ヨーロッパのオルタナティブ教育を多少、研究・教育している者として、
「世界一幸せな国」デンマーク社会を知りたい、日本を知りたい、自分を探したい日本人にとって良いプログラム(英語と日本語使用)だと思います。
フォルケホイスコール(Folkehoejskole)(=人々のカレッジ)は、公教育から独立の、市民による市民のための市民の学校で、デモクラシーを育てる空間であり、「学校」ではない学校です。多くは、デンマーク人を対象にしてますが(デンマーク語+英語使用)、外国人向けのInternational People’s College=IPC(英語使用)もあるそうです。(今回のこのボーセイホイスコールのプログラムは、日本人向けなのでより適していると思います。大学生向けではなく、日本人一般向けの英語使用のプログラムであることに注意。)
永田 佳之『オルタナティブ教育―国際比較に見る21世紀の学校づくり』新評論2005の「デンマーク」のところに記述があります。
清水 満『生のための学校―デンマークで生まれたフリースクール「フォルケホイスコーレ」の世界』新評論(改訂新版)1996も参考になります。
創始者の本がいくつか日本語になっています。(お世話になっている「新評論」さんからの出版が多いです。)
クリステン コル『コルの「子どもの学校論」―デンマークのオルタナティヴ教育の創始者』新評論2007
ハル コック『グルントヴィ―デンマーク・ナショナリズムとその止揚』風媒社 2008
オヴェ コースゴー『政治思想家としてのグルントヴィ』新評論2016
(東海大学は、グルントヴィ系の大学です。)
デンマーク発のフォルケホイスコールは、今は北欧の教育機関となっており、デンマークに100校、北欧に400校ぐらいあり、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドにあります。
山田先生ご紹介のドイツでは、フォルケホイスコール(Folkehoejskole)はドイツ語でVolkshochschuleやHeimvolkshochschuleと表記されています。ドイツでは日本的にはカルチャーセンターのようなものなのでしょう。スウェーデン、フィンランドでは、専門学校扱いです。
ハル コック『グルントヴィ―デンマーク・ナショナリズムとその止揚』風媒社 2008
ハル コック『生活形式の民主主義―デンマーク社会の哲学』花伝社 2004
N.F.S. グルントヴィ
『ホイスコーレ〈上〉 (グルントヴィ哲学・教育・学芸論集)』風媒社2014/
『生の啓蒙 (グルントヴィ哲学・教育・学芸論集)』風媒社2011
『世界における人間 (グルントヴィ哲学・教育・学会論集)』風媒社2010