(ジェンダーエンパワ−メント指数)で、0.557の日本のランキングは、93 …
前回に紹介したUNDP(国連開発計画)の公表するGEM(ジェンダーエンパワーメント指数)以外にも、国際社会の世界全体における日本の姿を示す調査データが幾つかあります。日本の大学生の多くは、次のような日本のイメージを持っ …
国際学部の学部長をやっている椎野と申します。一般教育科目の一つである「ジェンダー論」を担当している縁で(おそらく)、「ジェンダー論」のテーマの原稿執筆の依頼がありましたので、4回の連載にお付き合いください。 国際学部 …